【全アルバム】〜Peter Murphy…Gothの帝王にはまだ先がある!(おまけはBAUHAUS)〜
はい、ピーター・マーフィーです・・・って知ってますよね(ちょっと不安)笑?
1979〜1983年まで活動したNewWave/PostPunkバンド BAUHAUSのVo.だった人です。
BAUHAUSの音楽は本当に衝撃的で、ファーストアルバム「In The Flat Field」を聴いたときは無性にいますぐバンド・リハーサルしたくてたまらなくなったことを覚えています汗
BAUHAUSのサウンドの個性を代表する存在がこの人のウタです。声にハリとツヤがあって、ボウイやレノンの系統だと思ってます。BAUHAUSの頃からほとんど作曲には加担してないようですが、この人が歌うと“作品”となるという感じです。およそバンドのVo.とはそうでなきゃいけないのではと思っています。New Orderとかのサウンドにちょっと苦手意識があるのも、このVo.の無個性さ故ではないか、と自分では思ってます汗
ちなみに、下の写真、向かって左側が芥川龍之介で右側がピーター・マーフィーです。
面長なところと鼻筋以外はそれほど似ていないと思いますが、私は最初にジャケ写で見た時は「芥川龍之介そっくりだ!」と思いました笑
ピーター・マーフィー(以下、PM)は、BAUHAUS時代の印象が強いと思いますが、ソロになってからのバンドサウンドは意外と「マトモ?」で、key.を入れて基本のギター、ベース、ドラムとの割と分厚いサウンドが多くて、一般的には彼はGodfather of Gothicと呼ばれてますが、曲調自体は爽やか系のものも結構あります。彼のヴォーカルが入ると一気にGothicぽくなっちゃいますけど笑。ソロだけでなく、BAUHAUS期からカバー曲のクオリティが圧倒的に高くて、原曲を超えているのでは・・・と思うものがほとんどです。
ソロになりたての頃なんかは、おそらく自分で曲を作ったこともないので、苦労したと思います。私は大ファンでしたので、ファーストソロはもちろん喜びはしゃいで飛びついたのですが、やはり良かったのはカバー曲(マガジンのThe Light Pours out of me/なんとなんとJohn McGeoch本人がギターで参加している!?と、Pere UbuのFinal Solution)でしたね。ちなみにFinalSolutionという曲は、Pere Ubuで聴いてたときはカバーしたいなんてこれっぽっちも思わなかったのですが、PMのこの曲のEP盤のテイクはすぐに当時のバンドでカバーしちゃいましたね笑・・・割とソロ作も多く出しているので、ピックアップして解説したいと思いますが、一応、全作品あるので、ひとまず、PMのソロ全作品とソロ前の重要なミック・カーンとの共作/DALIS CARダリズカー期、そしておまけにBAUHAUS期の全アルバムとその中のおすすめ曲をまとめてご紹介しますね。
私は実は、英国出身のバンドなどがアメリカに進出するという流れが一般的な中で、その後に売れようが売れまいが関係なく、アメリカ進出へ向けての音楽の変化で、なんだかとても嫌いになって(あくまでも音それ自体が)聴くのをやめちゃうことがよくあるのですが、PMはその傾向から外れた数少ないアーティストの一人です。
Gothic系と目されるアーティストやバンドは、アメリカでも一定のちゃんとした市場規模があるみたいで、いや、アメリカだからあるのかなぁ?・・・PMはしっかり立脚点を確保できているようで、活動は順調のようでなによりです笑 アメリカでは2作目になるそうですが、通算3作目の「Deep」からCuts You Upがヒットシングルとしてめちゃめちゃアメリカで認知されたみたいで、すっかりちゃんとしたRespectを獲得しているようですね。でも確か、この人、トルコ在住なんですよね笑・・・奥様がトルコの方です。そりゃ家庭も円満ですよ。わざわざトルコに永住を決断するくらいですから笑
正直言って、この人の声が聴ければそれでよし!というアルバムが多いのですが、それじゃ、メモを書く意味がないので、オススメしたいアルバムをいくつかピックして紹介しますねー
<ソロのアルバムに関するメモ>
◎ファーストソロアルバム「Should The World Fail to Fall Apart」。
このアルバムはやっぱりJohnMcGeochの参加でのThe Light Pours Out of Meかなぁ。Final Solutionの方は、アルバム収録バージョンよりもEPの方のバージョンの方がかっこいいです!
◎通算2作目「Love Hysteria」。
1曲目のAll Night Longですね。もう、めちゃくちゃ好きです!このアルバムの翌年に出た中森明菜さんの「I Missed The SHock」(私が中森明菜さんの中で一番好きな曲です。)のアレンジ&バックバンドEUROX・・・というよりアレンジャーかディレクターの人か・・・は絶対、この曲をアレンジの参考にしていると思います!そのくらいカッコいいです笑
◎通算3作目「Deep」(1989年)
シングルCuts You UpがUSAでヒットしました!私もいまだにヘビロテです。このアルバムは他にも3曲ほどとても爽やかでノリの良い曲が入っています。全編にわたって、ヒットを狙った感じの音作りですが、単純に良い曲です。売れた枚数も多いので、中古CD屋さんとかいくと、100円くらいでよく見かけます笑・・・まぁ、確かに普通の人はPMのウタをずっと聴くのは強烈すぎて飽きちゃうかもですね〜
◎通算5枚目の「Cascade」(1995年)
私がPMの作品で1〜2位を争うほど好きな曲I'll Fall With Your Knifeが入ってます。この曲、ある事情があって日本語の歌詞をつけて追悼のための演奏として即席バンドでカバーしました。リハ1回だけしかしてないけど、メンバー全員うまくて良かったです汗
◎この前にライヴアルバム出していて、私は例によって聴いていないのですが、それもPM本人は作品としてカウントしているため、通算にすると7枚目となる本作「Dust」。
これ、契約レーベルの関係でCD手に入りづらいから、聴いたことない人、多いんじゃないかな?
簡単なアルバム評では、“トルコの人たちと録音した地味で暗めのアルバム”くらいでまとめられているけど、ちょっと勿体無いくらい良いアルバムですよ。もちろん、中東独特のシタールみたいな弦楽器の音とポコポコいう打楽器の音が中心で、デジタル音がかぶさるって感じのサウンドの全編ですが、曲は個人的にとても好きなものが多いです。言い方は変ですが、私はPMが「Gothicとはこのことだ!」という感じを全開にした初めてのアルバムと思ってます。ちゃんと軽快な曲も多いので、簡単すぎるアルバム評に騙されないで欲しいです!
◎前述のライヴ盤入れると、通算8枚目の「Unshattered」。
前作で活躍したトルコミュージシャンではなく、“通常の”ロス出身のオルタナバンドjane'sAddictionのスティーブン・パーキンス(ds)とエリック・エイヴェリー(b)とか、ギターにピーター・ディステファノとかが参加して、グランジぽいオルタナロックになってます!PMのソロの中では、ピアノ、ギター、ベース、ドラムのシンプルなフォーピースの楽曲が多い。曲もいいし、演奏もカッコいいですね!私の個人的なiPhoneプレイリストでは、このアルバムからの曲が一番多く選ばれています。
◎通算9枚目のその名も「Ninth」。
全曲、元気いっぱいのもう、全力グランジの痛快なアルバムです!これ、めちゃめちゃ好きなアルバムです!PMがちゃんと痩せたら、LIVEに行きたいくらいです!スリーピースバンドでこのアルバムのThe Prince〜をカバーしました!気持ちよかったですねぇ笑 PMのアルバムはなんか、衰えない感じで、私の中ではどんどんよくなっている気がします!
◎最新作の「Lion」は、結構、重たい感じのこれぞGothicってサウンドのアルバムです。翌年に出た「Remixes from Lion」の方が私は好きです。こちらはリミックス担当したYouth(元Killing Jokeのベースだった人)の好みかもしれないけど・・・笑
<ミック・カーンとの共作「DALIS CAR」>
ミック・カーンとの共演バンド、ダリズ・カーの2枚目「InGladAloneness」(2012年)。
前作から30年近く開いての新作にはもちろん理由があって、ミックの末期癌で最後になるかも、ということですね。5曲入りのEPとして発表となったのはとても残念ですが、1作目「Waking Hour」の中のJudgement is the Mirror以来のPOPな曲が収められていて私はとても好きです!
ここからはおまけです。BAUHAUSについて。
私の中で、BAUHAUSはあの伝説のジム・モリソン率いるTheDoorsと同じ位置付けのバンドです。つまり、アルバム単位で必ず聞かなきゃいけないバンドでありながら、シングル曲が素晴らしい!!!というバンドです。こんな位置付けは2つだけです。
最近は、めっきり減ってはいるのですが、私はBAUHAUSのオリジナルアルバムを聴くときはアルバムをまるまる通して聴きます。どの楽曲も全て重要で、きちんと練り込まれてできていると感じるからです。これは最初に聞いた時から一貫して感じていることです。つまり、聴いている曲の終わりと次のアタマが同時になり出します笑
BAUHAUSのアルバムでわざわざ2枚組CDのベスト盤を入れているのは、アルバム未収録曲のシングル曲で秀逸な楽曲が多いからです。
Ziggy Stardust(ボウイのカバー)、Telegram Sam(Tレックスのカバー)、Sanity Assassin、Lagartija Nick、Dark Entries、Terror Couple Kill Colonelそして、極め付けがSpiritのシングルバージョン!(これ、サイコーに好きです!)この中から、4曲もカバーしたことがある笑 完全にフォロワーになり損ねた感でいっぱいですね爆笑
◎「In the Flat Field」
もう、1曲目のDouble Dareの出だしと続くIn the Flat Fieldの流れで身動きを封じられます!
◎「Mask」
バンドサウンドとして最高のアルバムです。ビデオで見たThe Passion of Loversでのかっこよさときたら!このライヴビデオを見るために、私はBetaのビデオデッキをローン組んで買いました汗 当時、きつかったなぁ〜
◎「The Sky`s Gone Out」
Third Uncleですよ、出だしが!B面が組曲みたいになってる。アコースティック感が強いけど、人を癒すことからは最も遠くに位置するアルバムです笑
◎「Burning from the Inside」
彼らのNo.1の楽曲She's in Partiesはこちらのアルバムバージョンで必ず聞かなければいけません!PMはこのアルバム制作中に病気になり、ダニーとデヴィッドがかなりの曲のVo.をとっています。確か、発売した時には解散していたと記憶してます涙 そりゃ、いないうちに、ウタ録られていたらやめるかもね〜
◎「Go Away White」
Love&RocketsバックにPMが歌ってる〜なんて評する人が多いけど・・・ちょっと、そうかも笑
1曲目はまだしも、2曲目以降は・・・。でもBAUHAUSのこのときのツアーでのLIVE音源はとてもしっかりとしたバンドサウンドで、すごい!と思いました。ちゃんとスタジオアレンジのまんまをきちんと再現している演奏が意外に多くて「プログレバンドみたいじゃん・・・汗」なんて思ってしまいました笑 ちなみに、She's in PartiesのスタジオアレンジまんまのバージョンでのLIVE演奏が初めて聴けます涙・・・」長いOutroの管楽器の音はPMが担当してますよー笑 Spiritのシングルバージョンは・・・まぁ、無理でしょうね汗
PMも気づけば、けっこうソロキャリア長いですね!正直、こんなにずっと活躍を継続できる人だとは思ってませんでした!【全アルバム】紹介メモシリーズは、BAUHAUSを取り上げた方が良かったかもしれないなぁ〜笑
PMも、ダニエル・アッシュも、デヴィッド・Jもケビン・ハスキンス(ちなみに二人は実の兄弟)も、みんな、根はとっても真面目なことはBAUHAUS時代からなんとなく思ってたけど、ホント、ちゃんとコンスタントに仕事に打ち込む姿勢は尊敬します!
あとPMの、どうも奥様にアタマの上がらなさそうでずっと奥様=家族優先なところも、見習いたいと思います!