2025年1日5日 菅井円加さん ジゼル@ウクライナ国立バレエ
1/5(日)東京文化会館大ホールにて行われたウクライナ国立バレエ団「ジゼル」を観に行って来ました!(15時開演)
ジゼルは菅井円加、アルブレヒトはアレクサンドル・トルーシュ のハンブルクバレエ団のペア。
行く前のこと
元々の主演は、アリーナ・コジョカルの予定だったのですが、怪我のためキャンセル。代役に菅井さんが発表されました。
菅井さん、素晴らしいダンサーだけど、全然ジゼルのイメージない。。コジョカルのファンの私はチケットをリセールに出そうかとも考えましたが、菅井さんのジゼルはレアだし案外良いかも!と思い直しました。
イメージないのはもっともで、菅井さんは全幕のジゼルは初役だったそうです。
菅井さんのジゼル_特徴的なところ
菅井さんのジゼルは、黒髪のとても清楚な風情。アルブレヒトとの花占いの場面では、はにかむというより硬い感じで、本当は好きではないのでは?とちょっと思っちゃうくらいでした。
あと、若干心配だったのが、彼女は強靭な肉体を持つダンサーで、特に跳躍がすごい。なので、さっきまで元気いっぱい、とても死にそうになかったジゼルが突然ばたんと倒れるというパターン(←ギエムがこれ)になってしまうことを恐れていましたが、菅井さんジゼルは、時折、身体が弱そうな素振りを見せ、一幕のクライマックスに向けて自然な流れに見えました。また、これはウクライナ版なのか?村の祭りの女王に選ばれるというエピソードも無し。いつも、身体の弱いジゼルを選んじゃダメだよ!と心の中でツッコミを入れていたので、個人的には無くて安心しました。
一幕のクライマックスであるジゼルが悲しみと混乱の中、狂い死にしてしまう場面。菅井さんジゼルは髪を解きませんでした。他のキャストの日は髪を解いているらしいので、これはこのペア独自の解釈ではなのかも。また、身分と婚約者がいることを偽っていたアルブレヒトを、死ぬ間際のジゼルははっきりと拒絶して死んで行きます。この場面も他ではあまり観たことがありません。現代的な解釈に感じました。
菅井さんの超絶技巧
続いて二幕へ…なのですが、結末の斬新さはともかく、やはりここで特筆すべきは菅井さんの超絶技巧です。
ポアントでアラベスクのままパンシェ!?
え?ムリムリ。我が目を疑いました。確認したくて次はオペラグラスでガン見。ここでは降りていたので、あー、やっぱりさっきのは見間違いかな、、と思っていたのですが…終演後、Xでポアントでパンシェ!のポスト多数発見。見間違いではなかったようです。すごすぎるよ、菅井さん。。
また、ジゼルは身体弱い設定なのに一幕から案外ジャンプが多く、二幕はウィリになったので、さらに重力を感じさせないジャンプが続きます。菅井円加=跳躍といっても過言ではありませんが、その彼女の真骨頂がここで発揮されます。それも、いつものダイナミックなジャンプではなくふんわりと浮いているような浮揚感のあるジャンプ。ウィリそのもの、と思わされます。菅井さんのジゼルはイメージなかったけど、このジャンプでジゼルに抜擢されたのでは!?もしかして当たり役!?と思わせる技量でした。
斬新な結末(ネタバレ)
ネタバレというか、プログラムでも書いてありますが、
アルブレヒト、死んでしまう!
いやー、びっくり。個人的には、アルブレヒトは、ジゼルを死なせてしまったという後悔と責めを負い苦しみながら生き続けるという人生を歩むべき、と思っているのでこの結末ちょっと…。だって、結果的に森番のハンスも死に至らしめてるんですよ、この人は。
ハンスって、可哀想ですよね。なんの罪もないのに。。とジゼルを観るたびに毎回思ってしまいます。
最後に
コジョカルのキャンセルにより観ることができた菅井さんのジゼルでしたが、結果的には大満足でした。やっぱり、生の舞台ってこういう出会いがあるから良いですよね。
長文お付き合い頂いてありがとうございました。同じ舞台を見られた方やこの記事を読まれた方の感想がございましたら、いただけると嬉しいです。分かち合いたいです!