父の病気
私には、母と一つ上の姉がいて、弟がいます。
父は、65歳で他界しました。何千人に1人というピック病にかかりました。アルツハイマーと違って前頭葉から萎縮していく病気です。
アルツハイマーは、自分がおかしいと気付くのですが、ピック病は何もわからないまま自分が無くなっていく病気です。脳が溶けて、最後は水のようになっていたそう。
何度も、警察沙汰になりました、行方不明になってしまうのです。
初めて、父の病気に気が付いたのは、お正月に弟(おじさん)が来られた時にお前誰?って言ったことからでした。普通に仕事も行っていたので、みんな驚きました。
そこから、家族の介護が始まります。
多分同じような思いをしている家族は、あるでしょう。働き盛りのお父さんが認知になってしまったのです。しかも、若年性。
働けるまで父は働きました。私が19歳ぐらいかな、母に父の病気を言われ、、その場は、泣いても仕方ないと言ってつっぱねたけど、バイト先に行って声を出した途端に泣き出してしまった事があります。
そこから、色々な病院に入ることになりました。老健にも行きました。明日出ていってくれと言われた事がありました。途方にもくれました。
大腿骨の骨折もありました。何年も経ち、寝たきりになって、家族とも認識出来ないし目も見えてるかどうかもわからないと医者に言われましたが、私をみたらジーッと目でおってるし、写真を見せたら目を見開いて見ていました。亡くなる前日迄。
亡くなる日、危篤との知らせを受けて病院へ母と行きました。急いで入った病院では、なぜか壮大なクラッシックが流れていました。
後で、わかりましたが、どうも私の幻聴だったみたいです。
父は大きく手を上げて苦しそうにしていたので、手を握り声をかけました。覚悟は出来ていました。
人は体は無意識に、動くらしいのです。体は生きたいと思っているのでしょう。手を握り、たくさん声をかけました。
昔から、男前と言われていた父です。どこの施設に行っても、俳優さんに似てると言われてました。とっても怖くて、暴力はするし(私がヤンチャで)本当に殴る蹴るがありましたから、本当に怖かった。
大人になっても背が高くてガッチリしたタイプが怖くて…ね(トラウマで…)。でも、大好きだった。
いつも守ってくれた。
そこから、30年ぐらい経つのか…、なんの天罰なのか、姉が若年性アルツハイマーになりました。