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『NARU』第11回〜まちのブランドづくりとマーケティング〜

NARU事務局のありさです!

なりたい自分に “なる”
自分らしく生きられるように “なる”
新しいことができるように “なる”
努力が実を結ぶ(実が “なる”)
まちづくりの仲間に “なる”
ひとりひとりの “なりたい” を応援するコミュニティ『NARU』の第11回は1月7日にZoomにて行いました。  

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新年1発目ということで、はじめに各自今年やってみたいことを共有し、皆さん個性あふれる自己紹介をしていただきました。前回の「地域経済開発」についての講義では、持続的な地域経済を築くには、まちづくりに関わる人々が経営者の目線でまちをデザインすることが鍵になることを学びました。今回は、地域経済開発をする際に、人や資産、企業を呼び込むためには欠かせない「まちのブランドづくりとマーケティング」についてみつさんに講義していただきました。

まちのブランドづくりとマーケティング

ブランドとは、財やサービスを他のものと区別するための「特徴やイメージ」を指します。まちをブランディングする文脈で考えると、次の3点が合致することが鍵となります。

  1. そのまちならではの特徴

  2. まちのイメージ

  3. 顧客(企業や関係人口、投資家)が抱く期待

この3点が調和するとき、人々の心が動く体験を提供できる

「そのまちならでは価値は何か」「どういうメッセージを伝えたいか」を明確にして効果的に発信することが重要なのです。その際に、「顧客の旅路(カスタマージャーニー)」を想定し、どのように感動体験を提供できるかを考えることがブランディングに繋がります。例えば、アメリカでは車移動が主流のため、道路沿いの看板や歓迎ムードを演出する仕掛けが重視されています。日常生活でも、親戚や友人を迎える際に、本質的に意味のある体験をしてもらえる「おもてなし」は何かを意識することで、まちのブランディングを考える練習になりますので、皆さんもぜひ試してみてください!

またアメリカのポートランドでは、1.小さな街だからこそ築ける濃密な人間関係、2. 働く場があり、自己実現が可能な環境 の両軸が整っている生活ができることをメッセージにブランディングをしていって、人材や資産、企業を呼び込んできました。

Start With 'Why' ー まちのブランドづくりは”ナゼ”から始めよう

講義内では、まちのブランディングを考える上で重要な考えとして、サイモン・シネックさんのTED Talks「Start With 'Why' / WHYから始めよ」が紹介されました。

一般的な広告やマーケティングは「What(何を)」や「How(どうやって)」を伝えることに注力しがちです。しかし、それだけでは人々の心を動かすことはできません。一方で、「Why(なぜ)」から考え行動する企業や人々は、人々の共感を得やすくなります。サイモン・シネックさんの提唱するゴールデンサークルでいうところの、中心(Why)から外に向かって矢印が出ている状態です。そして周囲の人々は、この「Why」に惹かれて、サービスを購入したり、賛同したりします。

サイモン・シネックの提唱するゴールデンサークル理論 ー "Why"から考えよう

この考えをまちづくりに落とし込むことができます。「ナゼ」自分の街を宣伝したいのか。「ナゼ」この街にきたら企業や人々が幸せになるのか。今 「ナゼ」このまちに住んでいるのか。このまちの住民は本当に幸せか。というように”Why”から考えたブランドづくりをしていくことで、人・資産・企業を惹きつけ、関係人口を増やすためのマーケティングに繋がります。

感想

「まちの魅力を伝えるために、Whyを起点にする」という考え方は、人を惹きつける本質的なアプローチだと感じました。実際に、私の留学先であるオランダのフローニンゲン市は、学生が人口の1/4を占めている学生都市としての特性を活かして「City of Talent(才能のまち)」というブランディングをしています。20万人規模の地方都市に、大学や専門学校などの教育機関やスタートアップ企業が集積している強みを活用して、国内外から学生や若者を惹きつけています。

また、先日訪れた富山県南砺市井波では、江戸中期に京都から迎え入れた彫刻師・前川三四郎を起点に木彫文化が発展したように、今は100年後の新たな文化をつくる人、地域の進化を生み出す「源泉」となる人材を募集・育成する取り組みが進んでいます。井波を「人材輩出地域」としてブランディングすることで、地域起業家が新しいビジネスを始めたり、新たに移住された方がコーヒーショップやパン屋を展開している様子を実際に私も目で見て、地域に活気が生まれていることを強く感じ取りました。

コーヒーショップ「ヘイズコーヒー」@井波
彫刻師の工房が軒を連ねる八日町通り@井波

このように、「そのまちならではの価値とは何か」を明確にして、それを基盤にブランディングしていくことは、どのまちでも実践可能だと思います。私自身も、この考え方を自分の住む場所や関わる地域に当てはめて、各々のまちのブランドは何か、深く考えたいなと思いました。

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