ファミリービジネスの強みをデータで見る
前回は、日本流ファミリービジネスのちょっとした秘密についてお話しました。記事はこちら ☟
改めて、ファミリービジネスの強みについて確認していきましょう。
「ファミリービジネス白書2018年版」によると、上場企業の53%がファミリー企業であり、総資産事業利益率・売上高営業利益率の収益性指標、流動比率・自己資本比率等の安全性指標について、ファミリー企業の方が非ファミリー企業より業績優位性が実証されています。また、株価パフォーマンスでは、株式投資有益率、サスティナブル成長率、株価純資産倍率(PBR)が一般企業を上回っています。
静岡県立大学 落合教授の調べでは、ファミリービジネスは、少ない資本で利益を生み出すことが、ROA,ROEで実証されています。
世界のファミリービジネスランキングを、2015年のデータで「日本のファミリービジネス」から見てみましょう。
この500社に日本企業は7社ランクインしています。
皆さんがよく知っている企業名が並んでいます。
けれども、入っていると思っている企業が無いな?と思われた方もいらっしゃるでしょう。
例えば・・・トヨタ自動車株式会社。
現社長は豊田章男さん。曾祖父の豊田佐吉さんが豊田自動織機創業者でトヨタグループ創始者、祖父の豊田喜一郎さんがトヨタ自動車創業者です。
余談ですが、TBS制作のTVドラマ「LEADERS(リーダーズ)」は、個人的に大好きで何度も見ています。世の中に無かったものが当たり前になっていくプロセスには感動と学びがたくさんありますね。そのあたりはまた、ゆっくりと取り上げたいと思っていますので、お楽しみに。
豊田章男さんは創業者一族ですが、トヨタ自動車株式会社はいわゆるファミリービジネスでは無いのです。これはいくつか指針があるのですが、創業家一族が経営者であっても、株式所有率や役員構成などで、ファミリービジネスかどうか、を判断しているためです。
日本ランクイン7社のうち株式公開は3社のみ。これも特徴的ですね。
さて、次回はこの強みをどう活用していくのかについて考えていきます。