【EV】急速充電器は普及しない理由
こんにちは。MAKOです。
本日以下記事がYahooニュースにアップされていました。
記事の中でエネチェンジ城口CEOは以下のように述べています。
この記事に対してEVユーザーから「世界基準に合わせるべきだ」といった批判的な意見がちらほら出ているようです。しかし城口CEOが「早ければ早いほど良い、という状況でわない」と言った理由は国内産業保護だけではないと私は思っていて、今回記事に書くことにしました。
電力系統側の負荷の問題
近年、原発再稼働が進まず毎年夏冬に電力不足に陥っている日本ですが、最近は原発再稼働だけではなく需要側(電力消費側)の工夫で乗り切ろうと躍起になっています。デマンドレスポンスという言葉は聞いたことがあると思いますが、あれは電力逼迫時に電力需要をフラットにすることを目的としているのです。
そんな状況で急速充電器の高出力化をすると電力需要のピーク値をさらに上げることになります。
150kWの急速充電器は6kWの普通充電器25台分に相当します。電力業界側からすると「勘弁してくれ」というのが本音であり、急速充電器の普及は望んでいないのです。
現状のEVユーザーはイノベーター
現状、EVは国内自動車販売台数の数%しかない状態であり、今のEVユーザーはイノベーターという新しい物好きが集まっている状況です。
彼らは充電そのものをエンターテイメントとして楽しんでいるわけで「早ければ早いほど良い」と思うのも無理はないかもしれません。
しかしよく考えて下さい。EVの最大のメリットはいつでもどこでも充電できることなのだから駐車場に止まっている時間に充電すればいいのです。一分一秒を争って急速充電器の出力向上を目指す必要は全くないはずです。
ガソリンスタンドの給油から発想が抜け出せていない(EV本来のメリットが活かされていない)ように思います。
「とはいえ政府が急速充電器の高出力化を推奨してるんだからメリットがあるのでは?」
それは現状の急速充電器が30kW程度しかなくて全く使い物にならないから言っているのであって、200kWや300kW必要だとは言っていません。しかも急速充電器はあくまでもSAなどの緊急時を想定したものであり、メインの充電システムにしようなどとは思っていないはずです。
個人的には「急速充電器は早ければ早いほど良い」という論調はEV普及に伴い、スポーツカーの最高時速争いのようにニッチな話題になっていくと予想しています。
テラチャージの急速充電器1000台
そう言ったことを考えると、以前発表されたテラチャージの「町中に急速充電器を設置する」という発言は‥なんというか時代に逆行しているなあと思う訳です。
おそらくテラチャージも都内に急速充電器を1000箇所設置しても採算は取れないことは分かっているはずです。じゃあなぜそんなことをするのかというと、今後の上場のための話題作りだと思います。「急速充電器でNo. 1」というポジションを確保して上場時に多額資金調達を目論んでいるのではないでしょうか。
普通充電器No. 1の座はエネチェンジでほぼ確定してしまった以上、テラチャージとしては急速充電器に活路を見出すしかなかったのかもしれません。
ですが、急速充電器ベースのチャージポイントオペレーターは厳しく、充電収益だけで黒字化してる企業はテスラ含めていないのではないでしょうか。
電力需要は極力フラットが望ましい
繰り返しになりますが電力供給側からすると低出力かつ需給制御も可能な普通充電器が望ましい訳ですが、EVバッテリー容量がまだまだ小さい現段階ではSAなどの経路充電として急速充電器も必要になってくるでしょう。
しかし、将来的にはガソリン車が高速道路で給油しなくて良くなったように、バッテリー進化に伴い経路充電すらも必要としない日は訪れるはずです。
スマートフォンの充電スタイル
私は使わない時に充電するスマートフォンの充電スタイルがベストだと考えていて、EVも駐車中に充電するのが理にかなっていると思います。
「電力系統負荷やバッテリー劣化を考慮すると急速充電器での充電スタイルが一般的になるとはとても思えない」というのが私の意見です。
本日は以上です。
P.S.
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