【エネチェンジ】マンション向けEV充電サービス参入の意味
こんにちは。MAKOです。
11/11エネチェンジからマンション向けEV充電(基礎充電)への参入が発表されました。当初からエネチェンジは収益性の高い目的地充電をメインに事業を進めていましたが、なぜマンション向けの基礎充電に参入したのかについて解説したいと思います。
基礎充電に参入しなかった理由
以前、城口CEOは「海外の類似企業で基礎充電だけで成功した企業はない」と発言していますが、そもそもなぜ基礎充電が成功しないのかについて解説します。
ユーザー数と稼働率
EV充電事業の収益化で重要なのは「より多くのEVユーザーに使用してもらい高稼働率を維持する」ことです。それに対して基礎充電の収益化が難しい理由をケースで考えてみましょう。
戸建の場合
戸建では基本的にユーザーは1台です。もしそのユーザーがオフィスで充電する習慣があった場合、自宅での充電稼働率はずっとゼロのままになってしまいます。また、ユーザーが週末しかEVを使用しない場合、平日の充電稼働率がゼロとなってしまいます。
マンションの場合
マンションではEVユーザーが複数存在する可能性がありますが、週末しかEVを使用しないユーザーが、充電後もケーブルを抜かずに占有してしまうと戸建と同じく稼働率が下がります。
目的地充電なら帰宅時にユーザーはケーブルを抜きますが、基礎充電だとユーザーの入れ替えにおいてハードルがあり、それが収益化を難しくしています。
なぜマンション向けなのか
エネチェンジの「マンションゼロプラン(設置費0円 、月額0円、電気代0円)」の場合、以下3つの条件をクリアする必要があります。
・駐車場の車室が40台以上のマンション
・マンション1施設あたり充電器2台設置
・来訪者等も利用可能な共用駐車場への設置
先日のエネチェンジ決算説明会にて「日本のEV・PHV販売比率が3.8%に達した」と報告がありました。つまり25台に1台以上はEVの時代が到来したのです。
3つの条件を見ると「車室40台以上でEV充電器2台設置」なので、販売される自動車の25台に1台以上がEVならば「マンションには最低でも2台程度のEVがあるだろう」と考えているわけですね。さらに「来場者も利用可能」とすることで稼働率を向上させようとしているのでしょう。
※充電後のEV充電器占有問題に対しては充電完了連絡をアプリで行い、それでもケーブル差しっぱなしのユーザーにはペナルティを課すシステムを導入するとのことです。
ここまでは他社も同様にやっているはずですが、エネチェンジにはさらなる秘策があるようです。記者会見にて城口CEOは以下のように発言しています。
つまり「目的地充電があるから基礎充電にも参加できる」と言っているわけです。
あくまでも目的地充電で稼ぐ
人は日々使い慣れたものを使用したくなる生き物です。つまりマンションでエネチェンジEV充電器を使用するユーザーは外出時もエネチェンジEV充電器を使用する可能性が高いのです。マンション向けEV充電サービス単体で利益が出せなくても、エネチェンジEV充電のエコシステムにより、目的地充電の稼働率向上に貢献できるなら十分ペイするだろうと考えているわけですね。
CMで「EV充電エネチェンジ〜♪」と歌っているのはまさにEV充電器=エネチェンジと印象付けることによりエネチェンジ独自のエコシステムを形成しようとしているのです。家でも外でもエネチェンジのEV充電器が使用出来るならエコシステムを作り出すことは可能です。
目的地充電シェア8割はほぼ確実
第三四半期(2022年7〜9月)におけるEV充電器受注は926台となり、合計で1467台となりました。驚くべきは第二四半期の541台から受注が倍増していることです。
おそらく年明けにも目標の3000台設置を達成してシェア8割を確実なものとするでしょう。このエコシステムは他社には真似できないエネチェンジの圧倒的な強みとなるはずです。
まとめ
マンション向けEV充電サービスにおいてエネチェンジが他社より安いプランを提供出来るのであればトップシェアになることは確実でしょう。
Amazonや楽天が独自のエコシステムを構築することで圧倒的なシェアを獲得することが出来た様に、エネチェンジもEV充電エコシステムを形成して圧倒的なシェアを獲得するつもりなのでしょう。今後のエネチェンジに期待です。
P.S.
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