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【エネチェンジ】三菱商事の脱炭素ファンドについて

こんにちは。MAKOです。
昨日、三菱商事が国内最大級の脱炭素ファンドを立ち上げるとのニュースがありました。

このニュースを見て「エネチェンジの運営してる脱炭素ファンドとの違いは何?」と疑問に思った方のために解説したいと思います。

エネチェンジ脱炭素テックファンド

「エネチェンジ脱炭素テックファンド」の特徴として、2018年から年間100社を超えるベンチャーとの面談実績により裏打ちされたスタートアップ業界とのコネクションが挙げられます。また、ファンド規模は50-100億円規模と比較的小規模であり、投資対象もシード〜アーリーステージが大半です。よってキャピタルゲインではなく資本提携によるシナジー効果や情報キャッチアップなどに重きを置いています。
さらに投資される側として日本市場(特に電力市場)への参入というインセンティブを持たせています。

三菱商事脱炭素ファンド

投資規模は10億ドル(1350億円)と大規模であり、投資対象の上場によるキャピタルゲインを目的としています。記事によると「投資額は1社当たり2000万〜1億ドルを想定し、29年4月までに20社程度に出資する予定」とのことなので、投資対象は上場間近のレイトステージが大半になると思われます。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの脱炭素版をイメージすると良いかもしれません。
ベンチャー企業の投資ステージについては、以下記事にわかりやすく書いています。

どちらのファンドが優れているのか

投資規模と投資ステージが異なるため比較できませんが、投資規模ならエネチェンジはローリスク・ローリターン、三菱商事はハイリスク・ハイリターン。投資タイミングならエネチェンジはハイリスク・ハイリターン、三菱商事はローリスク・ローリターンと言えます。

投資規模
・エネチェンジ:リスク↘︎リターン↘︎
・三菱商事  :リスク↗︎リターン↗︎
投資タイミング
・エネチェンジ:リスク↗︎リターン↗︎
・三菱商事  :リスク↘︎リターン↘︎

つまり、投資規模に合わせて適切なリスク管理を行なっている前提であればどちらのファンドも期待値は同程度と評価して良いと思います。

投資先が被ると面白い

2018年以降、エネチェンジが国内企業に紹介したベンチャーは100社を超えており、特に有望なベンチャーに対してはエネチェンジからもファンドを通して出資しています(以下参照)。

Akselos(アクセロス)、Ambri(アンブリ)、Leap(リープ)、OhmConnect(オームコネクト)、Sense(センス)、WiTricity(ワイトリシティ)、ZincFive(ジンクファイブ)

これらエネチェンジの資本が入ったベンチャーに対して三菱商事がレイトステージで参加すると面白いなと思います。なぜならば三菱商事はキャピタルゲインを得るために資本を投入するわけですから上場がほぼ確実となるためです。

エネチェンジの投資比率は少ないとは思いますが、コロナバブル時の上場企業はほぼ全て1兆円を超えていましたし(現在は見る影もありませんが‥)、数%程度の出資割合だとしても、市況次第ではかなりのキャピタルゲインを得る可能性があります。

脱炭素で主導権を握れるか

三菱商事がファンドを立ち上げたことからも分かる通り、近い将来、脱炭素に大きな商機があることは間違いありません。エネチェンジが脱炭素テックファンドを立ち上げたのも、おそらく将来的な脱炭素(その中でも特にエネルギー)のフィールドにて世界的な地位を獲得するためです。
そのためにはやはり、資本力を根拠とした説得力のあるバックグラウンドが必要だと私は考えます。エネチェンジ単体での事業成長だけだとそれなりに時間がかかるかもしれませんが、主要なクライメートテックの株主という立場を確立出来るならば(エネチェンジもしくは城口洋平が)世界的なプレイヤーとして認知される可能性もゼロではありません。

資本は力である

例を挙げると、ソフトバンクが世界的企業と認知されたのは孫正義がアリババの大株主だったことが大きいように思います。ソフトバンク・ビジョン・ファンドのような(やや無茶苦茶とも言える)投資が正当化されたのもアリババという巨大なキャピタルゲインがあったからであり、やはり資本主義において資本は力(正義)なんだなと改めて思うわけです。

エネチェンジ(城口CEO)への期待

城口CEOもそこら辺は十分理解しているはずですが、運を天に任せるような人ではないですし「当たるかどうかもわからないベンチャー投資に未来に賭けるのはナンセンス」と思っているのかもしれません。その判断は正しいと思います。

三菱商事のような札束で頬を張るようなプレイは札束があるからこそ出来るわけで、エネチェンジの規模であればキャピタルゲイン以外の投資意義を見出さないとなかなか難しいのかもしれません。

ですが、何とかして運を引き寄せて、さらに上のレベルに行けるような大物ベンチャーを引き当ててくれないかなーと思うんですけどね(孫正義のように)。

話は変わりますが‥

全然話が変わるのですが、今回三菱商事が脱炭素ファンドを立ち上げると聞いた時、洋上風力の公募でレノバが三菱商事にボロ負けしたのを思い出しました。
エネチェンジと三菱商事が競合することはないと分かってはいるものの、三菱商事の資本力と政治力はほんと怖いなと思います。
他のJTBであれば「カモが来たー」程度に思っておけば良いと思うのですが、三菱商事だけは舐めてかからない方が良いと思います。
(三菱商事が本気になればソフトバンク・ビジョン・ファンドと同程度の札束ムーブが出来てしまうんじゃないかとビビっています‥)

最後に

色々と偉そうなことを書いてしまいましたが、私はベンチャーキャピタルで働いたこともなければクライメートテックでの勤務経験もありません。なのでここで書いていることはネットから入手した情報を元に私の頭の中で作り上げた妄想程度に捉えて頂けると幸いです。

本日は以上です。

P.S.
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