Fukase(キャラクター)見た
Netflix(アマプラも?)で見られる映画(2021)。キャラクターという映画を観たというより、Fukaseと漫画と美術を見た感が強かった。あらすじなどはこちら。
Fukase
セカオワは好きだったし、それの人と言うくらいしか認識が無かったが、これを見てどんな人かよく分かった。
デザインの才能と努力の質量が猛烈にでかい。
デザインとは作曲や作画だけでなく、写実的に目に映る全てのものだったり、その奥の感情や業がデザインに与えている影響だったりを含めたもので、この熱量が凄い。
撮影に向けて1年間演劇のワークショップを受けたと言うが、それで日本アカデミー賞の新人俳優賞を取った(事務所の押しではなく)のはやはり群を抜く感覚の鋭さがあるのだろう。
セカオワSaori曰く「天真爛漫で神経質なリーダー」って、あの殺人鬼そのままの性格笑
(プロデューサーの村瀬さんがライブを見て『この人は殺人鬼に合ってる』とスカウトされたらしいが、素晴らしいキャスティングセンスだと思うし、キャスティングと言うものは全てそうであってほしい)
漫画
劇中のキーとなる漫画『34』の作画は江野スミ先生の手によるらしいが、とても美しくて恐ろしく、前述のFukaseのデザインと後述の美術を包括して凝縮したような質感に溢れている。
他の漫画家さんで映画のコミカライズもされたようだが、ぜひとも江野スミ先生版で全編読みたい。
(オフィシャルガイドブックに原稿が載ってたらしい〜今はもう買えない涙)
美術
いずれのカットも、漫画のよく書き込まれた一コマの様に密度が高くて美しく整理されている。
最近のお金がかかっている作品にしても美術のリアリティが無いと興醒めしてしまっていたが、これは何となく日本人として嬉しい。(おこがましい)
貧乏漫画家の狭小マンションも殺人鬼の隠れ家もドヤ街の飲み屋もタワマンのスタジオも綿密にプロのフェチズムが張り巡らされている。
美術の杉本亮さんは「花束みたいな〜」を手がけていらっしゃると言うのでおっかなびっくり見てみたい。
ちなみに美術協力にバリューブックスさんのロゴを発見しました。ちゃんと犯罪関連の本を選んで、貧乏マンションもタワマンも本棚を作ったそうなので、改めてその場面だけじっくり見たい。
すみません、この映画についてはこれら3つの要素が際立って素晴らしかったので、他のことは薄いです笑
こういうコンテンツって、突出した要素に惹かれて見ていると関連した他のコンテンツにも興味が発展していくので良いですよね。
お休みのところ失礼いたしました。