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安涼奈/Alyonaのチャンネル

YouTubeで安涼奈という名前のロシア人のコンテンツ「【国家崩壊って?】制裁下のロシアの現実について。」という題名にひかれて動画を見ていた。7か月前の動画だが、彼女がロシアに帰国して、経済制裁下のロシア人の生活についてレポートしている。彼女はロシア人なのに日本語で東大を受験して合格し卒業し同大学院も修了するという信じられない頭のいい人で、この動画でも分かりやすくテンポよく充実したレポートを行っている。
私はロシアのウクライナ侵攻以前からロシア人やウクライナ人のYouTuberのチャンネルをよく見ていた。侵攻後はあまり見なくなっていたが。特徴的なのは私の知ってる両国人が日本語で発信しているYouTuberはすべて女性である。なぜかは今もって分からない。それにロシアはいちおう隣国なので日本に来たり日本語を話す人も中にはいるんだろうというのは納得するとして、なぜ隣国でもないウクライナ人で日本語で発信するYouTuberが多いのかが不思議だがこれもよく分からない。中には、ロシアの場合だが、スパイも混じっているのではないかと想像することがある。現在、フィリピンのある女性市長が中国のスパイ認定され、インドネシアかどこかで身柄を拘束されたというニュースや、米国のニューヨーク州知事のスタッフで中国系の女性がやはりスパイと認定されたというニュースが大きく報じられている。中国は日本にも各種スパイや世論工作を行う人たちも送り込んでいるとアメリカのメディアも報道したことがあるらしいが、但し日本での世論形成工作はうまくいってないという。
私はロシア系YouTuberの中には日本で世論工作をするエージェントがいるのではないか、と特定の一人を疑っているが、アリョーナは違うと思っている。仮にそうだとしても、有益な情報をくれると思って、久しく見てなかったけどまた時々彼女のコンテンツを見ようと思った。
彼女のこの動画は、ざっくり言うと、ガソリンを含むいろんな物価は多少上がっているが制裁の影響は今のところ深刻ではないという。庶民の生活は苦しいが、それは昔からのことだという。
自動車は欧米から入って来なくなったので中国車ばかりになったというのは以前聞いたことがあったが、電気製品も中国ばかりになったという。化粧品も、欧米のブランドが撤退したのでなくなったが、かわりに韓国の化粧品が多くなったという。なぜ韓国がロシアに化粧品を売るのか謎だが、そうだという。
マクドナルドは撤退したが、ロシア資本に名前を変えて引き続き営業しているので、味はマクドナルドと変わらないハンバーガーを売っているという。マクドで調理してた人はロシア人なのでマクドが撤退しても同じ味のものを作れるということなのだろう。
私は経済学のことはよく分からないのだが、なぜ西側に制裁される中で国民の生活がもちこたえることができるのか不思議に思う。
1929年の世界恐慌に続く1930年代は世界的に経済が冷え込み、失業率何十パーセントみたいな国ばかりの中でドイツだけは完全雇用を果たして好景気を実現したので、ヒトラーは、それまで胡散臭い目で見られていたのが、欧米の国々の中にもヒトラーの崇拝者がたくさん出たという。なぜヒトラーにそれができたかというと、その頃まだケインズ政策が世界でまともな認知を受けてなかったので、ヒトラーが不況時に借金をして政府がインフラとか軍事費にカネを使い始めた時、ドイツ経済は破綻すると言われた。古典派経済学の発想だとそういう考えになるという。しかし経済学者の見立てとは逆にドイツだけ好景気になった。同じ頃、日本では高橋是清蔵相がやはりケインズ政策にあたること、景気対策を目的とする公共事業を行った。これはケインズが「一般理論」を出す前だったので高橋はケインズを先取りしていたというが、不景気時に財政出動で有効需要を作り出すという発想はケインズを俟たずともいろんな人がそれ以前からしていたようなので、ヒトラーが独自にそれを思いついてもおかしくないということだろうか。今のロシアは、好景気とは言えないし、インフレつまりモノが不足しているという状態なので、インフレに弱いケインズ政策とは別の理屈が働いていると思うのだが、あれだけ大規模な戦争をして、自衛隊の備蓄ぶんを数日で使い果たすような弾薬の使い方をして、韓国ぐらいのGDPしかないロシアがなぜやっていけるのか不思議である。エネルギーはもともと自給どころか海外に輸出して主力産業になっているぐらい豊富で、食料はもともと自給率は8割ぐらいで100%自給はそれほど難しくないということだと思うので、最低限の衣食住は困らないとして、車や電気製品は安物の中国製品を余裕のある人が買うということでいいとしても、武器弾薬をあれだけ消費するぶんのカネをどこで賄っているのか?私にはその理屈は分からないのだが、ただ、中国の製品がロシアにあふれかえっていて、軍備も現在ウクライナに相当な割合を西部国境付近に配備しているので、中国とロシアの4000㎞の長い国境線が手薄になっていて、外交的にも中国はロシアをなにかと擁護してくれているので、軍事・経済・外交どれをとっても現在ロシアは中国の善意に依存している。よりによって「中国の善意」に。ロシアは既に中国の属国に密かになっていると私は考える。仮にロシアがウクライナとの戦争に勝利したとしても、その後中国がロシアに無茶な要求をしてきた時、ロシアは中国に逆らえない。逆らえば深刻な嫌がらせを受ける。中国製のEVやPCを使っているのでスパイウェアでおかしな作動を仕掛けられて車が運転できなくなったりデリケートな情報も中国に握られたり等々。

アリョーナのこのコンテンツで私が一番興味深かったのが、ロシアでは買い物は実店舗ではなくネット通販で物を買うことがどんどん多くなってきているというが、日本みたいに宅配は一般的でなく、あちこちに配送センターがあり、そこまで自分で取りに行くのが一般的だという。そこで現物を見てから支払い、気に入らなかったら支払いをしない、受け取らないということも可能だという。
それはなんだか普通のお店でお取り寄せをするのと似てると思う。そこで、こんな店舗が可能ではないかと考えた。普通のスーパーみたいな大きさの配送センターを作り、そこで通販で注文した商品を受け取りに客が来店する。現在、たとえばアマゾンでは本に関しては配送料がかからない。どういう仕組みや工夫でそれが可能なのかは私は知らないが、流通の工夫をすることで他の商品の配送料も無料かあるいは今よりも安くすることが可能なのではないか。その配送センターも、ただ注文した商品を受け取るだけでなく、スーパーも併設して、帰りに買い物もできる。最近はイオンなどが大規模なショッピングモールを作るが、それらは基本、その場で買い物をしてもらうだけだが、敷地面積の半分ぐらいはネット通販で注文されたものをストックして受け取る場所にすれば今までなかった形態の店舗ができるのではないか。それは小売業が実店舗の隣に配送センターを併設するというのでもいいし、ネット通販業者が配送センターの隣に小売店舗を併設するのでもいい。その配送センターはアマゾンだけではなく楽天やヤフーで注文したものも扱う。そうすることで流通を合理化できるところも出てくるのではないか。つまり、昔は消費者がお店に行ってその場でいろいろ買っていた。今はネット通販で注文したものをお店に取りに行く。もし昔も今も買うものは似たようなもので、ただ注文の仕方が違うだけだとしたら、売れ筋の商品などは「このぐらい毎日売れるだろ」ということで、たとえばIT製品のアクセサリーのメーカーやお菓子や飲料のメーカーは店舗に通常納品する同じトラックに注文のあった商品も一緒に運ぶ。運ぶ商品の量や種類は、消費者の求め方は違ってももともと同じ種類の人が消費するのだからトラックの中身はそれほど変わらないと思われる。違うのは、客がその場で選んで買うか、ネットで注文するかの違いでしかない。運んできたものを、注文があったぶんは隣の配送センターに台車で運び、残ったものは従来どおりスーパーで売るみたいなことをすれば、注文があったものを宅配業者が1件1件家を回りながら運ぶよりも流通コストが下がる。
これは江戸時代、江戸と大坂でおカネをやりとりする時に、一回の取引ごとに精算してたらコストや手間がかかりすぎるので、為替という方法を使うようになったことをイメージする。江戸のAさんが大坂のBさんから100両の買い物をして、AさんはBさんに100両を支払わねばならない。大坂のCさんは江戸のDさんから200両の買い物をしたのでCさんはDさんに200両払わねばならない。それぞれが江戸と大坂を行き来するとよほど手間なので、江戸のAさんは大坂のBさんに100両払う代わりに江戸のDさんに100両払う。これでAさんは買掛金が精算できた。Dさんは100両もらったので残りの売掛金は100両なので、江戸で、Aさんみたいな人を捜して同じことをすればDさんの残りの100両も精算される。大坂でも同様のことをする。でもいちいち売掛金がある人が買掛金のある人を捜すのも手間なので為替を仲介する仕事がいればちょっとの手数料で、関係者が個別に江戸と大坂を行き来する手間が省ける。ネット通販の商品はカネではな個別の違う商品なのでそう簡単に凸と凹が埋まることはないが、ある電気製品のメーカーが「あの配送センターにアマゾンからの注文の商品を配送する同じトラックにヤフーの注文商品も乗せよう。その隣の店舗に通常納品する商品も一緒に乗せよう」としたりして、配送コストを削る余地はいくらでも出てくると思う。IT技術的にもそんなきめ細かい納品の仕方は可能だろうし。

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