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私大パイロットコースのメリット、デメリット

はじめに

パイロットを志すみなさま。
今回は私大パイロットコースという選択が、パイロットという夢を叶えるうえでありな選択なのかどうかを自分なりに考えてみたので、共有いたします。それぞれ良い点、悪い点がありどこを重要視するのかで意思決定が変わってくると思いますので、悩んでいる方の助けになればと考えています。ぜひ、判断材料にご利用ください。

高校生編

メリット2つ

 1つ目は何よりも早い年齢でパイロットになれるという点です。格安航空会社では、入社後の地上研修がないところもあるようなので23歳で副操縦士なんて方もいらっしゃるようです。早く空を飛べるという点は魅力的ですね。
 2つ目は比較的容易には入れる点です。もちろん、英語資格や身体検査、面接など一般の大学入試と比べると難しい試験もありますが、航空大学校や自社養成パイロットの入社試験と比べると難易度は大きく下がります。

デメリット3つ

 1つ目は早い年齢でパイロットになれてしまうという点です。メリットでも若くして副操縦士という点を取り上げましたが、意外な落とし穴があるので注意してください。それは「人間として薄くなる」ということです。一般の大学生は部活や留学、インターンシップを通して様々な経験を積めますが、私大パイロットコースは免許取得のための勉強漬けの日々です。入社試験の際も、人生の中で経験した挫折とそれをどう乗り越えたかという趣旨の質問に訓練のことしか答えられない学生が多いようです。好奇心のままに様々な経験ができる貴重な大学生活を訓練に費やしてしまうことはデメリットのように感じます。また、航空会社に入ってからも専門職であることから、社会から隔離されたような生活が続くため世間知らずになるそうです。
 2つ目は本当にパイロットになるという判断を下せているのかという点です。パイロットという職業は憧れを抱かれやすい職業であるため、「なんとなくかっこいいからパイロットになりたい」「私大なら航大、自社養成よりも倍率低そうだし入れそうだから受けてみる」という流れで志望する学生も多いです。18歳という若さで本当に自分が人生をかけてやりたいことなのかをしっかり判断できていればいいですが、本当の意味での覚悟ができている人はどれだけいるでしょうか。入学後にパイロットに向いていないかも、と感じても既に多額の学費を納付していますし後には引けない状態です。ぜひ、「本当に人生をかけてやりたいことなのか」「苦難の連続の訓練に耐えられる覚悟ができているのか」を考えてみてください。
 3つ目はコスパです。4年間で2000万円以上の費用が掛かり、卒業後就職活動で失敗した場合にはパイロットになれない可能性もあります。コロナ禍の影響もあり、近年では就職率が80パーセントいかない年もあるようです。
航空大学校は毎年ほぼ100%ですので、大学2年まで他大学に進学し航空大学校を受験するのも選択肢としてアリだと思います。

大学生・社会人編

まずは航空大学校、自社養成パイロットの試験を受けましょう。学歴フィルターはなく、パイロットに必要な適性を学べる貴重な機会だと思います。年齢制限を超えた場合は自費訓練と私大パイロットコースが最後の道です。自費訓練よりもカリキュラムが整っており、大学側が就職活動の補佐をしてくれる私大パイロットコースはおすすめです。

正直に言って、パイロットになるという覚悟があり、背水の陣である大学生、社会人の方にとって私大パイロットコースのデメリットはありません。パイロットという職業への熱量も人一倍あると思いますので、学費、就職率のリスクもありますが、他に道がない状況であるためあとは自分を信じて前に進むのみだと思います。

年齢のフィルターを気にされる方もいらっしゃると思いますが、25歳での入試合格は実績があり、複数人いますのでそこまでは問題ないでしょう。
※崇城大学のパイロット特別入試は高校生、大学低学年主体の受験だと考えてください。社会人を経験していて合格する人は少ないです。その代わりに学位所有者のための履修証明プログラムがあるため挑戦してみてください。
追記
2024年度入試では大卒者での合格者が出たそうです。年によって傾向は大きく変わるようですね。


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