焼き菓子は端っこが美味いけど

久方ぶりに自室で飲酒した翌朝。
あぁもうどうせ11時とかだろしくったなぁと思いながら、スマホを探し出して覗くと時刻は8:30。
なんだまだまだじゃないかと、気づけば9:30になっていたので流石にベッドから離れる。

今日はどこかに出かけようか、服とか買いたいなと考えていると、午後から歯医者の予約を入れていたことを思い出した。出かけるなら午前中に出発したい私にとっては非常に好ましくないようで、しかしこれで近場のカフェに行くくらいの丁度良さを感じる。食べることが好きな私にとって、口腔内の病気は極力避けたい。
この世で最も憎い存在は口内炎だ。できやすさと苦しみのレベルが伴っていない。なんで白いんだよ。

くだらないことを考えながら洗濯したりカレーを食べたりしていると予定の時刻になった。

いつも思うことがある。
歯石をとるとき、思った以上の力でひっかかれているような気がするけど歯に傷はついていないのだろうか。
美容室でシャンプーするとき、シャワーの水が周囲に飛び散っていないのだろうか。
いつも気になって「今日こそは聞くんだ!」と、この文章を書きながら結局聞いていないことに気づく。

「後でこれやらないと!」と強く思ったことほど忘れやすいような気がしてならない。というか、「後でこれやらないと!」と思った時にはすでに(あぁ、なんか忘れそう)という思考までがセットで。「ご一緒にポテトはいかがですか?」と勧められたら買ってしまうように。例え合ってんのかこれ。てかポテト勧められたことな・・・あるわそういえば。


そんなこんなで綺麗な歯になった暁に、前から気になっていたカフェに行ってコーヒーとケーキを頼む。
なになに・・・期間限定でコーヒーに合うケーキだ~?食ってやろうじゃうめぇな。手作り特有の甘さというか、バニラビーンズの風味がいい。
カットケーキを中心側から食べ進め、外側だけになったときに倒す。この端っこが美味いのだ。自分でパウンドケーキを焼いた時も、どうして中心に比べて端が小さいのか不満を言いたくなるくらい、焼き菓子は端っこが美味い。

でも多分。外側から食べていたら。きっと中心側を食べるころには違った美味しさで喜んでいることだろう。きっとそんな感じで、錯覚に陥っていることだらけなんだろう。

誰かが言っていた。
「好きなものから食べたら、次に食べるのは残ったものの中で一番好きなものだから、ずっと一番好きなもの!」みたいな。
確かに!と思いつつ、そもそもこの議題に対してそこまで考えたことねーなと、順番一つで幸せになれることに面白さを感じる。そもそも食事だったら一つずつメニューを食べ切ろうとしないという早口は横に置いておこう。


次どこかでケーキを食べるときは、外側から食べてみよう。
それだけでちょっと悪いことをしている気になりそうで。
楽しみで仕方ない。

頼むから、食べかけてからこの内容を思い出すことだけはやめてほしい。



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