6月の経絡(けいらく)ー脾経ー
経絡体操のありがたさ。
最低気温が15度を超え、湿度が増す梅雨の時期には、とりわけ経絡体操がありがたく感じます。
梅雨時期の不調には、脾経を流す
日本人なら高温多湿には慣れていて当然? トンデモナイですよね。この時期になるとなんだか体調がハッキリしなくて、というひとは少なくありません。
温度は上がっているのに汗をかきにくく、太陽が出ない日が続けば「冷え」も出ます。それなのに、蒸し暑い。胃腸炎、脇腹の鈍痛、だるい、ぐるぐる思考をめぐらせる、結論が出ない、想いがまとわりつく、ついつい甘い(飲み)ものに手が伸びる・・
こんな梅雨時期の症状は、「脾経(ひけい)」を流すと、かなり変わってきます。
脾経は陰のエネルギーの道で、足の親指の先から内股(脛骨の際)を上がってくる経絡です。この道は「湿度」の影響をとても受けやすいのです。
脾経に対応する臓器は「膵臓」です。脾経にエネルギーがじゅうぶん流れないと、消化力が落ちます。脾のエネルギー不足は「心(しん)」へも影響します。
また、脾経は「認知症予防の経絡」とも言われます。脾経が虚すると記憶力が落ちてしまうのですね。
これは、私自身も体験していて、季節に関係なく、せっせと脾経を流すようにしています。消化器系の敏感なわたしにとって、脾経は親友、同志のような存在です!
黄色いものを、とりいれる
五行では、脾経に対応する色は黄色になります。脾経をいたわるために、生活の中に「黄色」を取り入れてみてください。
食べ物は、甘いもの代わりにカボチャをいただきます。ごはんには粟(あわ)を入れます。きなこ入り豆乳など、大豆製品をしっかり摂ります。トウモロコシを消化が良くなるよう工夫して料理したり、ターメリック(うこん)も少量なら効果的です。
梅も、とっても良いですね。私の庭にも梅があり、毎年たくさんの実をつけてくれてありがたいです。梅ジュースや梅干しを作ります。
身につけるものでは、たとえば黄色いスカーフを首元に巻きます。クチナシなどの草木染めなら申し分ありません。脾経をいたわり、エネルギーを流すカラーは黄色なのです。
黄色が似合わない、という方は、黄色味のあるきれいなコーラルオレンジ、コーラルピンク、黄緑色はいかがでしょう。
六月は夏至の時期でもあります。あなたにとって気持ちの良い光の色をとりいれ、軽やかな気持ちで過ごしてみてください。
お祓いの経絡
6月の末、神道では夏越しの祓といって、大祓(おおはらえ)の儀を行います。半年分の厄落としをするわけですが、ようするに、この時期、私たちのからだの中に「たまってきているもの」があるということなのです。
脾経を流すと、お祓いのようにすっきりとした感じを体験していただけると思います。脾経は霊的なエネルギーが流れる場所ともいわれるゆえんです。
ただ、こういった目的で経絡体操(ヨガ)をする場合は、心とからだをじゅうぶんに整えて、気のバランスをとり、時間と場所を選ぶとよいでしょう。
できれば早朝、清々しいエネルギーに満ちた場所で、雲の向こうの太陽に手を合わせて、しあわせな気持ちで行いたいですね。