IT開発現場の英語 #4
あまり学校では習わないかもしれませんが、職場で聞くフレーズを取り上げています。たまにしか聞かないスラングも今回は取り上げました。
up and running
(機能が)動作する。稼働している。
これは頻出です。明日までにこの機能が動くようにするというのは、get this feature up and running by tomorrow.となります。
bells and whistles
飾り付け。本質的な機能ではないけれど、製品を魅力的にするようなものなどに使います。
wrap one's head around (something)
(~を)しっかり理解する。しっかり理解しようとする。
何か分からないことを質問するとき、ただ質問だけ書くのもいいですが、たとえばI can't quite wrap my head around how this code works.のように、自分が頑張って理解しようとしているけど分からないということをアピールすると、答える側も丁寧に答えたくなるものです。
shot in the dark
あてずっぽう。ここでshotは名詞です。暗闇のなかで鉄砲を撃つイメージでしょうか。
個人的によく使うシチュエーションは、誰に聞いていいか分からないようなことをメールなどで不特定多数に質問するときで、(This might be) a shot in the dark, but... などと前置きします。
類似のイディオムでは、give it a shot (=give it a try) は、「試す(try)」という意味があります。
tribal knowledge
文書化されていない知識。一部の人達はこの知識を共有しているけれど、ドキュメントになっていない(=undocumented)事柄。直訳すると「部族の知識」ですね。
ちなみに、暗黙知、つまり言葉にするのが難しい経験的知識のことは tacit knowledgeと言います(業界によっては全然聞かない単語ですが)。
"Worse is better."
やらないほうがまし、という感じでしょうか。ソフトウェア開発で使われる言葉で、追加や変更をする価値のない機能について使います。完璧主義な考えをもっていると、つい余計なものを実装しがちになりますが、そういうものに対する反論として使えます。使う人の少ない余計な機能を作っても、後のメンテナンスが面倒なだけ。
"If it ain't broke, don't fix it."
壊れてねえのなら、直すなよ。ain't=isn't, broke=broken と、あえてスラングで言うことになっています。
開発をしていると、例えば、コードが汚いからとか、一貫性がないから、といった理由でつい修正したくなることが多々ありますが、ろくなテストもしないで修正すると余計に壊れてしまうことがありますし、様子見で何もしないのが大事なこともあります。
beefy
(特にハードウェアの性能が)強力な。
牛肉っぽい、という意味になりそうですが、IT系ではこういう意味になります。beefy CPUというと、性能の高いCPUになります。スラングですが、時々聞きます。
動詞では beef up というイディオムもあり、強化するという意味になります。beef up the security でセキュリティを強化するという意味です。
それにしても、どうしてbeefなのか不思議です。金融市場が強気なことをbullishといいますし(逆に弱気はbearish)、牛は強いイメージなんでしょうね。
potato
スラングで、性能が低いコンピュータのこと。Low-spec computer。
一般には、ゲーム用PCについて使われることが多いようです。
個人的にはスラングはあまり使わないようにしていますが、聞いたときに理解できるよう、知識としては覚えることにしています。
gut feeling
直感。
スケジュールの立てるときやバグの推測をするときなど、論理だけで言いきれないときに使えます。
gutは内臓という意味で、日本語のガッツもこの単語から来ているようですが、日本語のガッツの意味は英語のgutにはありません。
play around with ~ (=fiddle with~)
~をいじくり回す。
初めて使うソフトなど、仕様書を読む前にとりあえずごちゃごちゃ触ってみて理解したいときなどに使えます。
read up on ~
~を十分に調査する。
業界の動向や、何かの技術について十分な調査をするときに使えます。なお、デバッグのように狭い範囲の調査だと、 investigate (into)や delve into などと言うほうが適切な気がします。
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