量子情報理論・量子測定理論の錬金術
堀田さんの書籍「入門 現代の量子力学 ~量子情報・量子測定を中心として~」(以下単に「書籍」という。)には、
と書かれている。そこで、鉄の原子1個の状態$${|鉄\rangle}$$と金の原子1個の状態$${|金\rangle}$$からなる二準位系を考えよう。「任意のユニタリー行列がその系の実験で実現可能な物理操作に対応する」ということは、鉄を金に変える物理操作が存在するということである。つまり、錬金術があることを量子力学は前提にしているということになると思われる。
私は錬金術が存在することを前提として特段問題があるとは思わない(錬金ができないのは化学の話で物理ではない)が、書籍の読者には疑問を感じる方はいるだろうと思われる。
先の引用の内容は、特段通常でない仮定ではなく、一般の系について、小澤さんの量子測定理論入門では
と公理として導入されていると思われる。そうして良い理由は、
と説明されている。すなわち、量子測定理論でも、錬金術は可能ことが前提とされていると思われる。
この公理に対応する堀田さんの書籍の記載は、
であろう。
量子情報理論も量子測定理論も、錬金術が可能なことを前提としているように私には思われる。
書いてしまったので公開するものの、本稿はほとんど意味のない駄文である。