アップル社CEOティム・クックと英歌手デュア・リパの対談インタビューを聴いてモヤモヤ。iPhoneは光か闇か
イギリスの美貌シンガー、デュア・リパのBBCポッドキャスト「At Your Service」で、アップル社CEOティム・クックがゲストとして登場した回を聴く。デュア・リパの自宅のソファで収録したという。
デュア・リパが、タイニー・デスク・コンサートに出演したときのシンプルなバンドサウンドが好みである。
ポッドキャスト「At Your Service」に戻る。
当然、2人は英語で話しているわけで、こっちはジャパニーズ・ネイティブ。聞き取れなかったり、誤解している部分もある。まあそれでもなんとなく聞き流して楽しむ。
ティム・クックが1日のタイムスケジュールを話す。朝4時台に起きて、顧客からのメールをチェック、それから約1時間のワークアウト、主に筋トレ。そして、シャワーやら何やらのあとに出社。早起きは成功の秘訣なのかもしれない。
ティム・クックが言う。「ワークアウトのときは全集中したいから、スマホは決して触らない」
スマホは集中力や気持ちを削いでしまうのだ。
デュア・リパが言う。「初めてのスマホは父からのお下がりの iPhoneで、今では、iPhoneは身体の延長のようなもの。でも、仕事では常にスマホを使っていますし、オフの時は気がけて本を読むように意識してます。特に旅行中は完全にオフラインにしたり。」
スマホは、休日や旅行の充実度を下げてしまうのだ。
世界有数のスマホメーカーのトップによく言えるなあと思う。でも、ティム・クックも同意している。
デュア・リパ「特に若者には、iPhoneも含めて、スマホの使いすぎがあると思いますか?また、それに対して何ができると考えますか?」
ティム・クック「iPhoneも含め、スマホを使いすぎるいう問題はあります。そのことで、私たちはスクリーンタイムや通知を導入してきました。どのくらいスマホを使っているのかが分かるように。本当に1日5時間もスマホを使って過ごしたいですか?ということです。もっと体を動かすべきで、問題は1日を通じてのスマホによる中断です。常にスマホをチェックして気が散ってしまうことです。」
スマホは、気を抜くと使いすぎてしまい、やるべきことを中断させてしまい、気を散らしてしまうのだ。
なんだか、モヤモヤしてしまう。このモヤモヤは何だ。
スマホは悪いモノで、スマホ使用は悪癖なのか、それとも、スマホは悪女のように魅力的で人を堕落させてしまうのだろうか?
2人の話を聞いていると、スマホをあまり使わない方が充実していて、幸せのような印象を受ける。スマホを触らない方が意識が高く、クールな感じがする。
そして、そんな話をアップル社のCEOがしている、というところにモヤモヤするのかもしれない。
スマートフォンのアイデアは、iPhoneが最初ではなかったか?人々の集中力を削ぎ、人々の心身を充実させない商品とは何だろうか?スマホという製品のコンセプト自体が不完全なのではないだろうか?人びとがハッピーな日々を過ごすために、アップル社にできることがもっとあるのではないだろうか?スクリーンタイムなどの表面的な対応だけでなく。
手元のiPhoneで、このnoteの記事を書いている。スマホの使いすぎだろうか、と自問する。
ふと、iPhoneを裏返す。真ん中にアップル社のロゴがある。
右側をかじられたリンゴは「禁断の果実」だろう。アダムとイブは蛇にそそのかされて、禁じられていた果実を食べてしまう。原罪。
「禁断の果実」とは?
禁じられているけれど、きわめて魅力的な快楽や行動のたとえ(コトバンク)
ラテン語で「悪」をマルムといい、リンゴの意味も持つらしい。納得だ。アップル社のロゴに偽りはない。
スマホ=禁断の果実、と置き換えると、2人の会話のニュアンスが理解できる。スマホは、遠ざけたいけど極めて魅力的な快楽なのだから、自らを律してスマホを遠ざける時間を確保している彼らは意識が高いし、意志の力が強い、ということだろう。2人ともそのことを内心誇らしげにチラ見せしているように感じる。
自分自身に言う。スマホの使用はほどほどに。スマホを使ってもスマホに使わされるな。スマホは大人になってから。
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