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キャラクター・コンテンツ海外展開メソッド、教えます!パート② 海外で流行るローカライズとコアファン育成編
クオン(※)東南アジア代表の奥川です。
(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。
前回の認知度編に続き、キャラクター・コンテンツの海外展開メソッドパート②を紹介します。認知度編では、海外でコンテンツやキャラクターを展開していく上での基礎的なステップと重要なポイントとして、人の目に触れさせる点を事例と共に紹介しました。
海外でコンテンツを流行らせる「ローカライズ」
海外で多くの人の目に触れさせるためにはコンテンツの多国展開が非常に重要です。
単に翻訳すれば良いわけではなく、海外の文化や流行を取り入れ、コンテンツへと落とし込みます。例えば、弊社の場合はスタンプを活用したコンテンツの拡散を初めに置いていますが、タイで展開するスタンプのテキストを日本語のそれとあえて全く違うような内容にすることもあります。
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こうした文化や流行を反映したデータはSNSを現地で頻繁に使う人間が能動的に集め、記録していくようにしていて、ローカライズをする際に必ず参考にしています。その他にも弊社ではアニメ作品に関連したゲームのローカライズなど手がけていますが、あえて現地のオタク層の人に翻訳していただくことでローカルのファンが馴染みのある言葉遣いなどにも気を付けています。
ローカライズを行い、浸透しやすいコンテンツを展開することで大きなバズを生むことがありますが、SNS上のトレンドは2-3日継続できれば良い方なので、ブームがさるのも非常に早いです。
ファンを逃さない事前の仕込み
クオンでは海外市場に出していないキャラのスタンプをリリースする際にFBページやインスタといったSNSアカウントを事前に作る準備をしてからリリースを行います。スタンプでバズが起きた際にユーザーがSNS検索から我々のアカウントを見つけられるように仕込むのです。
アカウントは開設するだけではなく、ユーザーが入ってきた時にある程度のコンテンツ(数で10-15コンテンツ)を投稿しておくことが重要です。これをすることによって、興味を持ったユーザーがアカウントへ流れ込み、コンテンツを楽しみ、フォローします。もちろん前述の通り、コンテンツは海外の流行や文化を考慮したローカライズを行います。
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ライトユーザーからファンへ
フォローだけではまだコア度の低い、ライトユーザー程度なので、彼らに向けて継続的なコミュニケーションを取っていく必要があります。コンテンツへ寄せられたコメントへの返答やユーザーとのメッセージでのやりとりなど、コミュニケーションを行える場所はSNS上に沢山存在します。
キャラの設定を考慮し、世界観を崩さないための人格作りを喋り方に反映していきます。有名なキャラだとくまモンなどは必ず「〜モン」と語尾につけます。
キャラによっては喋らない子もいて、弊社のうさぎゅーん!も喋りません。代わりにスタッフがうさぎゅーん!のファンという程で「ぎゅーん」と語尾や単語に織り交ぜて会話します。それによって、ファンたちも「ぎゅーん」を使うようになり、ファン同士が自然にコミュニケーションをし合う流れを作っています。
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メディアからコミュニティへ
多くの方がフォロワーを増やすことに注力されているかもしれません。それも非常に重要ではありますが、お金を作り出すことのできるコンテンツに総じて言えることはコアなファンがコミュニティ化されていることだと思っています。100万人のフォロワーがいることも重要ですが、その中に1000人しかコアファンがいないのと10万人のフォロワーでも1万人のコアなファンがコミュニティを形成しているのとでは後者の方が圧倒的に有利です。
海外に限らず、今後お金を生み出せるキャラを作り出すにはコミュニティを持てるキャラ、みんなが一緒になって応援できるキャラクターへと成長させて行くことが非常に重要なのではないかと考えています。
1万人以上のコミュニティ、うさぎゅーん!の事例紹介
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我々が取り組んでいる海外でのコミュニティ形成はFacebookグループがメインです。
うさぎゅーん!のFBページには10万人弱のフォロワーとグループには1万人以上のファンが参加しています。
グループでは、ファンから1日に100-200の投稿があり、そのほとんどが、2次創作やぬいぐるみ等のグッズに衣装を着させた写真などです。これら投稿の特徴はファン全員がうさぎゅーん!の擬似体験を共有している点で、うさぎゅーん!が現実世界に存在し、一緒に暮らしてきたかのような投稿内容が非常に多いです。
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さらに、ファン同士がコミュニケーションを取り合い、グッズやイベントの情報交換を行う場が自然と広がっているため、我々の商品やイベントへの集客にもグループへ直接行わずとも勝手に広がっていきます。
こうした熱量のあるファンをまとめる場所を作るためにはターゲットの使うチャネルを調査・把握し、日本語コンテンツを使い回すだけでなく、投稿文からでもローカライズできるところは積極的に行う、そして、コミュニケーションで関係値を深めていくことでコアなファンを育ててくことができます。
次回はコミュニティからマネタイズについてのやり方や事例などを紹介したいと思います。
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海外戦略でお困りの方はお気軽にご相談ください
クオンでは主にアジアの国々に向けたSNSマーケティングを得意とするグローバル人材が集まっています。コンテンツやマーケティングを海外でどのように展開したらわからないという方は相談だけであれば無料で行っておりますので、お気軽にご連絡ください。