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Mintoが経営統合して3期目、エンタメビジネスにコミットする中期経営戦略へ移行した話。
Minto 代表取締役の水野です。今回のnoteでは経営統合3期目のMintoが中期経営戦略を策定した話を書きます。
経営統合3期目スタート
2022年1月にMintoが経営統合してから2期が経過し、8月から3期目に突入しました。下記の経営統合時のnote、1年経過後のnoteを、ぜひ、ご一読ください。統合時の心意気と1年後の苦労が分かります(笑)。
上記のnoteにも書いた通り、経営統合時は、組織マネジメントで非常に苦労しましたが、瀧口(現執行役員)が組織開発のタスクフォースを立ち上げ、全社横断のイベント/部活動などで活性化。今では、全社にMission/Valueが浸透し、部署やチームを超えてコミニュケーションできる組織になりました。国内外で5法人、合わせて約100名のメンバーです。
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事業数値は、2期連続で約140%の売上成長で、経営統合後に立ち上げた複数の新規部門(Web3/Webtoon等)の売上が、全体売上の25%程度まで伸びており、経営統合時に描いていた曲線で成長を続けることが出来ています。
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なぜ、中期経営戦略を作り直したのか?
一方で、Mintoが、更に大きな成長をしていく為には、新たな中期経営戦略が必要だと感じていました。以下に理由をまとめます。
①事業戦略=経営戦略からの脱却
Mintoは、SNSコンテンツ広告事業、キャラクター事業、Web3事業、Webtoon事業、海外ライセンス事業など、複数の事業部門が各々戦略を掲げて事業を広げてきました。実態としては事業戦略 ≒ 経営戦略という状態。
その結果、短期的には事業成長ができたのですが、中期的な視点だと、会社として、各々の事業をやる意義(必然性)、事業間の連携に課題を感じていました。
②事業領域の再定義とメッセージ統一
経営統合後、採用、広報、IPOいずれの局面でも、Mintoは何の会社ですか?と聞かれる事が多く、その都度「我々が何者か?」を考えた1年半でしたし、3期目を迎えて、Mintoの事業領域やメッセージを再定義するタイミングかな…と考えていました。
業種の異なる企業や事業の集合体による企業体は、コングロマリット企業と呼ばれます。Mintoもコングロマリット企業的ではあるのですが、Layer Xの福島さんがnoteで紹介していたコンパウンドスタートアップ(=マルチプロダクト型のスターアップ)の方が、我々の感覚にも近いかなと思っていました。横串の共通価値がありながら、複数の事業を立ち上げている企業体。
③組織再編の必要性
経営統合から1年半で採用が一気に加速し、取締役/執行役員/部長陣で計10名になりました。この期間に、開発&プロダクト開発のFuturizeのM&Aも行ない、また、別の事業戦略で進めていた海外支社(中国、タイ、ベトナム)のIPライセンス事業も本社との事業連携機会が増えてきた事から、中期経営戦略に沿って組織を再編したいな…とも思っていました。
エンタメビジネスにコミットする中期経営戦略
ということで「中期経営戦略(3ヵ年)の再策定」について、2023年春くらいから数ヶ月間、経営陣で議論を深めて来ました。
そして、ちょうど、我々が議論をしている期間に、政府への提言として発表されたのが経団連の「Entertainment Contents ∞ 2023 Last chance to change」という資料です。
本資料についての感想は、日経COMEMOに記事を書かせて頂き、僕自身も経団連のイベントにお呼び頂くなど、スタートアップとエンタメビジネスの結びつきや意義を強く意識するきっかけになりました。
そして、Mintoが創って来た事業(SNSコンテンツ広告事業、キャラクター事業、Web3事業、Webtoon事業、海外ライセンス事業)は、結局、エンターテインメントビジネスの課題を解決している事業、または未来に進める事業なのだな、ということを再認識しました。
その結果、中期経営戦略のテーマ(スローガン)を下記のように定め、Mintoがエンタメビジネスをアップデートする存在になる事を決めました。
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今回の中期経営戦略では、Minto社の事業領域を、エンタメビジネスとして再定義しました。マーケ、Web3、Webtoonなどの専門会社ではありません。
「創る」「広げる」「売る」と明示したのは、我々が考えるエンタメビジネスを、Mintoの組織に落とし込んで、進めていく宣言です(後述)。
「アップデート」と評したのは、元々ある日本のコンテンツIPビジネスをディスラプト(崩壊)させるのではなく、共に進化させていきたいという意味を込めています。この考えは、Mintoのコアバリュー"全方良し"にも通じます。
今回の中期経営戦略では、従来から蓄積されているMintoの共通価値基盤や強み=競争の源泉を軸に、事業領域の再定義、組織再編を整理し、言語化しました。
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また、組織再編においては、Mintoの考えるエンタメビジネスを「創る」「広げる」「売る」と解釈・分解し、それに沿って自社の事業部門を3セグメントで整理しました。
①コンテンツソリューション部(CS) =売る
=従来のSNSコンテンツ広告・マーケティング事業
②コンテンツディストリビューション部(CD) = 広げる
=従来のIPライセンス事業と海外支社事業(国内・海外統一組織)
③コンテンツクリエイション部(CC) =創る
=Web3、Webtoon等新規のコンテンツ制作事業
*開発会社のFuturizeは、全組織横断で関与する形に。
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自社スタジオ、クリエイター、IPホルダー連携を全社共通価値と定義
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この他にも、どんな事業をやるか?、どの国・エリアを攻めるか? 財務戦略、M&A戦略などなど、様々な戦略があるのですが、今回の経営戦略の中で、重要な部分はここに公開した部分かな、と思っています。Mintoの考えを理解してもらう良い機会と捉え、公開させていただきました。
映画館で全社会議をやってみた
なお、今回の戦略発表会は、お台場のユナイテッド・シネマのシアター(約100名定員)をお借りして実施しました…! (元結婚式場支配人の青柳の手腕)
おそらく多くのスタートアップは、年に1回、または半年に1回くらいのペースで全社会議をしているかと思います。Mintoでもこの機会を重要視していて、昨年は、東京都現代美術館、今年は映画館にメンバーが集う形での実施となりました。さぁ、来年はどうするんだ(笑)
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戦略発表会では、各部門責任者からの発表や座談会があり、実にGoogle slide 320ページ超、6時間半の長丁場でしたが、各部門が考えに考え抜いた意義、戦略、戦術を発表し、僕自身も大いに刺激を受けた1日でした。
また、当日の司会進行、映画館を生かしたOP、ED演出、レストランの一角を貸し切ったランチなど会の運営は、グループ横断したタスクフォース・メンバー(渡部、石坂、木下、塚原、植木)が仕切ってくれ、非日常的な体験を全員で共有できた事も大きな意義があったと思います。
僕は、今回の戦略発表会を終えた帰り道に「Mintoは、2022年の経営統合が完了して、次のステップに進んだ」と感じました。
一瞬、感慨深い…気持ちになりましたが、この先は更に大変な道のりなので、改めて気を引き締めようと冷静になりました(笑)。
と、いうことで、今回は経営統合して3期目、Mintoが中期経営戦略を再策定した話を書いてみました。スタートアップ関連の方々、エンタメ業界の皆様に、少しでも参考になれば幸いです。
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