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日本のwebtoon業界現状(2023年11月更新)
Mintoの中川と申します。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップで、私はwebtoon制作のスタジオ事業の責任者をしています。HPはこちら
以前、webtoonの基礎知識として下記の記事を書きましたが、今回は最新のwebtoon業界の状況についてまとめてみました。(2023年11月更新)
このnoteで伝えたいことは、世界に届くエンターテイメントを創りたいと思う人にとって、今のwebtoonは10年に一度の大きなチャンス!ということです。マンガ編集経験者でなくても、あるいは漫画家ではなくても、幅広い人にとってのチャンスだと言えますので、ご興味ある方は是非最後までお読みください。
※あくまで私個人の意見です
※すべて敬称略してます
国内の配信プラットフォーム
webtoonの配信プラットフォームのNo.1は変わらずピッコマです。国内どころかグローバルでもマンガアプリでセールス1位です。すごい。
但し、LINEマンガやめちゃコミ、シーモアなども成長中であり、多くのプラットフォームがwebtoonに力を入れ始めています。またアカツキグループのwebtoon特化アプリ「HykeComic」もリリースされました。ソードアート・オンラインの作者の新作など意欲的な作品も増えています。PVほんとすごいクオリティ。。
それ以外でも、docomo、DMM、U-NEXT、Apple、Amazonなどなど、資本力があるエンタメ関係の事業を持つ会社がwebtoonプラットフォームを続々と準備しています。まだ公表されていない企業も何社かあり、まだまだ広がっていきそうです。
大手エンタメ企業
プラットフォームに限らず、作品制作としてもソニーミュージック、TBSなどの大手エンタメ関連会社が資本投入し、webtoon制作に乗り出しています。こちらもまだ公表されていない会社も多いですが、テレビ、映画、アニメに関わる大手企業が数多く参入しています。グローバルで多メディア展開されるIPの輩出源としてwebtoonは期待されています。大手が参入していることもあり、漫画アプリの勃興期とは比べ物にならない資金が集まっています。
大手企業の関わり方は
①自社で制作
②制作スタジオと共同制作
③資本提供
など様々ですが多くは②か③で、パートナースタジオを探しているケースが多く見られます。弊社でも②のパターンで某大手企業と共同制作をしており、下記は弊社が日テレと一緒に制作させて頂いた作品です。
海外プレイヤー
韓国や中国をはじめ海外のwebtoon企業が、急成長する日本を市場として注視しているのは勿論ですが、最近では制作パートナーとして日本のスタジオに声をかけるケースも増えています。また日本産の作品の輸入をしたいという打診も増えています。
これはwebtoon最大産出国である韓国で作品とクリエイターが不足してることも理由に挙げられますが、日本のマンガ・アニメ等で長年培ってきた制作ポテンシャルに期待しているようで、弊社にも海外から問い合わせは増えています。ご連絡頂く方は幼少期に日本のマンガ・アニメを見て育ってきた人が多く、日本に対するリスペクトを感じる事が多いです。また日本語話者がいるケースも多いです(安心。)
ちなみに現在世界No.1プラットフォームは韓国のNAVERで、世界10ヶ国で合計8,200万ユーザー超しています。
日本の制作スタジオ
まだまだ「Webtoon」が認知されていないこともあり、プラットフォーマーや大手企業からの制作ニーズに対して、クリエイターも編集(プロデューサーやディレクターとも呼びます)も足りていない状況です(大募集中です!)。従って国内での制作単価は高騰し続けています。ただし日本の制作スタジオも急成長をとげており、1年ほど前までヒット作はほぼ韓国産一色(あっても中国産)だったところから、国産webtoonが上位に入ってくるようになってきました(弊社産もあります。後述)。ドラマ化された「サレタガワのブルー」ほか、「神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~」「大切な日はいつも雨」「お求めいただいた暴君陛下の悪女です」「2周目冒険者は隠しクラス〈重力使い〉で最強を目指す」「公爵様、魔王と竜王に育てられた少年は学園生活を無双するようです」、「チュートリアルが死ぬほど難しい」などなど(総じて名前が長い。。)。また「氷の城壁」は完結してから人気が出るという珍しいケースで、webtoon業界では話題となりました(面白いのでぜひ)。
国内の市場状況
webtoonは国内外で大きく成長していますが、「webtoon」という概念(というか言葉)の知名度は低く、データで見ても30%程度となっています。
ちなみに私が先日学生100人弱にアンケートをとったときには認知度は10%以下でした。正直「webtoon」という言葉自体が読者に認識されている必要はないと思っていますが、漫画と延長だと思われていることでエンターテイメントの新たな市場=制作者にとって新たなチャンスだと感じている人が少なく、それが編集者不足、クリエイター不足に繋がっていると感じています。漫画とwebtoonの違いは冒頭にも載せた過去記事を良かったらご覧ください。
この状態はマンガアプリの勃興期に似ていて、僕がマンガアプリの立ち上げに携わっていた2013年頃に、アプリで連載を持ちたい漫画家は多くはありませんでした。そこからスパイファミリーや怪獣8号などのヒットを経て、今では第一志望がマンガアプリと答える若い漫画家で増えています(ちなみに弊社の新卒プロデューサーも人生で初めてマンガを読んだのはアプリだったそうです。時代、、、)。
国産でメディアを飛び越えるヒット作が出てくると、一気に潮目が変わりクリエイターやプロデューサーが増えると思っています。そのときに日本は、二次元コンテンツの制作力が世界一成熟してる国だからこそ、十分に巻き返せる可能性があるはずで、今はその夜明け前だと思っています。
ちなみに韓国発作品ですが、日本でもNo.1ヒット作「俺だけレベルアップな件」がアニメ化されることが決定しており(制作はA-1 Pictures)これがwebtoonのマス化の加速させるのではと期待されています。
webtoon編集者(プロデューサー)に向いている人
webtoonは一見マンガのように見られがちですが、複数のクリエイターと制作することが多いため制作工程としてはアニメやゲームに近く、実際その出身者が多く活躍しています。このあたりは是非下記noteをご参照ください(もちろん漫画編集経験者も多く活躍しています)。
もっと言うと、複数業務を同時でこなすディレクションが出来て、且つエンタメを創る意欲があれば(=「面白い」を突き詰めるのが好きならば)、エンタメ業界出身者でなくても問題ないと個人的には思ってます。
実際に未経験者がヒットをだすケースも出ていて、新しいジャンルであり、圧倒的な先人がまだいないからこそ、色んな人にチャンスがある面白い状況だと思います。
MintoStudioについて
弊社は2021年にWebtoonの制作スタジオを立ち上げましたが、ピッコマで総合1位を獲得した「おデブ悪女に転生したら、なぜかラスボス王子様に執着されています」、LINEマンガで総合1位の「モブなのに過保護な公爵に溺愛されています 」始め、主要プラットフォームで人気を得る作品をいくつか輩出出来ており、順調に成長しています。
また、「サブスク不倫」は地上波でのドラマ化が決定しています。
Mintoは10年に渡りグローバルでコンテンツプロデュースをしており、ノウハウを持つ社内クリエイターや熟練のアートディレクターがいる点が強みです。
また、No.1プラットフォームのピッコマと資本業務提携しており、様々なサポートを頂けている点も弊社の強みです。(でも他のプラットフォームとも取引してます。ピッコマさん寛大、、、)
Minto全体としては海外支社含め100人程度の規模で、SNSコンテンツ×広告事業、キャラ越境プロデュース、そしてWeb3事業があり、どれも収益化し、大きく成長中です。webtoon事業も既に黒字化してきており、作品を長く創り続けていくための基盤は整いつつあります。
また全てコンテンツを軸とした事業だからこそ、全てがwebtoonとのシナジーが生まれる可能性を日々肌で感じており、これもMintoの強みだと思います。
現在は大変ありがたいことに多くの制作オファーを頂いていながら、プロデューサーもクリエイターも足りない状態です。(ほんとに、、)これを見てご興味を持った方は、気軽に話を聞いてみる程度で構いませんので、是非下記WantedlyからでもTwitterからでもご連絡ください。
ともに、世界中の人に届く作品を生み出しましょう!
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余談
業界関係者は誰もがチェックしているメディアとNoteを載せておきます。ご参考までに。
以上!・・・長い!
ここまで読んで頂きありがとうございました!!!!