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B2Bシステム開発におけるブラックボックステストの重要性!

B2Bのシステム開発(SI)において、リリース後のシステム不具合による顧客からの信頼失墜は、企業にとって致命的な打撃となりかねません。 特に、大規模なシステム開発や複雑な業務プロセスを扱うBtoBシステムでは、予期せぬバグやエラーが潜んでいるリスクが高い傾向にあります。

そこで、システムの品質を保証し顧客満足度を高めるために不可欠なのが、ブラックボックステストですが、個人的に聞いた話として、「テストのやり方は先輩社員から教わった」「テストケースは開発者が作成し、テスト実行は新人や若手エンジニアに担当させている」「テストなんて誰でもできるでしょ?」と言われる人が結構います。

ホワイトボックスとブラックボックス

ホワイトボックステストはプログラミング知識を要し、テスト対象のコードや内部構造を理解した上でテストを行う必要があることから、開発者が実施します。主に単体テスト、結合テストのフェーズで行われます。一方、ブラックボックステストは、システムの内部構造を理解していなくても、外部からの視点で網羅的にテストでき、ソフトウェアテストの知識があるエンジニアが実施します。主にシステムテスト、統合テスト、受入れテストで実施されます。

主なブラックボックステストの手法(おさらい)

  • 同値分割法:有効な入力値と無効な入力値を分割し、それぞれの境界値をテストする。

  • 境界値分析法:同値分割法で分割した境界値付近の値を重点的にテストする。

  • デシジョンテーブルテスト:複数の条件の組み合わせに対するテストケースを網羅的に作成する。

  • ペアワイズテスト:二つの因子の組み合わせに着目して効果的にテストケースを作成する。

  • 状態遷移テスト:システムの動作状態の変化をテストする。

  • ユースケーステスト:ユーザーの利用シーンを想定したテストケースを作成する。

テスト設計者のスキルに依存する品質

重要なのはテスト観点やテストケースが正しく設計されているかどうかです。ソフトウェアテストの知識が無いエンジニアがテスト設計した場合、品質測定基準(欠陥数や密度、テスト項目数など)に重点を置き、テスト観点やテストケース、カバレッジが足りていないケースがよく見受けられます。ブラックボックステストでは、「何をどうやってテストすればよいか」を効果的に抽出するために、前述したテスト手法を組み合わせて使用して適切なテスト設計を行います。抽出された観点やテストケースが適切かどうかは、設計者のスキルや経験、システムの理解度などにも依存するため、内部レビューで確認することが重要です。

誰がテストする?

ブラックボックステストは、テストに関する専門知識と経験を持ったエンジニアが設計することで、システムの品質を保証する重要なプロセスです。テスト仕様書がしっかりできていれば、テスト実行は単純作業だと思われがちですが、経験の浅いエンジニアにテストをさせるのと、ソフトウェアテストの有識者が行うのとでは、あきらかに品質やスピードに差が出ます。第三者検証のエンジニアは、豊富な経験値とスキルを持ち、設計書には書かれていない欠陥や問題点を見つける能力が高いと言えます。

まとめ

ブラックボックステストは、システムの品質を保証し、顧客満足度を高めるために非常に重要なプロセスです。BtoBシステム開発(SI)においては、開発者によるホワイトボックステストだけではなく、第三者によるブラックボックステストを積極的に導入し、より高品質なシステムを提供することで、プロジェクトを成功に導くことができるでしょう。