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探索的テストでソフトウェア品質を上げる

 事前に詳細なテストケースを設計せず、QAエンジニアの経験とスキルを活かして柔軟に進めるこの手法は、他のテストでは見つけられなかったような潜在バグを見つけられるテスト手法といわれています。
もちろん、やってますよね? 

探索的テストは実施者のスキルや経験に依存するため、品質が属人的になりがちです。

  • 「期待したほど効果がない」

  • 「テスト設計で網羅しているので、探索的テストは不要」

  • 「開発エンジニアがテストしたほうが良い」

  • 「探索的テストより、スクリプトテストで網羅性を上げるべき」

  • 「エンジニアのスキルに依存するので、品質にばらつきがある」

  • 「やる時間がない」

  • etc.

探索的テストを実施していない方、あまり効果がないと感じている方、自社のテスト方法が正しいのかわからないといった方は、以下もお読みください。探索的テストについての具体的な説明はネット上に沢山の情報がありますので、ここではポイントだけ書きます。


探索的テストで見つけられるバグの特徴

探索的テストは、事前に想定されていない、意外なバグや潜在的な問題を発見するのに強みを発揮します。

1.ドキュメント化されていない仕様バグ
仕様書に明記されていない、あるいは設計段階で見落とされていた仕様のバグ

2.想定外の操作や条件で発生するバグ
ユーザーが意図しない操作を行った場合や、予期せぬ環境下で発生するバグ 

3.ユーザビリティに関する問題
使いにくいと感じる部分や、ユーザーが誤解しやすいインターフェースなど、利用者の視点から見た問題点

 4.異常系の動作問題
エラーが発生した際に、ユーザーに分かりにくいメッセージが表示されるなど、ユーザーエクスペリエンスを損なう問題

 5.複数の機能が組み合わさることで発生するバグ
個々の機能は正常に動作するものの、連携することで問題が発生するような複合的なバグ


探索的テストの注意点

探索的テストは非常に有効な手法ですが、実施にあたってはいくつかの注意点があります。

●      QAエンジニアのスキルに依存する
経験や知識、洞察力のあるQAエンジニアが担当することで、その効果を最大限に発揮できます。経験の浅いQAエンジニアばかりで行うと、テストの質にばらつきが出やすくなります。
 
●      再現性の確保が難しい場合がある
テストの実施内容が記録されていない場合、発見したバグの再現手順を特定するのが難しいことがあります。 テスト結果の記録をしっかり行うことが重要です。
 
●      テストの網羅性を客観的に評価しにくい
事前にテストケースを設計しないため、どこまでテストが完了しているのか、網羅性を客観的に評価することが難しい場合があります。 他のテスト手法と組み合わせることで、網羅性を補完する必要があります。テストチャーターを作成しましょう。
 
●      進捗管理が難しい場合がある
事前に計画を立てにくいため、テストの進捗状況を把握するのが難しいことがあります。 セッションベースドテストなどを活用し、定期的に進捗を確認するようにしましょう。
 
●      結果の共有を意識する
発見したバグやテスト結果を、開発チームや関係者に適切に共有することが重要です。特に開発段階で怪しい部分を事前に把握するなど、開発チームとのコミュニケーションも重要です。

まとめ

探索的テストは、テスト担当者の経験とスキルを活かし、柔軟かつ効率的にバグを発見できる強力な手法です。 事前の準備に時間をかけることなく、実践を通してシステムへの理解を深めながらテストを進められる点が大きな魅力です。

ただし、テスト担当者のスキルに依存する部分や、再現性、網羅性などの課題もあるため、他のテスト手法と組み合わせること、適切な記録を残すことなどが必要です。また属人的にならないよう、ノウハウを社内で共有しましょう。


株式会社クオリティ・アイは、経験豊富なQAエンジニアが、バイアスを排除した第三者視点で、これまで培った経験とノウハウを最大限活用して探索的テストを行います。探索的テストは私たちが最も得意とするテスト手法の一つです。