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Make_Nreal (Granular_Synth_1)

アニメBLEACH千年血戦篇が面白すぎる

こんにちは

近年のサウンドデザイン情報を整理しきれなくなってきたので忘備録を書こうと思った次第です。自身が記憶喪失になってもこのノートを読めば元に戻れるような内容を目指したいです。
とりあえず私が激烈に好きなサウンドデザイン、グラニュラー合成から書きたいと思います。




グラニュラー合成の概要


グレインディレイプラグイン「Portal」を開発したOutput社の説明では、
グラニュラー合成は、オーディオを「グレイン
」と呼ばれる非常に小さな粒子の断片に切り分けるサウンド処理技術です。
通常 5 ~ 200 ミリ秒 (ms) の長さのこれらのグレインをマイクロサンプリングすることで、新しいサウンドやパターンを合成できます。

https://shop.output.com/blog/granular-synthesis-basics-guide-portal

Granular Synthesis 101: A Portal Exploration

と書いてありますね。

、、

要はすごく細かくてめんどくさいサンプルのカットアップです


じゃあサンプルのカットアップでいいじゃん となりそうですが、
グラニュラー合成では切り分けたサンプル音の
長さ
再生間隔
再生回数(頻度)
再生開始位置

を手軽にコントロールできるのが便利なんです。
今後はこの切り分けたサンプルのことをグレインと呼びます。


グラニュラーシンセの機能

前述したグレインの長さ、再生間隔、再生回数、再生位置を弄るとどうなるかを、ここからはサンプルのカットアップと、私が普段使いしている「Phase Plant」を例に解説します。
完全に同じ音にはできてません、ご了承ください。

仮にこういうサンプルを


1,2,3,4と、一旦等間隔に切り分けるとして
そこから各音の再生回数を4倍にすると、ピッチを変えずにサンプルが鳴り終わるまでの時間軸を4倍に引き延ばせます。
(再生順だと1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4)

グラニュラーシンセだとこう

また、再生開始位置を固定してしまえば永久に1の音を鳴らすことも可能です。

このあたりはサンプラーでも出来ますね。むしろサンプラーの方が音の制御という面では優れてます。 


次に、それらをずらして複数鳴らした音も再現してみましょう。

この場合、シンセではグレインの再生間隔を狭め、再生回数を上げると似たような感じになります。Phase Plantは再生位置を自在に操作できるので、LFOで再生間隔をつくっています。


この辺からサンプラーだと再現がめんどくさくなってきますね。普通にやってたらマウス壊れますからね。

このズレた音が同時発声される時の密度、複雑性がグラニューラー合成の面白みだと個人的に思ってます。

次に音の密度についてですが、これはグレインの再生間隔と再生回数がキモになってきます。

密度を上げたかったらグレインの再生間隔を狭め、再生回数を上げる
密度を下げたかったらグレインの再生間隔を広げ、再生回数を下げる
といった具合になります。

ここではFL付属のGranulizerを使いました。
高密度ではピッチがうねりメタリックな質感に
このプラグインも面白い

使用例

さてPhase Plantに戻りまして、、これらを応用し、再生位置を固定、密度の高さと相反するようにグレインの長さを伸ばしていくと…リタルダント、アッチェレランドが作れます。

Plukoがこれを使って超カッコいい曲つくってますよね!

また、たまに再生開始位置を逆方向に変えて疑似リバース(各グレインが正常に再生しているけど再生開始方向へに逆行する)が入るようにしたり
Pan,ピッチにモジュレーションを掛けたら

このように何が起きてるのかわからないテクスチャーになります。
再生開始位置の変化で更に複雑性を増したサウンドが作れるわけですね。

高密度+ショートグレインの組み合わせに、再生開始位置とピッチにランダムモジュレーションを掛けて謎プラックを作るのも楽しいです。

エクスペリメンタル系の人たちはこの後にFFTやら空間のエフェクトかけてさらにリサンプリングしてリサンプリングして、、という作業をしているんでしょうね。サンプルソース選びにも独自のセオリーを持っていそうです。すごい。


ではまた


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