宗教とジェンダー 序文
今年一月にネットプリント版Quaijiu Vol.1を公開したところ、様々な感想・反響をいただき、大変励みになりました。現在準備中のkindle版では、その時のご意見にできる限りお応えすべく、増補・加筆修正を行っています。
その中に、歌会録Ⅰの四首目、<He rules the world. わたしが生き延びるために彼を殺さなければならない>の評について、これはキリスト教へのヘイトスピーチなのではないか、というご批判がありました。そのように読まれることは私たちの本意ではありませんが、誤解を生むような箇所があったのは事実です。そして、誤解を受けかねない箇所をそのままにしてしまったのは、心を痛められる方がいらっしゃることに対する配慮不足のゆえに他なりません。キリスト教が、世界的には多数派である一方で、日本社会においては少数派であり、様々な誤解や偏見に晒されているという二重性に対して、またそれゆえに、キリスト教に対する批判は細心の注意をもって行わなければ多数派的な偏見に力を与えてしまいかねないという事実に対して、私たちは鈍感であったと思います。この事実を重く受け止め、今後の再発防止に努めたいと思います。
宗教とジェンダーについては、この歌会に集まった参加者それぞれが、今まで生きてきたなかで、自身の関心に即しながらできる限り真摯に考えてきたつもりでいます。そこで、参加者それぞれがこの歌について、あるいは宗教とジェンダーについて、改めて考え、文章にしました。kindle版では増補〈宗教とジェンダー〉として収録する予定ですが、その一部をこちらのnoteでも公開したいと思います。お読みいただければ幸いです。
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