ボイコネ用ボイスドラマ「私の天使。」第六話「わたしの、幸せ。」
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0:※本話のト書きは、「日和」役の方がお読み下さい。
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0:病院でお昼を食べた、その晩。
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0:私はお姉ちゃん先生と一緒に、アパートに来ました。
0:途中、お夕飯とお弁当の食材を買って。
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0:お姉ちゃん先生が、「今夜は簡単なものにしよう」って言ってくれました。
0:でも、せっかくお姉ちゃん先生とのお夕飯なので、
0:ちょっと贅沢な気分になれる、お鍋にしよう、とお話して、
0:二人っきりの鍋パーティー!
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日和:お姉ちゃん先生、そんなに急いで食べなくっても…
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小春:んー…?でもさ、ほら、煮えてるよ?
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日和:そうじゃなくって…熱くないですか?
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小春:んーん、んまひ(うまい)!
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日和:あはは、お姉ちゃん先生ってば…
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0:栄養食品をもくもくと食べてるお姉ちゃん先生と、全然違います。
0:とっても美味しそうに、どんどん食べちゃいます…。
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小春:ほら、日和も食べなって。なくなるよ?
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日和:え?あー!お姉ちゃん先生、食べ過ぎです!
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二人:(笑う)
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0:こうして、二人でお話していると、とっても安心できます。
0:まるで、お家に帰ってきたみたいな。
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0:おうち…そうだ、あのこと、聞かなきゃ…。
0:私の、過去のこと。
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0:私は、どんな妹だったのかな?
0:「昔のわたし」は、「今のわたし」と違うと思うけど、
0:お姉ちゃん先生の心の中の「わたし」になれたら、
0:とっても、とっても、気持ちがぽかぽかするんじゃないかな、って。
0:何か「大切なこと」を、思い出せるんじゃないかな、って。
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0:でも、それを聞くのは、とても怖いです。
0:もし「今のわたし」がお姉ちゃん先生の中の「わたし」と
0:全然違っていたら…?
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0:胸が、「ぎゅーっ」と締め付けられそう。
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0:それでも、お姉ちゃん先生に聞かなきゃ。
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0:夜中の1時。
0:何となく目が覚めた私は、
0:まだお姉ちゃん先生の机の明かりがついているのに気づきました。
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0:声を掛けたら、まだお仕事をしているみたいでした。
0:いつ、終わるのかな…?
0:ちゃんとお休みできるといいのにな…。
0:そうだ!こういう時こそ、私の出番!
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0:キッチンで牛乳とハチミツ、シナモンを入れた、ホットミルク!
0:温かいうちに、お姉ちゃん先生にお届けです!
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0:お姉ちゃん先生、ちょっとずつ飲んでる…味わってくれてるのかな…?
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0:あ、そうだ…あのこと、聞かなきゃ…。
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小春:ひよりー?何してんの?ぼーっとして。
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日和:…あの、お姉ちゃん先生
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0:深呼吸。何回も。
0:そして。
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日和:私の、…昔のコト。教えてほしいです。
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小春:日和、あのね…
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0:知りたい。
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日和:私は。…わたしはっ!
日和:どんな妹だったの?教えて!?お姉ちゃん先生っ!!
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0:夜中なのに、大きな声が出ちゃった。
0:でも、止まれない…。
0:知りたい気持ちが、大きな声に、なっちゃった。
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0:ちょっと時間をくれ、と言って、
0:お姉ちゃん先生は、いきなり着替え始めました。
0:ネイビーのワンピースに、アイボリーのカーディガン。
0:白衣を着たお姉ちゃん先生とは一味、違います。
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0:あれ?
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0:この格好、見たことあるような…?
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0:いつ?どうして?
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0:分からないよ、「今のわたし」は。
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小春:日和、今から話すことはね、全部、私の「わがまま」だ。
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0:そう言って、「昔のわたし」のことを話してくれました。
0:誕生日から、性格も、想い出話に、動画も。
0:お姉ちゃん先生の服は、私がプレゼントしたものだ、ってこと。
0:私が、…事故で、亡くなったことも。
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0:そして、長い時間をかけて、「わたし」を造ってくれたことも。
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0:私は何も、言えませんでした。
0:そんなに大切に思ってくれてたことが、
0:ただただ、とっても、とっても嬉しいです。
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0:お姉ちゃん先生は、まだ何かお話していますが、頭に入ってきません。
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0:だから。
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0:お姉ちゃんを、全力で抱きしめちゃいます!
0:お姉ちゃんは、目を丸くしてます!えへへ。
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小春:日和…?
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日和:なぁに?「お姉ちゃん」!
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小春:日和、ごめん、ごめんね…辛かったね…迷惑、かけたよね…。
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0:どうして、謝るの?
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日和:逆です、お姉ちゃん。
日和:わたしは、今、とっても、幸せ、です!
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0:そうだよ。
0:私は、とっても、幸せ。
0:だって、お姉ちゃんに一杯、愛してもらっているのが分かったから。
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0:背中を優しく撫でて貰っていると、とても、眠たくなってきました。
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0:お姉ちゃんと、一つのお布団で、手を繋いで。
0:とっても幸せな夢が、見られそうです!
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0:-つづく-
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