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「Queen Of The Universe」を観た

先日たまたまテレビで「Queen Of The Universe」という番組がやっていた。ドラァグクイーンたちが歌で競い合うオーディション番組で私が見たのは3話だったのだが、昨年にアメリカで先行配信され話題にもなったらしい。

ドラァグクイーンとは

Drag Queen(ドラァグ クイーン)はクラブパーティを華やかに彩る、過剰にゴージャスな女装をしたゲイのパフォーマーであり、世界中のプライドパレードで主役を張っている、そしてLGBTのカルチャーの代表格ともなっている存在です。Dragの由来は「裾を引きずる」だと言われています(裾が長いドレスを引きずるようにして歩くイメージ)。

(~中略~)巨大なウィッグ(カツラ)をかぶりド派手なドレスを着て、10cm以上あるようなヒールを履き、現実に存在する女性とは似ても似つかないようないでたちで、ゲイクラブに現れます。女性に見えるような自然さではなく「フェイク」をこそ楽しみ、ド派手なゴージャスさ、過剰さを遊ぶようなパフォーマーです。 (「pride japan」LGBTQ用語解説 より)

This is me

 出場者たちのプログラムに賭ける思いはそれぞれだ。アジア、インド系の人からショービジネスで働いている人など古今東西のドラァグクイーンを一堂に見られるのはなかなかないのでは。審査は歌唱面、ショー演出などを踏まえて、選曲でもその人らしさがでているか、4人の審査員によって美しさを含めて総合的に評価される。トーナメントで勝ち上がりながらNO.1クイーンを目指して競う。
 マスキュリンとフェミニンをかけ合わせた人や、演者として徹底された女優のようなたたずまいの人、体型も様々なタイプの出場者がいるのだが
初めてみてぱっと目を惹かれたのが、2人いた。

▽sushantdivgikr さん
曲はセリーヌディオン「my heart will go on」で、男性(身体的)であっても女性の声帯に近い伸びやかな高音が自然。美空ひばりのような歌謡曲のようなステージ衣装も綺麗で、ウィッグとった後の母親と同じ髪型にしたというショートヘアも不思議と衣装と馴染んでいて逆にこちらの方が好きだった。


▽Gingzilla さん

青いドレスで爪の先に蝶をつけているのが彼女(彼)(歌のシーンが見つからなかった)。赤髭をたくあえたビジュアルは初見ではギョッとするかもしれない。私がぐっときたのは「あなたはあなたを貫いている」という審査員の言葉に、涙をこらえながら真摯に聞いていた姿が印象的だった。

見終えてみると、自分が考えていたドラッグクイーン像もどこかの請け負いでしかないように思えてきた。(…そしてまばゆさで頭がクラクラした)
けばけばしさの中のアイロニー的な要素、クリエイティブに賭ける純真さなどいろんな可能性を感じさせるものがあった。他にもぱっと調べてみたが、ドラッグクイーンたちが作り出す世界は、意外にバリエーションがある。

求めつづけることが私の居場所になる

つまるところどんな美しさを追求するのかは「何をいいと思うのか」に通じているわけで、感覚が自分にフィットするか否かだろう。だから綺麗であれば何でも受け入れるのかと言われれば、あまり好まないクイーンもいるはず。
思うところがあって彼女・彼らがドラァグクイーンという表現を選ぶとき、そこに表現の居場所をもとめる彼ら・彼女たちの姿がキラキラしてみえた。それと同時に、徹底された表現者たるもののプロフェッショナルさも感じる。

そんな彼・彼女らに自分は「勇姿」を感じてしまう。いまの自分はガチガチに何者であるかを説明したいことでいっぱいで、そもそも表現するって何だっけ?と、哲学的なところまで入りこみ考えこんで、しまいには何もしないことがよくある。

ただそれも何かを背負ってやると使命感とか、カミングアウトも込めてるんだとかじゃない。自分の思う光を体現していく。シンプルに楽しんでいる彼・彼女たちをみていると、肩の力をぬいたらみたいものは案外近くにあるんじゃないかって気づくかもしれない。

そうか、表現するってそれでよかったんだ。

初回見逃したけど、、、今後は毎週チェックしとこ。