知らない土地に行くというコト
知らない土地に行くということ。
それは、自分にとって挑戦であったり、休息であったりする。
住み慣れた土地を一旦離れ、新しい地にその足を踏み入れる。そのとき、不安や期待がないまぜになり、心がキュッと縮こまり、泣きたくなる。
わたしは飛行機に乗る度に、離陸の瞬間は寝ていたいと思う。機体が加速を続け、いざ地面を離れ浮き上がるとき、自らの身体にかかる重力と墜落するのではないかという余計な妄想、それから少しの寂しさなんかがわたしを押しつぶそうとする。
飛び立ってしまえば、そんなことはなかったかのように忘れてしまうのに。
着陸の瞬間、わたしは新しい自分になる。
新開地に対する期待で胸がいっぱいになる。普段より少し素直で、少し大胆にもなれる。歩く場所が違うだけで、“わたし”はこれっぽっちも変わらないのに。
旅をするのが好きだ。それも、自由で気侭な一人旅が。
知らない土地に行くということ。
それは己がいかに無知かということを気づかせてくれる。
その場所の文化と自然に触れ、新しい人と出会う。
旅から帰ってくるとき、わたしはすっかりいろんなものを持ってきてしまったと思う。
両腕からはこぼれ落ちてしまうほどの経験と知識と人脈。それは人生に於いて、かけがえのない財産だ。
経験は人生を豊かにし、知識は己の糧となり、人脈はのちの希望となる。
知らない土地に行くということ。