絵本『月のブランコ』の歌が出来るまで
先日発売スタートしました!
こちら公式webサイトです。ぜひご覧ください。
「月のブランコ」はコロちゃんとのオリジナル楽曲です。
私が歌詞を書き、ギタリストのコロちゃんが作曲をしました。
コロちゃんと小さなカフェで、「おはなしと音楽のミニライブ」をやっていました。
またやりたいけれど、コロナ禍でなかなか厳しい状況です。
コロちゃんって、誰?!
あの〜、さっきから、コロちゃん、コロちゃんって、誰なん⁇
と、なってますよね。笑
そろそろお話しましょう。
コロ助こと市成直司(いちなりなおし)さんは
サラリーマンをしながら、ギタリストとしての音楽活動をしています。
そして、素敵な奥さんとかわいいお子さん達3人、そして猫ちゃん1匹と暮らしているおっとり穏やかな人です。カルチャーセンターでギターの先生もしています。
そんなコロちゃんと、「コロQ」というユニット名で、音楽と絵本の読み合わせ活動を始めたのが、2019年7月から。
この年は、3公演行いました。
2020年の4月にも予定していましたが、コロナ禍のためライブ延期となり
12月には満を持して行うことができました。
2019年7月6日 ハートフルポートでコロQライブ 右がコロちゃん
ライブができない代わりにCDアルバムをリリースしました!
今年2021年はライブをまだできるかわかりませんが、その代わりに、コロQのオリジナル曲をアレンジャーさんにお願いし、ミュージシャンのてんびん座さんとのコラボバージョンを入れたりといったCD制作に時間をかけました。
CD「木登りの三日月ひとつ取れなくて」ジャケ写がかわいい。イラストは梅本恭子さん
そして、「月のブランコ」の歌詞を絵本にしちゃおうといった制作活動もあり、なかなか忙しくもありました。
コロQユニットの始まり
2019年7月6日、コロQライブが初めて行われたのは、横浜市旭区にあるハートフルポートという2世帯住宅の1部を開いた住み開きカフェ。
店主の五味真紀さんの心意気とお人柄が素晴らしいのです。
皆さんの港のような居場所でありたいと、店内でいつも楽しいイベントをされていて、何より食事がとても美味しいですし、とても可愛らしいおうちのような雰囲気。
温かい雰囲気の五味さんとそこに集う明るい皆様。
このようなカフェで、朗読と音楽のライブができましたことは、とても幸せでした。
きっかけを与えてくれたのは、絵本読み聞かせ講座の生徒のKさん。
講座中もいつも明るく元気なKさんは、このハートフルポートで、「よりみち絵本カフェ」というイベントをされていました。
そんなご縁で、Kさんからある時私に「ぜひハートフルポートで何かやって頂けませんか」とお声がけ頂き、一度ランチを食べにということになり一緒に伺いました。
そして、とても美味しいランチを頂きながら、店主の五味さんとKさん三人で打ち合わせをしていました。
「朗読の時に、私だけでなく、どなたか音楽を奏でてくださる方がいると、よりいいですね。」と私。
「どんな音楽?」
「ギターとか、、?」
「ちょうど今、後ろにいますよ。」と五味さん。早っ!笑
見ると、五味さんの後ろに作業着を着てグラタンを食べている男性がいました。
(いきなりだなぁ…ま、一度切りだし、、いいか。)と私が思っていると
すかさず五味さんが「コロ助さん、ギターとても面白いしうまいのよ。与作を一人で弾いて、とても盛り上がったの」
「与作…」(えー、与作って北島三郎…⁈汗)
「紹介するわ」と五味さんから紹介され、私はこの人のギターを一度も聞いたこともないのに、「朗読と音楽のライブ、ぜひ一緒にやりましょう!」とその時のノリでナンパのように、イケイケで言ってしまいました。
それが、コロQユニットの始まりでした。笑
そして、ハートフルポートでのライブは満員御礼以上の大盛況。
ほとんど私の絵本読み聞かせ講座の生徒さん、養成所の生徒さん達だったので、とても楽しい会でした。
それまで朗読は、大きいホールでやることが多く、このようにお客さんと間近で、皆さんの受け答えや反応、笑い声、息遣いまでこちらに聴こえてくる心地よさは初めて体感致しました。
そして、コロちゃんは本当に性格も良く、音色も最高で、私の朗読にいつも合わせてくれます。
コンビとしてとてもやりやすかったのです。
演者とお客様のパワーや空気が、お互いにまさにハートフルに循環している…
この体験がとても気に入り、またコロQやりたい!と思いました。
そして、私はこういう小さなカフェでたくさん活動したい!と思いました。
コロちゃんとこのライブの反省会を焼き鳥屋でしている時に、
コロQのオリジナルの歌があるといいね!
みんなで歌えるような簡単な歌!と盛り上がり
私が焼き鳥の串を持ちながら、一つの淡いラブストーリーを話出す。
「南の島のあるところに、ある一人の少年がヤシの木にもたれかかりながら、月を見上げてウクレレを弾いて歌う。憧れのマドンナへの切ない気持ちを。」
コロちゃんはすぐにメモをしていました。
そして、次の日に、ボイスメモがLINEに送られてきました。
なんだか夏っぽくて素朴でいいなと思いました。
それを聞いて、そのメロディに歌詞をつけて、できあがった最初のオリジナル曲が......
「ぼくのマドンナ」
この曲は次のライブから歌うようになり、それ以外にも身近な方々に聞いて頂いたり、とても評判が良かったです。
さらに調子にのったコロちゃんは、またまたボイスメモをLINEに送ってきました。
コロちゃんが仮の歌詞でギター伴奏で歌っているのですが......
コロちゃんの歌詞はめちゃくちゃで......
音程もよくわからない…笑
コロちゃんのギターは最高に素晴らしいのですが、歌は…うーんジャイアンより上手い…笑
でも、ギターのコード進行や伴奏が楽しい雰囲気だ!ということは伝わってきました。
そして、やはりコロちゃんの素朴な柔らかい人柄がでている…
それが最初聞いた時の感想でした。
「ぼくのマドンナ」の時もそうでしたが、
コロちゃんとのやりとりは、楽譜を一切使わないのです。
私が楽譜が読めないということもあるのですが、コロちゃんは即興的な人だからです。
そしてこの時も、わかりにくいメロディに歌詞をつけて、私がその歌詞をLINEすると、今度はコロちゃんがその私が書いた歌詞で、弾き語り、ボイスメモに入れて送ってくれました。
それを聞きながら、また歌詞を修正し、今度は私が私流にメロディをはっきりさせ、歌い、ボイスメモに録音してLINEするということを繰り返し出来上がったのが......
「月のブランコ」です。
歌詞もメロディも何度も少しずつ変更されてCDになりました。
この歌詞はどうやってできたのかと言いますと…
親愛なる友が、夜あまり眠れないと言っていましたので、心配になり何かできないかなと浮かんだアイデア。
それは、電話で読み聞かせをする!ということ。
いろんな物語を週に3回くらい、寝る前にモバイルイヤホンをつけて、スマホで読みました。
「星の王子さま」や「ムーミン」、安房直子さんの童話など、長い物語は続きものにして少しずつ進めていきました。
たまには、歌を歌うこともありました。
楽しく一緒に歌える歌があればいいかも!という思いから、コロちゃんのメロディに歌詞をつけました。
安心して眠れますように。
楽しい夢を見られますように。
そんな友への想いから作った歌詞、それが「月のブランコ」です。
二人共お月見が好きで、よくスマホ越しで、お互いにベランダに出て
「今日の月は綺麗」「昨日は曇ってよく見えなかったね。」「横の金星もきれいだ。」とか、「飛行機が通ってる」など、いつも同じような言葉なのですが、とてもいい時間なのです。
そんな経緯もあり、月の歌を作りたかったのです。
エンタメとは、決して多勢の人達のためばかりに存在するものじゃないのでは?
たった1人の大切な人のために、今まで培ったもの全て惜しみなく出して朗読すること、歌うこと。
これも最高のエンタメではないのかと気づかされたのです。
子守歌や読み聞かせとは、その人だけのファンタジーへ、いざなってくれるものなのかもしれません。
暗闇に輝くお月さまを見上げるように。
誰も知らない自分だけの国が、まるであるかのように…
「月のブランコ」には、そんな願いや夢を込めました。
ぜひ皆さんも、一緒に歌ったり読んだりして頂けたら嬉しいです。
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