ブライダル業界×ITの可能性と今後の展望について
今回、某大手ウエディングメディアの入社2~3年目の方を対象として研修をさせていただく事になりました。
って、事前に聞いていたんですが、当日蓋を開けると、対象だった2~3年目の対象者の方20名に加えて、他にもう40名の方が参加いただき、60名参加となっていました。ご期待いただきまして、本当にありがたいお話です。
今回は、私・笠が考えるブライダル業界×ITの可能性についての考察 + 私・笠から見た先方のメディアさんの業界での立ち位置と助言(おこがましい話ですが)に関して、お話させていただく場をいただきました。
特に、DXとリードナーチャリングにも触れて欲しいというお題を頂戴していました(結果、ほぼDXの話となった・・・。)
研修でお話した内容は、オーダーいただいていた「ブライダル業界×ITの可能性」というよりは、どちらかというと、①DXそのものの概念に関して、②DXを推進していく為の組織論を中心にお話しました。
変化に順応できる組織へ進化したい、能動的に業務に取り組んで欲しいという、この研修をオーダーいただいた裏の意図を組み取り、内容をアレンジしました。
さて、普段から色々と考える事はありますが、こういう研修の様な場をいただけると、考え方を整理する機会となりますので、本当にありがたい機会です。
という事で、久しぶりにnoteにメモしてみようと思いました。
お時間あればお付き合いください。
そもそもDXって何!?
突然ですが、質問です。
みなさんにとって、DXって何ですか?
言葉にできますか!?
これ、結構難しいですよね・・。
例えば「桜の木・ジーパンって何?」と言われれば、誰もがほぼ同じ内容をイメージできるだろうけど、DXという概念は、新しく・大きいので、人によって、イメージの差が出ます。
今後、DXを推進していくにあたり、まず最初に必要なのは、DXという概念について、組織内で、関わるメンバー内で認識をすり合わせておく必要があります。
ゴールがズレているとマズイですよね。
DXを推進していくならば、まずは前提として「DXとは・・・」を共通見解が持てる様にしましょう。
ちなみに、経済産業省のDXの定義は下記の通りです。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
つまりは、企業の競争優位性を確立するために、IT技術を活用して、ビジネスを変革する事と言えると思います。
ウエディング業界のDXは!?
定義はそれくらいにしまして、結局、笠としては、ウエディング業界のDXはどうなるのかという点ですが、まずはメディア側の観点として。
以前、ウエディングパーク社のDX推進室の立ち上げの際に声がけをいただき、僕がウエディングパーク社のDX推進室長だったらこうするという記事をnoteに書きました。ウエディングのDXがどうなるかという点に関しては、下記を参考にしていただければ幸いです。
今回は業界のDXどうこうというよりは、1組織としてDXを推進するという観点で話を進めていきます。
組織においてDXを推進していく上で、DXの概念が整い、理想形(ゴール)がそろったら、次に大切なのは、どの次元のDXを行うのかという事について考えていきましょう。そして、どこに壁があるかどうかを知ることだろうと思っています。
個人的に、DXには3つの次元があると思うんです。
そして、おそらくはほとんどの企業は同じ場所でつまづきます。
①ビジネスモデルレベル
ビジネスモデルの変革(多角化・コスト構造の変化)
②組織レベル
アジャイル型組織への転換(文化形成が重要)
③業務レベル
デジタルツールの導入(MAツール、分析ツールなど)
ウエディング業界のDXの壁は!?
多くの企業が躓くのが「②組織レベル」の次元だと思っています。
経営だけDXを推進しても、組織がついて来ないと実現しない。
あるメンバーだけDXの必要性を訴えても経営まで浸透する事は難しい。
よって、この組織レベルのDXの壁を超える事が肝であると考えています。
とはいえ、変化に強くないのがブライダル業界。
ここを超えられる組織がどれほど現れるのか。
コロナで変わらなきゃと言いながら変わらない組織も多々ある。
変わる大変さも含めて突破できるのか。非常に重要な観点かと思います。
では、どうやってDXを行うのか。デジタル化の変革を成功させるのか。
DXはどうやって行うのか!?①空気感の醸成
前提としては、まずはリーダーがDXの重要性を感じて牽引する覚悟が必要。
組織全体の意識を全員一気に変える事は、非常に難しい。
個人的には、社長特命で特殊部隊を作って、そこの組織をバキバキのDX部隊にする。
その変化と成果を見て、他の部署に伝播していく。
空気感としてはこういう流れが良いのかなと思っています。
DXはどうやって行うのか!?②業務レベル
具体的な業務レベルでどう進めるかも非常に重要。
想いやビジョンだけでなく、具体的に固めていく力が必要。
コツは、プロセスの可視化と言語化。
色々とややこしいものを、シンプルにする力。これが必要。
全ての業務を分解していく。これがDXの基礎となります。
そして、認知~成約~リピーター・アンバサダーに至るまでのステップを全て可視化する。
マーケティング的にはカスタマージャーニーという手法があります。
このフレームワークで可視化・言語化するのも1つの方法です。
以前、markezineにてカスタマージャーニーに関する考え方は下記の記事にまとまっています。
カスタマージャーニーは、リードの獲得と追客に関する施策の軸として活用する事ができるので、有益です。
DXはどうやって行うのか!?③もう一つの意識変容
最後に、DXを行うのに非常に重要な観点があります。
それは関連部署との連携。
共通のゴールを設定する。強固な信頼関係を気付く。
みんなで1つのチームである事を認識する事です。
伝統的な営業組織もセールステックと言われるデジタル化が加速する事で、変化の波が押し寄せます。
この10年で、営業部門は、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスに分かれていく流れが世の潮流となっている。
既にこの流れは逆行できない世界に。
だからこそ、共通のゴールを設定する。強固な信頼関係を気付く事が重要です。
分業すると、自分と自部署の役割を果たす意識が強くなっていくのが自然の流れです。
本来、顧客の成功に対して、アクションしていくはずが、自分の目標に対してアクションしていく傾向が強くなります。
お客様から見て、言っている事・やっている事がチグハグだと非常に問題です。
同じお客様にご案内しているんです。
同じゴールを設定し、共通理解を得る事が非常に重要となります。
時に目線を変えてあげるのはマネジメントの仕事ではありますが、高い視座を持つ事を忘れず、どんな環境でも成果の揺れないメンバーが求められる。
2021年以降必要な観点:つなぐ・点を線にする!
今後、協業が非常に重要となる。
①プロセスを可視化・言語化していく(最終的には標準化する事になる)。
②バリューチェーンを同じゴール設定を行い一本化する(目線が低いと部署間で衝突する事になる)。
顧客に 、会社に、市場に貢献できる人物は誰かという視点で評価はされる。
さらに、今後は営業として成果を上げられる(売れる)という事に加えて、変化する組織に対して順応できる事は最低条件、変化の推進を牽引できる人物が求められる時代になる。
これから始める第四次産業革命の渦中においては、これは世界中において言える事。
こういう変化の中で、楽しそうに働いている人と一緒に働きたい。
一緒に挑戦したい!!
そんなお話をさせていただきました。
今回は研修の機会がありましたので、自分なりの意見を整理しました。
また機会があればnoteにアップしていきたいと思います。