「女性」主観で楽しめるASMRまとめ(とりあえず全年齢版)
ASMR（英: Autonomous Sensory Meridian Response）は、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚[1]。正式、および一般的な日本語訳は今のところ存在しないが、直訳すると自律感覚絶頂反応(じりつかんかくぜっちょうはんのう)となる。
(Wikipediaより引用)
超個人的な見解で、女性でも違和感なく聴ける女性声優のASMRの紹介とか書きたい。今度noteにでも書くか。
— きゅーた (@qtahitsuji) May 4, 2021
書こう書こうとしたところからもう1年経ってました。こっわ。
もともとASMRって、私の認識が正しければ昔は咀嚼音とか耳かきの音とか、いわゆる「音フェチ」向けにそういう音を集めているものだったのが、現在のASMRは声優さんの存在が不可欠というか、「ASMR＝声優さんの囁き＋環境音」という作品が増えているんだと思います。かくいう私も、ASMRを知った当初は「そういうもんだ」と思ってた人間です。
ある作品（後述）でどハマりしてから、結構短期間でいろんな作品を聴いてきて、好きな作品、そうでもなかった作品、いろんな作品に出会ってきたんですけど、どうしても難しいなと思ったこと。
女性声優が出ていて、聴き手が女性でも違和感なく聴ける作品が少ない。
多分、そもそも女性向けの作品が少ない市場なのかもしれないんですけど、そのなかでさらに女性声優さんが女性聴き手に語りかけてくれる作品って本当に少ないな……と思うのです。個人的には、どんなに気持ちよく聴けてても、「お兄さん」て呼ばれちゃったり、聴き手が男性で語り手が女性って言うのを意識させられるところがあると、気持ちがスン……としてしまうし、そこから聴く時にやっぱり没入感に1枚フィルターがかかってしまう気がする。みんなそうじゃないのかな……需要、やっぱり少ないのかな…………
というわけで、
みんなに（まずは自分のフォロワー関係になら同好の士が増えそう）女性声優ASMRの良さを知ってほしい。
あと、わたしが知らないけどそういう作品があったら教えてほしい。
という思惑を持って、おすすめのASMR作品をまとめてみました。
今回まとめた作品の条件
女性主観のまま違和感なく聴けること（聴き手が女性であることを想定している。または、男性を想定させるような空気が少ない）
女性声優が出ている（重要）
聴いててリラックスできる（寝る時に聴くことが多かったので、安眠特化型が多いです）
全年齢向け（性癖を晒す自信はなかった！需要があるのならまあそのうち）
要するに、「可愛い女の子の声を聴いてふわふわした気持ちになりたい女性向けの音声作品まとめ」になりました。もし少しでも興味を持っていただけたら幸いです。私が購入して聴いたものを中心にまとめてるので、サークルさんなどに偏りがあるのは最初に断っておきます。
①ぐっすり眠れる耳かきボイスβシリーズ/チームランドセル
百合耳かき音声が多いサークルさんです。私が耳かきASMRにハマってしまったきっかけの作品。「ぐっすり眠れる耳かきシリーズ」は、シリーズごとに世界観がしっかり作り込まれているので、容赦なく物語の中に引き摺り込まれて耳かきされます。βのシリーズは、1〜5までありますが、この世とあの世の境、三途の川が舞台。生きているにも関わらずそこに迷い込んでしまった私（聴き手）を、その間の渡守をしている少女、ユリちゃん（CV：七瀬真結さん）が誘ってくれます。ダウナーなアンビエントBGMと、ささやくようなユリちゃんの声が安眠に誘ってくれます。毒針で耳かきされても大丈夫な人におすすめ（大丈夫。怖くない）。BGMが合わない、いらないという人向けにBGM無しトラックも用意されてます。
以下、チームランドセルさんの作品で私が他に気に入ってリピートしているものからいくつか紹介します。
②ぐっすり眠れる耳かきボイスε/チームランドセル
こちらは幽霊の女の子、まつりちゃんと聴き手のお話。声優さんはβと同じく七瀬真結さん。儚い雰囲気のまつりちゃんに引き込まれていくうちに意識を手放します。
③ツンデレの女の子がガチ百合すぎて眠れない耳かきボイス【全年齢版】/チームランドセル
テンプレツンデレ幼馴染が押しかけてくる話。この幼馴染ちゃんがほんっと可愛くてな……。眠れないって書いてあるけど、確かにストーリーパートはちょっとドタバタしてますけど、耳かきが気持ち良いので眠れます。ていうか個人的にチームランドセルさんの作品の耳かき音の塩梅が個人的に最高すぎる。強すぎず弱すぎずでとても良いんですよ……
ちなみに、全年齢版とありますが、ちょっと耳なめなどの要素が入ったR-15版もあります。まあそんなにがっつりじゃないので、そこはお好みで。ちなみにこの作品は続編もありますが、こっちもまあまあガッツリ耳なめられるのでそちらもお好みで。
④雲水峡と七本杉の精霊【全編ささやき声・屋久島生音収録】/チームランドセル
屋久島で環境音を収録されてきたそうで、「なぜそこまでやったし……」という感じではありますが、本当に穏やかな環境音と、あと全編が無声音（ささやき声）なので、本当に安眠特化です。雨音と女の子のささやき声。最高じゃあないっすか。最後まで聴けた試しがないです（寝落ちるので）。
ここから他サークルさんの作品を少し。
⑤【耳かき・吐息】ねこぐらし。3〜バーマン猫娘のおもてなしですのっ〜【CV: 上田麗奈】/CANDY VOICE
今をときめく女性声優さんをたくさん起用されている「ねこぐらし。」シリーズからひとつ。基本的には聴き手は男性であることを想定されている作品が多いシリーズですが、このバーマン猫ちゃんの作品に関しては、聴き手への呼びかけ方こそ「旦那様」なのに、それ以外でほぼ性別を思わせる表現がなかったのが印象的でした。バーマン猫ちゃんの狙いは、聴き手の心にポッカリ開いた穴に入り込んで、聴き手を「バーマン大好き人間」にすることのみ。そのために耳かきをしてくれたり、景観のいいところに案内してくれたり、お紅茶を淹れてくれたり、たくさん主人公を癒そうとしてくれます。いじらしさが可愛い。あと、CV：上田麗奈に私が勝てるわけがなかった。あなたもいつの間にかバーマンちゃん大好き人間になるはず。ちなみにこれもいつも途中で寝ちゃうから、最後まで聴けたことがほとんどないです。ご了承ください。
⑥【百合体験】メイドインドリーム〜姫様とメイドの甘々生活〜【CV:内田秀】/SukeraSono
「ことのはアムリラート」などの百合ゲームを出しているSukeraSuparoさんの音声作品ブランド、SukeraSonoさんの作品。「百合体験」というのは、聴き手が女性となり、登場人物の女の子との百合、つまり“恋”を体験すると言うシリーズです。この時点で何の心配もいらない……。と言うわけなのでそこからいくつか、私がハマったものを紹介します。
まずはSukeraSonoブランドでの1作目。「ことのはアムリラート」にも出演していた内田秀ちゃんがこちらにも出演しています。聴き手はお屋敷に住むお嬢様で、メイドのシーナちゃん（CV：内田秀ちゃん）はお嬢様専属のメイドさん兼、恋人。小さな頃からこのお屋敷でずっと一緒だった2人の穏やかな休日の物語です。とは言っても身分違いの恋なので、ストーリーの中で「結婚」という言葉が出た時の、シーナちゃんの不自然なくらいあっさりした言葉に、ちょっとどきりとしました。まあでも概ね平和です。最高だったのは、シーナちゃんに膝枕されながら英語で子守唄を歌ってもらってお昼寝するシーン。最高だった（語彙力！）。
⑦【百合体験】ないしょワンルーム ～世話焼き妹と過ごす休日～【CV:立花日菜】/SukeraSono
「ないしょワンルーム」では、ちょっとダメな一人暮らしお姉ちゃん（JD）を妹の茉依ちゃん（CV：立花日菜さん）がお世話してくれます。て言ってもお姉ちゃんのことをちゃんと立ててくれたり、甘えてくれたり、なんか本当に仲の良い姉妹だなって感じで進んでいくんですけど、2人は家族や友達にも内緒の「恋人」関係。誰にも言わない、言えない閉塞感を「私は平気だもん」と言い張る茉依ちゃんの様子がめっちゃリアルで胸が痛くなりました。まあでも全体的に平和です。
⑧【百合体験】雨音キャンバス 〜君を描く梅雨の放課後〜【CV:芝崎典子】/SukeraSono
もうここ数日ほど私を狂わせている作品がこちら。聴き手は水泳部に所属するのんびりした高校2年生。去年の冬に同じクラスで美術部だった菜実（CV：芝崎典子さん）に告白されて、付き合っています。季節は梅雨。天気によって部活の練習があったりなかったりする聴き手に、菜実は文化祭に出す絵画のモデルを頼んできます。放課後の美術室で、紙に鉛筆が走る音と、菜実の息遣い、時折投げかけられる会話だけの空間がすごく居心地がいいです。
菜実ちゃんは美術部らしく（そして中の人も中の人なので……）アーティスティックなところがあり、発想が個性的だったり、話の階段が数段すっ飛んだりすることもあるんですけど、ただそこに没入していくのではなくて、その手前できちんと主人公を待っていてくれる空気があります。手を繋ごうとする時、「誰かきたら、すぐ離すから」と言って主人公の気持ちを慮るセリフがある一方で、「絵を描いているこの時間だけは、君は私だけのものなんだ」と誰にともなく小さく呟く姿のアンビバレントさで、毎回（もう30回くらい聴いてるけど）息ができなくなる。でも同級生なので、2人で夏休みの予定を立てたり、相合傘で帰ったりなどほっこりとドキドキが入り混じるシーンもあって、私はこの作品きっかけで芝崎典子さんに沼ってしまったけど、本当にこれで落ちたくなかった！！！（最大限の褒め言葉）と思っている次第です。でも願わくばこの物語の続きが見たい。2人での夏休みとか、海に行くエピソード。作ってください。お願いします（懇願）
SukeraSonoさんの作品は、共通して特典としてCVさんの「寝息」のトラックが収録されているのが特徴です。しかもまあまあ時間が長い。助かる。寝息にも個性があって楽しいです。シーナちゃん（内田秀ちゃん）とかは途中むにゃむにゃ言ってて可愛い。個人的には菜実（芝崎さん）の寝息の距離感がめっちゃ良くて、最近ずっとこれで寝てますね……。
まあ、人の寝息音声で寝れるかどうかは個人差があるのでなんとも言えないですけど、誰かの気配を傍に感じながら眠れるの、良いです。
番外編（もう人間じゃなくてもいいやって人向け）
ここからは、「もう性別の話はいいや。人じゃなくても」と思った人向けです。
●犬になりたい人向け
【耳かき・シャンプー・歯磨き・犬吸い・添い寝】お隣のわんちゃん!お世話します!(CV.上田麗奈/高橋李依)/あんくりあさうんど
あなたはトイプードルになって、飼い主の旅行中にお隣に預けられて、そのおうちのJD（CV：上田麗奈さん）にお世話してもらうことになります。そのJDのお友達（CV：高橋李依）も遊びにきて、2人と1匹でお散歩に行ったり、シャンプーしてもらったり、耳かきしてもらったり、果ては犬吸いをされたり（？）、とにかく可愛らしい生き物に生まれた特権を余すところなく享受できます。マジで可愛いわんちゃんとしか扱われないので、想像力に自信がある人にはたまらないと思います。私は途中で一旦聴くのやめました。なんで人間やってんだろって思った。
ていうかこの2人のキャスティング（リアルな同い年同期仲良しさん2人組）がずるいですよね。夜、川の字で寝るパートでは2人が相手の寝てる間にこっそりお互いへの想いを（聴き手がわんちゃんだからこそ）そっと打ち明けてくれるところ、たまらないです。そういう面も含めて最高なやつでした。
●無機物になりたい人向け
【百合観察】ユメリリ 〜 幼なじみカップル観察日記 〜【CV:山根綺 & 根本京里】/SukeraSono
安心と信頼のSukeraSonoさん。この作品は女の子同士のカップルが過ごすひとときを、ある時は部屋の壁、またはある時は部屋の観葉植物、等々、無機物になってただ見守るだけの音声です。うん、これ以上の言葉はいらない。みんな壁になりたいって思ったことあるでしょ？あれです。
●なんでもいいから心音をひたすら聴きたい
【女性声優・心音・生体ASMR】耳もとハートビート by小岩井ことり/kotoneiro
神が料理以外のスキルを与えすぎてしまった女性声優、小岩井ことりさんプロデュースの音声作品ブランド、「kotoneiro」さんの作品です。こだわりの強い作品が多くて、しかもすごくニッチなので、刺さってしまった人には一生逃れなさそうなものが多い印象です。私は今のところ致命傷を受けずに済んでいるんですけど、そこでこの作品なんですよ。声優さんの心音と寝息、あと布団の衣擦れだけを、7時間収録した音声作品になります。……7時間て、もう普通に睡眠時間じゃん。
ちなみにこれは小岩井ことりさんの心音（なんかアレだなこの書き方）なんですけど、渡部恵子さんと斉藤佑圭さんのバージョンもあります。ひ、人妻の心音……。
ひとまずまとめ
とりあえず、私が聴いた作品の中で、すんなりと違和感なく聴けたものをまとめました。多分、探せばまだまだたくさんあるんだと思うので、「こんなやつもありましたよ！！」っていうのありましたら教えてください（必死）。
今後女性の女性声優ASMR愛好家（？）が増えたら、もっと市場が大きくなってくれるんじゃないかな、そうだといいな……という希望を持って書きました。もし気になったものがあったら、ぜひちょっと体験版だけでも聴いてみてもらえたらなって思います。
そもそも、1年前から燻ってた文章をこんなに急いで上げる気になったのは何故かというと、この記事でも何度かお名前を出したSukeraSonoさんが、なんか凄そうな作品の予告を出していたからです。
大きな意味ではここまでまとめてきた「聴き手が女性であることを想定した音声作品」だとは思うんですけど、物語や、聴き手の取り込み方のアプローチがこれまでのものとは大きく違うのかもしれない……？と思ったので、とりあえず今日まで出会った作品のことをまとめてみた次第です。今回取り上げなかった作品にも好きなものはたくさんあるので、本当はもっと一つ一つの作品にレビュー書きたかったくらいですが……。今後はもっと積極的に好きだと思ったものについては書きたい、書くべきだな、と思いました。
でもまあ、今回はとりあえずこのくらいで。
最後に文中でも取り上げた、最近私がどハマりしてる「雨色キャンパス」の試聴動画を置いておきます。みんな、芝崎典子さんの囁きはいいぞ……。
7/11追記
この後発売された「イルミラージュ・ソーダ」にどっぷり沈んで感想を書きました。みんなも早くサカナに会ったほうがいい。