【期待値】串カツ田中のチンチロリンハイボールはお得なのか

串カツ田中。お手軽な値段で串カツが食べられる人気店だ。一見すると普通の居酒屋チェーンだが、この店には、全ギャンブラーの目を引く特別なメニューがある。それは…

チンチロリンハイボール

なんとこの店では、チンチロが楽しめるのだ！！
耳を澄ますと、店内の至る所からサイコロを振る音が聴こえてくる。串カツ田中は、ただの居酒屋ではなく、勝負師が集まる賭場なのだ。

チンチロリンハイボールのルール

２D６を振り、出た目の結果が、

ゾロ目なら無料！！
目の合計が偶数なら半額！！
目の合計が奇数なら倍量、倍額！！

になります。
一見お得そうなメニューですが、本当にそうでしょうか？
気になって仕方がないので、期待値を計算してみることにしました。
なお、注文するドリンクは角ハイボール（４５０円税込）とします。

2D6の確率分布

サイコロを２個振って合計値を求める時、最小値は２で、最大値は１２です。そして、出目の組み合わせは全部で３６通りあります。
３６通りの出目を、ゾロ目、奇数、偶数で分けると、

ゾロ目…6通り
偶数……18通り（内6つはゾロ目）
奇数……18通り

となります。
偶数の１８通りの内６つはゾロ目なので、偶数で半額となる出目の種類は
１２通りとなります。

確率分布に直すと、

ゾロ目…約16.7%
偶数……約33.3%
奇数……50.0%

なんと、２回に１回は奇数（倍量、倍額）になってしまいます。これは、
ゾロ目の出目は全て偶数である事が原因です。

期待値計算

確率分布がわかったので、次は期待値を求めます。
それぞれの値引、割増額は、

ゾロ目…値引450円
偶数……値引225円
奇数……割増450円

となります。

期待値の計算式は、

[ゾロ目の確率 × 値引額] ＋ [偶数の確率 × 値引額] ー [奇数の確率 × 割増額]

となるので、

[0.167 × 450] ＋ [0.333 × 225] ー[0.500 × 450]
≒[75] ＋ [75] ー [225]
＝-75

なんと、期待値がマイナスになってしまいました。

これでは、チンチロリンハイボールを頼む毎に75円失ってしまいます。

おい！！ぼったくりじゃねえかこのヤロー！！！！
と思ったそこのアナタ。まだ諦めてはいけません。

串カツ田中は本当にぼったくっているのでしょうか？もう少し掘り下げて、この問題を考えてみましょう。

奇数が出ると、値段が倍額になるだけではなく、量も倍になります。
なので、奇数の出目は、「２杯分を強制的に頼む」と同義と言えます。

そこで、条件設定をして考えます。

「絶対に２杯飲まないと気が済まない客」を条件にします。

この客が、チンチロリンハイボールではなく、通常の注文で角ハイボールを２杯飲んだ場合、

450円 × 2杯 ＝ 900円

となります。

次に、チンチロリンハイボールを使用した場合、

チンチロリンゾロ目 ＋ 通常１杯 ＝450円
チンチロリン偶数 ＋ 通常１杯 ＝ 675円
チンチロリン奇数 ＝ 900円

のどれかになります。この客は３杯以上ハイボールを飲むと死んでしまう
ので、２回目にチンチロリンハイボールを使用することはありません。

期待値計算（２回目）

この条件でもう一度期待値を計算してみましょう。

今回の計算式は、

[ゾロ目の確率 × 値引額 ＋ 通常料金] ＋ [偶数の確率 × 値引額 ＋ 通常料金] ー [奇数の確率 × 割増額] ー [通常料金 ×２] 

となり、

[0.167 × 450 ＋ 450] ＋ [0.333 × 225 ＋ 450] ー [0.500 × 0] ー [450 × 2]
≒[525] ＋ [525] ー [0] ー [900]
＝150

なんと、150円もお得ということになりました！！！！

なぜこのような事になるかというと、通常料金で2杯頼んだ時の料金と、奇数が出た時の料金が同じである為です。実質、タダで安くなる抽選を行っていることになります。

これにより、串カツ田中のチンチロリンハイボールの最適戦術は、２杯以上飲む場合、最後の１杯を通常注文し、それ以外はチンチロリンハイボールを使用する、というものになります。

まとめ

いかかでしたでしょうか？
串カツ田中では、事前に飲みたい杯数を考えておくことで、チンチロリンハイボールを利用して、お得に飲むことができます。ただし、自分が飲みたい数をオーバーすると期待値が下がるので、酔っぱらって飲んだ杯数を忘れないように気を付けましょう。
そんなこと気にして飲んでいられるか

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました！