地方でフリーランスエンジニアを1年やってみての感想
令和1年の5月1日から個人事業主のフリーランスエンジニアになりました。確定申告も無事に終わり、フリーランスとしての活動ももうすぐ1年になるので、備忘録としてこの1年間を振り返ってみたいと思います。
この1年でやった案件
現在継続中のものを含めて、この1年間で稼働した案件は以下のとおりです。
・前の職場の手伝い(ゲーム系)
・Laravel案件
・php案件
・Nuxt案件
・Flutter案件
・MENTAでのプログラミングコーチ
・専門学校の非常勤講師
これらの案件、エージェントに関しては地方エンジニアに特化したものを使いましたが、ほとんどがエージェント以外のコネでいただいたものです。
フリーランスとしての活動が軌道に乗るまでは、エージェントを活用して稼働しつつ、フリーランスの間でできた繋がりを通して、案件を獲得できるようになりました。
これらの案件を通しての収益ですが、具体的な数字は明言しませんが、税金や社会保険を納めても1.5倍くらいの所得となりました。
収益とは別にやった活動
売上は度外視して、以下の2点のコミュニティ活動に力を入れました。
鹿児島.mk
元々が鹿児島のエンジニアに知り合いがいない状態だったため、知り合いを増やすためにエンジニアコミュニティ「鹿児島.mk」を作って勉強会やイベントを主催しました。
プログラミング初学者や初見のエンジニアでも気軽に参加できるエンジニアコミュニティをモットーに、もくもく会やLT会などのよくある勉強会に加えて、GitやGASのハンズオンなどの実践的なテーマも取り上げました。立ち上げてから10ヶ月ほどしか経過していませんが、connpassグループには67名ものメンバーが参加してくれています。(2020年4月18日現在)
一時期、新型コロナウイルスの影響もあり、イベントの開催が危ぶまれましたが、オンライン上で開催することで何とかコロナ禍でも活動ができています。
ヒラマサ
鹿児島にエンジニアが少ないのなら、自分たちで育てて増やしてしまおうという考えから作ったエンジニアサークル「ヒラマサ」です。Webアプリ開発とゲーム開発のチームが存在し、現在は13名のメンバーが在籍しています。(2020年4月18日現在)
Webアプリ開発チームの進捗で言うと、レシピ共有アプリの開発を進めてますが、
・本業の合間に副業的に参画しているため、稼働時間が十分に取れない
・Webアプリ開発未経験が多いため、詰まることが多い
といった理由で遅れが出ている状況です。
分かったこと
地方で案件取るのは難易度高い
以前にも以下のような記事を書きましたが、地方で案件を取るのはとても難易度が高いです。
しかしながら、それは都会と同じように案件を獲得しようとする場合に限ります。それこそ、リモート専門のエージェントを使うだとか、エンジニアの勉強会やイベントに参加して、裁量権のある人とつながっておくだとか、ちょっと工夫することで案件を獲得することができるかと思います。
最初の方でも書きましたが、実際にこの1年で受けた案件の多くは知人から紹介いただいたものでした。
プログラミングを教える系は収益化しにくい
システム開発以外にもプログラミングを教える案件にも取り組みました。(下記にリンクを共有するので、興味のある方がいればぜひ!笑)
しかしながら、タイトルにも書いたようにプログラミングを教える類の案件は、収益化が難しかったです。理由としては、稼働時間に対しての売上がどうしても、プログラミング教育よりもシステム開発の方が良いとなってしまうからです。
もちろん、プログラミング教育の案件の単価を上げればプログラミング教育でも収益化ができますが、そうすると受講者の負担が多くなり受講数が少なくなってしまいます。そのため、プログラミング教育でシステム開発よりも収益を上げるには
・受講料を上げても問題ないと思われるだけの根拠付けをする
・教育のフローをなるべく簡素化して、稼働時間を短くする
といった工夫が必要そうです。
地方フリーランスは、狙っていけば無双できるのではないか
会社員の頃は、勉強会に顔を出したり、SNSで情報発信をするということは一切していませんでした。理由は特にするべき必要性を感じていなかったためです。
そのため、フリーランスになってからは、上記のコミュニティ活動に加えて、色々なコミュニティや勉強会に顔を出してきました。そこで実感したのは、地方でフリーランスエンジニアとして働いている人が非常に少ないということでした。
なんとかしてフリーランスの仲間を作りたいという思いから、エンジニアのコミュニティを作って、勉強会やイベントを主催し、業界の動向や地方ならではの事情を聴いたり、自分が知っていることは皆に提供したりしました。
その結果、鹿児島内のエンジニアの方々に認知していただけるようになり、行動し始めてからわずか半年足らずで、鹿児島で最も大きなエンジニアカンファレンスの「さくらじまハウス2020」に登壇できるまでになりました。
このコミュニティ活動の過程で、人づてに色々な案件を紹介していただけるようになったので、母数が少ない地方でこそ狙って行動すれば、無双できるかもしれません。
個の時代というのは大嘘。チーム内でどう力を発揮できるかが大事
これは、プログラミング教育でうまく収益化できなかった失敗から感じ取ったことです。個人では動かせるお金や背負える責任はどうしても小さくなりがちです。
実際に僕が現在、仕事を受けさせていただいてる案件はすべて法人相手ですし、今後も個人から仕事を請け負う可能性は限りなく低いかと思います。これは逆の立場からも言えることで、仕事を発注する側も個人よりも法人(またはそれに近い組織)の方が安心して仕事を発注できるものと考えます。
そう考えると、個人でオールマイティに成果を上げられるかよりも、チームの中でどう価値を提供できるかが大事になってくるはずです。これだと会社員と変わらないと思われるかもしれませんが、個人事業主の場合は、この選択が自由にできて、その結果も直接的に受け取ることができます。
確定申告めんどくさい
青色申告で確定申告しましたが、やはりめんどくさかったです。元々、経理の仕事もしていたので作業感は分かっていましたが、案件の納期等でどうもギリギリまで放置してしまいました。会計ソフトのfreeeがなかったら多分詰んでたと思います…笑
所得税もなかなか痛かったですし、これからやってくる住民税に怯えています。
今後頑張りたいこと
売上を安定させることは引き続き進めて行きつつ、以下の2点に力を入れていきたいと思っています。どちらも、今の時代を如何にして生き延びるかということに焦点を当てています。
スマホアプリ開発案件を取っていく
これはかなり偏見のある個人的考察ですが、これからはスマホアプリエンジニアの需要がさらに強まっていくのではないかと考えています。僕のスキルセット的には、Webアプリ開発のフロントエンドとバックエンド、スマホアプリ開発のクライアント側に関しては知見がありますが、あまりスマホアプリ開発に力を入れていなかったので、今後はスマホアプリ開発案件を中心に取っていきたいと思っています。
フリーで協力できそうなパートナーを増やしていく
上記のチーム内でどう力を発揮できるかという点に関連して、案件毎にチームを組んで稼働できるようなチームを作りたいと思っています。
会社で働く従業員ではないので、自分自身で生存戦略を考えていかなければなりません。
自分にとってプラスになる(収益であったり、技術であったり、領域であったり)案件を効率よく取っていくことがフリーランスとしての専門性もあがり、結果的にフリーランスとしての寿命が伸びていくと考えているからです。
まとめ
みんなの期待を裏切らない程度にがんばります。
また、コロナ禍で今後がどうなるか本当に分からないので、できることはやっておきたいです。