データサイエンス分野のトレンドをgoogleトレンドから
Googleにおけるキーワード検索の需要、検索回数の推移を分析する「googleトレンド」という無料ツールがあります。
マーケティング調査やコンテンツ企画の際、キーワード検索の回数をユーザーのニーズやトレンドの一端であると仮定して使う、みたいな利用シーンが一般的です。なお検索数そのものではなく、検索数の最大値が100となるように調整された値を出力するのは、googleトレンドの仕様です。
今後はperplexityやfelo、genspark、ms copilotのような調査に特化した生成AIの活用が進むと、それらツールはweb上の情報を検索をする際はgoogleではなく独自のウェブクローラーや検索エンジンを使っているので、googleトレンドやGoogle広告の効果は低下するかもしれません。
もちろん生成AIの実際の普及度、google利用のビジネスへの根付き方を考えれば、多くのキーワードで短中期的には健在なのだと思います。しかし、生成AIを好んで使う人たちが使うであろうキーワードの推移の把握は、遠からず精度が低下する気はします。
ということで、まだgoogle検索が健在なうちに、そうしたキーワードで分析してトレンドを把握しておこうかなぁ、と。
ビッグデータ, 人工知能, 機械学習, tableau, デジタルトランスフォーメーション - 調べる - Google トレンド → 念のため画像でも。
ビッグデータ、人工知能、機械学習、デジタルトランスフォーメーションは言わずもがな、TableauはBIツールの代表的な製品で、データ可視化について最も傾向が抽出されるワードとして選定したものです。読み解くと
2012年からビッグデータブーム、2015年からは人工知能に置き換わり加熱
人工知能のブームも2017年から収束傾向、ビッグデータブーム以前の水準に。実務でも「データはあるんで」「とりあえずAIで」みたいな無邪気な問合せが減り始めた頃
2018年頃からは人工知能よりも、それを実現する機械学習への関心が高まる。加えて2019年頃からは、データ可視化のツール・基盤であるTableauへの関心も高まる
いきなり難しいAIより、まずは社内のデータを集めて可視化しようという地に足がついた取り組みが増えた。
社内外のデータをリアルタイムに可視化することで解決する業務課題も多いことが広まった、「市民データサイエンス」「データドリブン経営」というキーワードが一般的になってきたのもこの頃だった記憶
頭の悪いITコンサルも、学生時代に少しかじっただけの若手に統計・機械学習を無理にやらせていろいろ破綻するよりはと、理解が容易なBIツールを激推しし始めた時期だったようなww
デジタルトランスフォーメーションは2017年頃から立ち上がり、2021年頃にはビッグデータブームのピークの水準までは来たのでDXブームがあったとは言える。しかし、今は人工知能やビッグデータよりも下回る。
ビッグデータや人工知能、デジタルトランスフォーメーションはブームとなりバズワード化してましたが、ブームが消えたというよりは一般用語化して、落ち着きました。一方でデジタル技術やデータサイエンスで業務やビジネスを変革したいという関心を持つ方々は、実現手段である機械学習やデータ可視化に今でも関心があり、必要に応じて調べている状況だ、というのが私の解釈です。
この解釈は、私がデータサイエンティストとして長年ビジネスを見てきた肌感覚もあってのもので、絶対的な正解ではありません。他にもこんなことあったね、こんな見方があるね、という建設的な議論はウェルカムです。
なお恣意性などに疑問を感じたらgoogleトレンドを使ってご自身でも試してみて下さい。こうした分析はオープンである(疑問を持ったら自分で試せる)ことをもって妥当と考えています。
また観点という意味では、ディープラーニングとか他の単語をいろいろ変えて試してみて下さい。
近年のキーワードとして生成AIを入れると
ビッグデータ, 人工知能, 機械学習, tableau, 生成AI - 調べる - Google トレンド → 念のため画像でも。
昔のAIブームなんて小さい小さい(笑)
生成AIが需要を喚起してくれたことに個人的には良かったと思ってます。まぁ、企業への導入において躓きがちな箇所は、ビッグデータブームの頃から本質的に変わらないんすけどね…。
こんなプレスリリースも出ていたので思いつきの記事でした笑