いまだに私「管理会計=ロジカルシンキング+財務会計の基礎的な知識」程度の理解ですww
今どき、コンサルや事業企画してる人ならITパスポート程度のIT知識ないとヤバいし、DXしたい企業の従業員ならMOS資格程度にはExcelやパワポ使えないとヤバい、というのは特に説明しなくとも理解できると思う。もちろん向き不向きはあるだろうけど、例えば会社から学習や資格取得の指示が出ても納得はできるだろう。
そんな施策の検討に付き合う中で、その昔とある日系コンサルファームで若手に簿記2級取得を義務化したバカな話を思い出した。
当時は内部統制の導入が盛り上がっていた頃で、業務で使う人・部隊が一定数いたのは確かだが、もちろん全社にやらせるべき状況ではなかった。
内情から言えば、親会社のIT商社から天下った元・御用聞き営業が、コンサルティングビジネスも会計知識も無いのに、たまたま内部統制に絡んでた何人かの話だけ鵜呑みにして全社一律に強制したのが真相だ。中堅以上は言い方はともかく突っぱねたが、当時の体制として若手はターゲットにされて逃げられなかったという状況。他の人事・人材育成の施策がクソだったのもあり「この程度しか考えられないファームか」と見切りをつけた優秀な若手が多かったり、管理会計として扱うべき問題を簿記会計でしか考えられない無能な若手ばかり残ったり、まぁまぁな余波があったと聞く。
会計の分野は広く、私も偉そうなことは言えないのだけど、学ぶ・使う観点で言えば、分野とその違いは概ね以下で認識している。
財務会計=財務状況を株主や投資家に報告するための形式
企業の経済状況や経営成績を年次等定期報告するための活動
ビジネスパーソンに必須なのはBSやPL、CF計算書の読み方の知識(多くの場合に「基礎的な知識」と言われる範囲)
簿記会計=財務データを帳簿に正確に書くルール集
経理担当者が取引を記録・整理するための手法
間接部門の人にとっては、くいっぱぐれないために有用な知識
管理会計=財務データを経営に利活用する技術
経営者や企画部門、コンサルタントにとっては不可欠
特定の形式に縛られず、企業ニーズに応じた指標や分析手法を使う
財務の「基礎的な知識」を知っていることは前提として、経営者や経営・業務コンサルタントに必要とされる管理会計は、経営や業務の意思決定を支援すべく財務データ・数値を筋道だてて考え、表現・評価すること。
たまに簿記会計の枠にある工業簿記、例えば全部原価計算など使うこともあるけど、それは管理会計として扱いたい目的に合致する時だけ。そしてそれは教科書を見ながらで十分。最近だとROICとかいろんな財務指標とかもあるけど、それらも同じ。求められるのは正確な帳簿の書き方ではないし、各種財務指標の記憶量でもない、簿記会計と管理会計は違うのだ。
たまに経理畑出身の管理職がアホな事を言うのに出くわすが、帳簿を正確に書く能力があっても、経営層をサポートする経営管理としてのアクションが全く理解できないことに起因していると推測される。
どのコンサル会社に経営や業務の改革・改善を任せられるか事業会社が考える際、コンサルタントが正しい知識を持っているか試すのに、簿記会計と管理会計、財務会計の違いを聞くと良いです。冒頭の日系コンサルは論外として、簿記会計ベースでしかモノゴトを考えられてないコンサルタントがトンチンカンな答えをするのに出くわしたことがあります。値引き交渉の前に、問題を解けるコンサルタントを選ぶのが先ですww
もちろん簿記会計が必要なプロジェクトなら、そういう人を雇って下さい。本当の意味での簿記会計の専門性には、私も一定のリスペクトはあるつもりです。簿記会計と管理会計の区別もつかない、使いどころがわからない人を私は残念に思ってるだけ。
簿記会計がどんなものか私も若いころに少し勉強してみたり、簿記2級の試験を受けてみたりしたけど、商業簿記のルール丸暗記とか無理_| ̄|○
というかデータを集めて需要予測やら何やら一生懸命やっても、それを活用する業務・ビジネスの枠組みで間違いがあったら全てが泡となるので「結局いくら儲かんの」「コストどんくらい減らせんの」を適切に説明できるようにする必要はあって、データサイエンティストにも管理会計的な考え方は経験値を積むほど求められると思っています。
とはいっても実際には、経営管理ドメインのAI・アナリティクス活用の時でさえも、簿記会計しか理解できない阿呆は除き、経営層と適切に話ができる人である限りにおいては「管理会計=ロジカルシンキング+財務会計の基礎的な知識」程度の理解で十分に対応できてるという実感です。
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