サービスって何て素敵な仕事なんだろうか
初めまして、こんにちは。
小野達也と申します。初note投稿です。
夢は『”心の底からいいなと思えるお店” を増やすこと』。
10代から飲食の世界に飛び込み約15年ほどが経ちますが、
昨年のコロナ渦の影響で、飲食店の内容がすっかり変わったように思うので、
”心の底からいいなと思えるお店” を増やす為に、
・サービスへの想い
・日常で感じた素敵なサービス
・本当に良い飲食店情報
辺りの内容を投稿していこうと思っています。
サービス業界で働く店長さん・スタッフさん・サービス業を目指す学生さんに見ていただいて、少しでもサービスに興味を持っていただければ最高です。
今回は「サービスの考え方やこだわり・今サービスが必要な理由」についてお話します。
コロナ渦で感じること
一番は、『飲食店のレベルが落ちた』特にサービスのレベルが落ちたということです。
お店ごとにいろんな背景がありますから、なぜなのかはお店にもよりますが、とにかく、気持ちよく飲食を楽しめるお店になかなか出会えません。
今までは補助金が出ましたし、今は緊急事態宣言が明けてどこのお店もにぎわっているかと思いますが、これが落ち着いたとき、一気になくなっていくお店が増えるのではないか。
僕は、お店側としてサービスを受けるのも好きですが、お客さん側としてサービスを受けるのも大好きなので、お店に行ってサービスのレベルが低いと、とても残念な気持ちになってしまいます。
別に特別なサービスを求めているわけではなく、ただただ気持ちよく飲食したい、それだけなんです。
なのにただそれだけのことも叶わないお店が増えてきている。
・ここでこうしたらもっとお客さん喜ぶのに
・こうやったらもっとおいしく食べてもらえるのに
こう思うことが増えていき、そして閃きました。
自分が培ってきた知識を発信して、お店で働く店長さん・スタッフさんに見ていただければ、少しでも役に立つのではないか。
サービス業を目指す学生さんに、働く前に見ていただければ、高い志を持ってもらえるのではないか。
そうすれば”心の底からいいなと思えるお店” を増やせるのではないか。
そう思い、
・サービスへの想い
・日常で感じた素敵なサービス
・本当に良い飲食店情報
を発信していくことを決意しました。
サービスが必要な理由
とは言え、時代はデジタル化。ウーバーイーツやお一人様専門店、ネット注文のテイクアウト専門店等、コロナ禍の影響で、飲食店の在り方も随分と変わりました。ネット通販等、家にいながら買い物が出来るとても便利な世の中になっており、
『2025年、人は「買い物」をしなくなる』
こんな書籍まで出版されるほどです。
「サービスに需要ってあるのか?」
「この想いは自己満足なのか?」
そんな風に葛藤すること約3秒。すぐに答えは出ました。
サービスは必要だ。
緊急事態宣言があけて、どこのお店もお客さんで溢れかえっているこの状況こそが、デジタル化していく中でも、人は実際にお店での飲食を求めている証明です。
デジタルはとても便利ですが、感動はアナログからしか生まれません。
人と人とのふれ合い
ちょっとした一手間
そういった事の積み重ねに、人は感動を感じます。
そしてデジタルに慣れた人は、より一層その感動を感じやすく、求めるようになります。
確かにデジタル化していく世の中に対応していく必要はありますが、デジタル化が進むと商品力の差というものはほとんどなくなっていくでしょう。そこで差別化となる物がサービスなのです。
これからの時代の流れに対応しつつ、サービス力に磨きをかける。
これが、生き残る上でとても大切な要素になります。
デジタルに対応することで新規客を、
サービス力で顧客(お店のファン)を、
獲得していくのです。
『サービス』という仕事へのこだわり
僕にとってのサービスのゴールは、お客さんに
「このお店、何か良かったね」
と言ってもらう事です。
この、『何か』が僕のこだわりです。
言うまでもなく、僕は『サービス』という仕事をこよなく愛しており、とても奥深く、知れば知るほどのめりこんでしまう本当に素敵な仕事だと思っています。
元々は設計士を目指して大学に進学しましたが、居酒屋アルバイトでの接客が楽しすぎて飲食業で働くことを決意し、取得単位ゼロのまま大学を半年で中退して飲食の道へ進んだほどです。
僕にとって『サービス』という仕事は、一言でいうと『快適な空間を提供する』ことです。
おいしい料理はもちろんのこと、気の利くサービス、店内の清潔感、空調、BGM、テーブツのがたつき、照明の具合、etc…
快適な空間を提供するための要素はたくさんありますが、そのすべてを高いレベルでバランスよく提供できているかどうか、にものすごくこだわっています。
そして、お客さんに「このお店、何か良かったね」と言ってもらうために、この『快適な空間』を提供しています。この「このお店、何か良かったね」という言葉、すごく深いんです。
『何か良かったね』に潜む意味
これは、お客様さんが最高の店内空間を安心して楽しんでいただけた時にしか出てこない言葉で、この言葉を聞きたい為に頑張っていると言っても過言ではありません。
そして『何か』を実現する為に行なっていること、
それは″お客さんの空間を大切にする″と″全員接客″です。
『何か』を実現する為にしていることはたくさんありますが、そのほとんどはこの2つの中に含まれます。
″お客さんの空間を大切にする″為には、お客さんが何を求めているのかを汲み取り、それにあったサービスをすることが大切です。そして、一番大事で、一番難しくて、一番効果が大きいのが、“全員接客″です。
この2つは、『QSC』という飲食店として成り立つ為に必要不可欠な3つの要素の中に含まれます。
『QSC』とは、飲食店として成り立つ為に必要不可欠な3つの要素の頭文字をとった言葉です。
話し出すととても長くなるため、別のnoteにてお話することにします。
過去の大失敗
さて、ここまで僕のサービスに対する考え方をお話してきましたが、なぜこの考えに至ったのかというと、過去の大失敗と挫折が大きく関係しています。
実は、20代前半の頃に、初めて新店の立ち上げを任せてもらえる事になったのですが、そこで僕はいろいろとやらかしてしまったわけです。その経験があったから今の考え方があるので、今となっては大きな財産になってるのですが、当時はいろんな人に迷惑をかけたし思い返すととても恥ずかしいです。
その恥ずかしい話を詳しくお伝えしていきます(笑)
■新店の立ち上げを経験したくて入社
当時、東京のバーで働いていました。そこはサービス研修等に優れており、接客がとても楽しく、いろいろと勉強させていただきました。その結果、最年少で店舗の責任者をやらせてもらえたり、いろんな社内の活動に参加したりしていたので、自分に自信が満ち溢れていました。
(今となっては恥ずかしい限りですが...)
ただ、新店の立ち上げをした事がなく、将来自分のお店を持ちたかったのでどうしても立ち上げを経験したかったのですが、東京のバーではそれが叶いそうにありませんでした。 なので、いろいろ探した結果、大阪にいい会社が見つかったので面接を受け、そこでお世話になることとなりました。
■入社1ヶ月半で新店の立ち上げを任される
入社後は、早く店長になりたかったので、何でもガムシャラに頑張っていました。なので、社長や配属となったお店の店長からの評価は良く、周りの応援もあり、思っていたよりも早く新店の立ち上げをさせてもらえることとなりました。
新店は、70席ほどのイタリアンバルで、スタッフも在籍で15人ほどの規模のお店でした。東京での店長経験もありますし、数値管理や接客、アルバイトの育成等、いろんな業務をしていたので、自分に自信が満ち溢れている状態で、絶対にできるという根拠のない自信がありました。
周りの助けもあって、何とかオープンでき、最初のうちは充実していましたが、日が経つにつれてどんどんお客さんが減っていきます。どうにかして集客しようとしますが、そこで気付くのです。
『あれ、集客ってやったことないぞ?』
東京では複数店舗あったので、本社のぐるナビ担当社員が一括してページの編集をしてくれていたおかげで、現場では何もしなくても集客が出来ていたのです。なので現場では接客するだけ。おんぶに抱っこの状態なのに、それに気づかず自分はできると思っていたわけで、店舗経営で大切な『新規集客のノウハウ』がゼロの状態で新店の立ち上げをしていたのです。
考えただけでゾッとしますね(笑)
周りからの期待もありますから、これはまずいと頑張るわけですが、そこで僕は頑張り方を間違え、ドンドンと泥沼にハマっていくこととなります。
■間違った経費コントロール
集客がない=売上がない状態なので、*FL比率がものすごいことになっているわけです。
(何と100%越え!!)
*FL比率 : 売り上げに対する原価と人件費の比率のこと
社長からしたら、どないなっとんねん!ってなりますよね。
もちろん、「これこれこういう状態で今はこんな数値ですが、いつまでにはこうなっているようにこんな取り組みをしています」と説明が出来れば、社長も納得してくれます。
ですが僕は、『新規集客のノウハウ』がゼロの状態。
現状も、これからの対策も分かりません。
ひたすら詰められるだけの店長会議。会議中はもうリアルに声もカスカスになって喋れなかったです。
ここで、
・新規集客のノウハウを勉強して実行する
・周りのできる店長に相談する
とかが出来ていれば良かったのですが、なんと僕がとった行動は、
「FL比率を下げる為に、アルバイトのシフトを削り、自分の休みを減らす」
という下の下の策でした。
長時間労働&休みなしで頭も麻痺しているのか、それが間違いだとも気づきません。
ただただ現場に出て営業を回すだけの日々。もはや、接客に何の心も込もっていませんでした。もともと接客が楽しくて、大学を中退してまで飲食の道に進みましたし、東京でもサービスについて学んできたのに、今は接客が全然楽しくない。
どうすれば経費を下げられるかと、そればっかり考えていました。
しまいにはアルバイトもどんどん辞めていきます。
そんなある日、東京の元同僚が食べに来てくれました。
■元同僚からの一言
元同僚は、4人で来てくれました。全員、東京で僕と一緒に、サービスについての新人向け研修を担当していた仲間です。
食べて飲んで数時間滞在した後、お会計の時に僕に一言、こう言ったのです。
「小野ちゃん、一体どうしたの?
全然お客さんの方を向いてないよ?」
そこでやっと気付きました。いや、正確には気付いてはいたんですが、その状況を受け入れてしまっていたのです。そんな自分にとてもショックを受け、元同僚が帰った後、お店の裏で一人号泣してしまったのを覚えています。
これが、僕のホスピタリティーの概念が形成された出来事です。
挫折からの教訓
この挫折から、『もう2度と、お客さんから目を背けない』と自分に誓いました。
遅過ぎるぐらいでしたが、環境を変える為にすぐに会社を辞めました。
※誤解がないように念のため説明しておきますが、会社がしたことは全く間違っておらず、100%僕に非があります。むしろ会社には、こんな世間知らずの僕にチャンスを与えて頂いたことへの感謝しかなく、本当に申し訳ないことをしました。
そして、次に働くことになったのは、大阪市福島区でのBarの立ち上げでした。
前回の失敗がありますし、『もう2度と、お客さんから目を背けない』と誓っているので、サービスを一番に力を入れて取り組みました。
するとどうなったか。
その時の実際の売り上げ推移がコチラ↓
この時はまだ新規集客のノウハウがありませんでしたが、それでも着実に伸びていき、軌道に乗せることができました。
「リピート集客には、サービスが大事なんだ!」
そう強く実感しました。
そして、その後いくつかの飲食店で働きましたが、この″お客さんの空間を大切にする″と″全員接客″という考え方でサービスに取り組むことで、すべての店舗において売り上げアップを実現してきました。
飲食店(に限らずですが)が存続できるかどうかは、サービス力が強くかかわっています。
今ここで、時点のサービス力改善への取り組みが、確実に今後の存続への明暗を分けていくでしょう。
これからもサービスについて、QSCの観点からの気づきをnoteで共有していきたいと思います。
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