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#22 X1 SUPER 2020第3節第2日
X1 SUPER3日連続開催の2日目。今日の結果次第では明日は消化試合に変わってしまう。最後まで楽しむためには少しでも波乱の要素があった方がありがたい。
Aブロック 富士通 34-3 エレコム神戸
富士通は勝ちさえすればブロック3連勝で問題なくジャパンエックスボウル(JXB)出場が決まる。一方エレコム神戸がJXBに出場するには、この試合に勝つことに加え、明日のノジマ相模原が勝った場合は3チームが2勝1敗で並ぶため、12点差以上で勝つと確定、11点差以下ならノジマ相模原の勝敗次第となる。
しかし、試合はそんなエレコム神戸側の淡い期待を早々に打ち砕く展開だった。
エレコム神戸の攻撃で始まった1Q、わずか4プレー目にQBソコールが投じたパスがインターセプトされ、1分半で攻撃権を失った。富士通は相手のミスを決して見逃してくれない。エースRBグラントとQBバードソンのランプレーでエンドゾーンに近づくと、最後はWR松井のラッシュで先制TD。
あっさりビハインドを背負ったエレコム神戸は追いすがったが攻撃のリズムを作れない。第1節のIBM戦と第2節のノジマ相模原戦で長所短所の両面が出たQBソコールーWRオヌワーのラインへの依存が今回も悪い方へ出た。短いヤードで1stダウン更新できるシチュエーションでもパスプレーにこだわり、結果パントで攻撃を終えるシーンが続いた。解説はソコールにフラストレーションが溜まる展開とコメントしていたが、むしろエレコム神戸のRB陣の方がイライラしていたのではなかろうか。
前半を17-3で折り返し、さあエレコム神戸はどう切り返してくるだろうと注目していた後半戦、エレコム神戸はキックオフでオンサイドキックを繰り出した。富士通がカバーして奇襲は失敗した。結果論となってしまうが、まだTD2本差だった場面でオンサイドキックをする必要はあっただろうか。いいフィールドポジションから攻撃を始めた富士通は後半戦最初のオフェンスシリーズで難なくTDを取り、21点差に広げ、ここで試合の大勢が決した。
スタッツで確認すると、エレコム神戸のプレーチョイスはちょうどランとパスの比率が1:2になっている。富士通がほぼ1:1になっているのと対照的だ。もちろん富士通には絶対的なエースラッシャーのグラントがいることも大きいが、エレコム神戸のパスプレーは多くがオヌワーをターゲットにしており、富士通のディフェンスはカバーを付けて大きなゲインを許さなかった。パス成功回数は富士通19に対しエレコム神戸20とほぼ互角だが、成功1回平均獲得ヤードは富士通13.7に対しエレコム神戸9.8。TDを許さなかったのを見ると、エレコム神戸がパスに比重を置いてくることを前提に、徹底したカバーで要所を締めていたことがうかがえる。
一方富士通は盤石の試合運びで完勝した。この試合、エースレシーバーの中村が出場していない。攻守二刀流のニクソンも出ていない。その状態でこの展開になるのだから、選手層の厚さは底知れない。これで8年連続のJXB出場を決め、リーグ5連覇まであと1勝に迫った。