【中小企業診断士】二次試験対策は設問解釈が9割
最も効果がある二次試験対策とは?
こんにちは、ときです。
昨年、中小企業診断士の二次試験を受験し、合格することができました。
今日は、二次試験で最も効果があった対策方法についてご紹介します。
これは、初学者がまず最初にやるべき二次試験対策であり、多年度受験生も改めて取り組む必要がある対策方法です。
早速、最も効果があった二次試験対策は、「設問解釈」です。
一般的に、最も効果がある対策と言えば、「過去問を解く」ことですよね。
なぜ効果があるのか?どのように行うのか説明しますね。
ちなみに、この対策範囲は事例Ⅰ~Ⅲになります。
事例Ⅳは、また別記事で書きますね。
なぜ効果があるのか?
まず前提として、中小企業診断士の二次試験問題は、200~800字程度の記述式です。ある問いに対して、おおむね指定された字数通りに回答する必要があります。
まず、ChatGPTが答えた記述式の採点基準についてご覧ください。
※なぜChatGPTに聞くのか?等の疑問は、今回の趣旨とずれる為、本noteでは割愛しますね。
表現として分かりやすくサマリすると、
設問に対して、答えるべき事項を答えているか?
一次試験や一般的な知識を使っているか?
設問に対して、答えるべきことに答え、十分な長さの記述があるか?
提案は実現可能であり、具体的か?
与件から根拠が拾えているか?論理的に考えて妥当か?
文章全体・個々の表現は適切か?(十分な長さの記述か?)
つまり、
「一次試験・一般的な知識と与件の情報を根拠に、設問で聞かれたことに対して、実現可能で具体的な提案を正しい文章で書けているか?」
という採点基準だと理解できます。
あくまでChatGPTに聞いた結果ですが、論理的に考えて非常に整合的であり、これ以上でも以下でもない採点基準になります。
そしてこのなかで最も重要な基準。
それは、「設問で聞かれたことに対して」になります。
なぜなら、いくら素晴らしい提案を書いても、聞かれてないことを書いてしまえば、0点だからです。
日常生活と同じで、「誰に何をしたらいいか?」を知りたい人に、「どうやって」やるか答えて、点数を与えられるでしょうか?
だからこそ、中小企業診断士の二次試験において、もっと効果があり重要な対策は、「設問で聞かれたことに対して」答えるための「設問解釈」です。
この対策を後回しにして、他の対策をやるべきではないと考えています。
例えば、まずはテキスト系の参考書をまず読んで、一次試験をおさらいしようとか。
まずは二次試験がどんな試験か、どんなtips・テクニックがあるのか調べようとか。
断言します。どれも素晴らしい対策方法ですが、
最初のステップは「設問解釈」一択です。
一次試験が終わってから。もしくは合格発表で一次試験合格を確認してから。二次試験に不合格となったその日から。いろんな勉強のタイミングがあると思います。
しかし、どんな場合でも「設問解釈」を最初に行うべきです。
なぜなら、
「一次試験・一般的な知識と与件の情報を根拠に、設問で聞かれたことに対して、実現可能で具体的な提案を正しい文章で書けているか?」
に対して点数が与えられるからです。
「設問に対して正しく答えられているか?」
という当たり前のことが出来るようになる対策が必要になります。
そして、「設問解釈」を行うことで様々な設問に対応できるようになります。
間違いない事実として、与件文は絶対に同じものは出ませんが、設問(特に、適切な解答パターン)は同じものが出ます。
設問解釈を行う理由を理解いただけたでしょうか。
どのように行うか?
それでは、具体的な設問解釈のやり方を説明します。
①設問を理解
1. 何が問われているか?
(例:課題を答えるのか?施策を提案するのか?留意点を述べるのか?)
2. 回答に必要な情報は何か?
(例:過去の成功/失敗体験は?原因は?これまでの戦略や行動は?)
3. 使えそうな一般知識は何か?
(例:一般的に新卒採用のメリデメは?ターゲティングのやり方は?生産管理上、注意すべきことは?)②設問を分析
1. この設問のレイヤー・タイプは何か?
2. この設問の解答の軸は何か?①②をExcel/スプレッドシートに整理し、設問解釈(設問や解答のパターン、こう聞かれたらこう答える)を暗記・暗記・暗記
実際に私が整理したサンプルはこちらです。
項目ごとの記載について説明します。
年度・事例・設問#:
管理用として、どの年度の事例・設問か記載します。
レイヤー・タイプ:
過去に合格した諸先輩方が整理・まとめてますので、そちらの記事をご確認ください。自分で整理しなおしても良いと思います。
以下に参考書・参考記事を貼っておきます。
解答の軸(概要・詳細):
設問解釈のエッセンス部分です。詳細は後述しますが、どのような解答の方向性・パターンか?などの設問理解の内容を記載します。
「設問解釈」を行い、整理することのメリットは、
設問のパターンが分かる
⇒二次試験で聞かれることのパターンが分かると、本番で聞かれそうな問題の予想が立てられます。事例Ⅰなら、大体こういう質問来るよね、と。
実際に予想すること自体は難しくても、大体このようなことを問われると分かっている状態は心理的プレッシャーを下げる意味で非常に重要です。設問に対する回答方法のパターンが分かる
⇒回答方法のパターンが分かると、回答速度が上がり、試験時間を有効に活用できるようになります。
二次試験の難易度を高めている要因の1つは制限時間です。80分のなかで、いかに正確に設問を解釈し、与件文を読み、適切な記述をするかが勝負の分かれ道です。回答方法のパターン化は強力な武器になります。回答にどのような知識が必要か分かる
⇒二次試験自体の制限時間とは別に、対策時間にも制限があります。10月最終週までに対策を行う為、人によって準備期間はまちまちですが、膨大な範囲の知識をゼロから勉強している時間はありません。
しかし、二次試験で押さえておくべき(解答に必要な)知識は、絶望するほど多いものではありません。
どんな知識が必要なのかいち早く把握することは、試験対策を効率的に進める重要な要因となります。
レイヤー・タイプ
解答の軸(概要・詳細)
解答の軸とは、ある設問に対して、どのような解答を組み立てるか方向性を概要・詳細レベルで記載する欄になります。
例えば、以下のような設問を解釈してみます。
ヒントを拾っていくような作業をイメージしてください。
ここでヒントになる設問の記載と論点を列挙すると、
「数年で事業を拡大」「これまでの成長を支えた」
⇒それぞれ、なぜ拡大/成長できたのか?
※おそらく与件にあるだろう。ないと、状況背景が理解できないので。「長期的に継続させていくために必要な施策として」
⇒なるほど、施策を検討してるのね「新商品の企画や新規顧客を開拓していくこと以外に」
⇒新規系はダメ「どのような点に留意して事業を組み立てていく」
⇒留意点を答えなければいけない=解答は「留意点は、」から始める。
ここで、4つヒントを拾えました。
解答の軸(詳細)に記載します。これは本番でそのまま解答準備用のメモとして活用できます。
まず、これまで事業が成長できた要因を継続/強化していくことが良いだろう。なぜなら、
①新しいアイディアを試すよりも、過去の実績があるものを使いまわした方が成功確率が高い
②与件に成功要因の記載がある確率が高く、採点基準#4(以下)を満たす為。
中長期的に事業拡大するための施策を検討しているが、新規系はなし。
ということは、既存事業を拡大させるしかないね。つまり、既存事業拡大に向けた施策の留意点について過去の成功要因にならって答えるべき。ということになります。
現時点で何が成功要因かはわかりませんが、既存事業の拡大時の留意点なので、一般的には
①既存顧客との関係性強化で顧客維持すること
②過去に顧客に評価されたA社の強み・他社との差別化項目を活用する
以上、2点が解答として良さそうです。
設問理解・分析を踏まえて、解答の軸(概要・詳細)にそれぞれ記載します。
解答の軸(概要)は、「成功体験の活用」とします。
この「設問解釈」をいくつかの設問でやると分かりますが、解答の軸(概要)はパターン化されてきます。というか、パターンになるように整理していきます。
いくつか代表的な例を挙げます。
事例Ⅰ:成功体験の活用、一般的なメリットデメリット
事例Ⅱ:だなどこ、強みの活用、ジオ・デモ・サイコ
事例Ⅲ:一次試験の知識、納期遅延のフレームワーク、IT化のフレームワーク
解答の軸(詳細)には、ここまで行った設問理解・分析内容を記載しておきます。キーワードベースで、解答の組み立てや与件探索に必要なメモ程度を残しておけばよいです。
ここまで整理が出来れば、事例Ⅰ~Ⅲの過去問10年分ほど繰り返します。
10年 x 4問で、事例毎に40問ほど行うと、パターンが見えてくるかと思います。
実際には、設問解釈だけ切り取ってやるでもいいですし、
過去問を解きながら、最後に整理してやっていく方法でもよいと思います。
何れも自身で思考を深められれば最高ですが、時間的にも難しいので、その場合は、過去問に対する解答を見て、ぱぱっと記載してしまって問題ありません。
私が参考にした資料を参考に掲載します。
重要なのは、「設問解釈」を通じて、設問や解答のパターンを理解し、暗記することで、試験準備・試験本番の効率化をすることです。
ぜひ、なぜそのような解釈になるのかご自身で考えながら、「設問解釈」に取り組んでみてください。
サマリ
この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
「設問解釈」
シンプルで、強力で、最も効果が高い勉強方法だと思います。
私自身は、二次試験は2回目で合格しました。
1回目は事例ⅠとⅡで得点が足りず落ちてしまいました。
敗因分析として、一次試験後から短い時間の中で二次試験対策を始めたのですが、最初に対策方法や一次試験のインプットからスタートし、時間をロスしたなと考えました。
2年目は、1年目にインプットしていたこともありますが、アウトプットからスタートして、設問を中心に理解・分析することで、適切な解答パターンを導き出し、暗記することで、本番でも時間不足にならずに、適切な解答を組み立てられたのではないかと思います。
中小企業診断士に挑戦しようとする多くの方に届くこと、そして効率的な受験勉強の助けになれば、本当に嬉しいです!
それでは!
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