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インド口吸事件とホテル王④

前回のお話し③↓


楽しかったバラナシにもさようなら。

寝台列車に乗り込み再びデリーへ。
ボックスシートになっている席に知らない人たち4人で座りお向かいの人と少しお話ししたりして。
日本人が珍しいのか色々とお話し。
今回は上の段のベッドだったので自分のペースで横になることができ、順調に(と言っても数時間遅れで)デリーへ到着。
改めて日本の電車の時刻通りは素晴らしいことだと感心。


日本に帰国まであと2日。
道を歩いていると同じ歩幅でピッタリとついてくるインド人が声をかけてくる。

「バッグを後ろにしてると危ないから前にした方がいいよ」
最初に優しい事を言って違う角度から攻める親切風詐欺も地球の歩き方に載っていた。

きたきたこのお調子者!
あと数日で帰るということと、バラナシでのベスパくんとの体験で出会いを楽しんじゃおう〜と思い、
「はいはいありがとう〜」
と笑いながら答える。
「どこへ行くのー?」
「歩いてるだけ〜」
「どこに泊まってるのー?」
「近くのホテル〜」
「うちのホテルに泊まればー?おれはホテルのオーナーだから」
「はいはいそうなんだー(ウソつけ)」
「すぐそこだから見てみるー?ほらここ」
怪しいインド人。しつこい。
まあどうせあと数日で帰るしちょっと見て行くか。

「へ〜」と言いながら小さなホテルのロビーに座る。
あーあんなツアーのゴージャスホテルよりこういうシンプルなインドっぽいホテルがよかったな〜なんてキョロキョロ。

入り口のフレッシュジュースを買ってきてくれた。
「おや、お金をどうやって巻き上げようとしてるんだろう」と警戒しながらジュースをいただく。水は大丈夫かとかコップは綺麗かとかちらっと気になったけど、おいしい。
ちなみにQQ女、まったく今回の旅でお腹を壊していない。

するとそのホテルの部屋から白人の若い女性が出てきた。
「こんにちはー」と挨拶をかわし、少し話しているとノルウェーから来た旅行者だという。
彼らと仲良く話している。
「あら?悪い人ではないのかしら・・?ほんとに彼のホテル?」

その後みんなで夜ごはんを食べるから一緒にどう?と誘ってもらったのでインド最後の夜だし行ってみるかとOKし、ついて行った。

何を食べたのか忘れたけれど(カレー味の何かは間違いない)、ノルウェーの女性を含めて5、6人でレストランに行き食事をした。

これこれ〜こういう事したかったのよーと楽しい最後の夜を過ごした。
お会計はそのホテル王が。
ああ、こういうこともあるんだ。
誰もが騙そうという人ではないんだ。

最後の夜にとても良い出来事があり、みんなで連絡先を交換したりしてインドをちょっぴり好きになった。

つづく


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