飲まないと乗れないから ~仕事中に酒を飲む同僚と

今から1年前、わたしの職場の隣の席は、髭のおじいさんが座っていました。

おじいさんは毎日5時を回ると、わたしに「ちょっと焼酎を買いに行きませんか」と言います。

飲まない方がいいと言うと、「満員電車なんて、飲まないと乗れんもん」と言います。片道一時間半の満員電車、かわいそうだ。

一人で行くのは寂しいらしいので、近くのコンビニまで一緒に行って、お酒を買うのを見ています。わたしのおやつも買ってくれます。

そういうのを毎日毎日続けていました。

うっとおしかった。

仕事の手を止めて、5階の職場から降りて、コンビニに行かなくちゃいけない。
あー行きたくないっていう態度のまま付き合ったり、「いやだ」って言ったり。そのうち、お金を持っていないのに焼酎を買うものだから、わたしが払うようになっていきました。
わたしにおやつを買ってくれるけれど、支払いはわたしです。

おじいさんは昨年、定年退職でやめました。
「心配だよ。あんた騙されやすいから」って言葉を残して。

あんたに言われたくないわ。

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