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駒沢給水塔100周年、10/1「都民の日」のライトアップ

Aiko(4歳)とAoi(2歳)のアラフィフパパQPちゃんです。
ブラタモリ的な観点から、街をブラブラしていて気になったものをQPちゃん視点で色々ご紹介していきたいと思います。

今日は完成から100周年を迎え、10/1の都民の日にライトアップしていた駒沢給水塔を紹介したいと思います。


駒沢給水塔概要


世田谷区駒沢にある駒沢給水塔は”双子の給水塔”として知られ、東京都世田谷区駒沢オリンピック公園の北西に位置する象徴的な構造物です。
この給水塔は、歴史的にも建築的にも価値があり、地域のランドマークとなっていながらも、観光スポットではないため一般的にはあまり知られていない存在なので、QPちゃん視点からその歴史や特徴、役割について詳しく説明します。

名称
駒沢給水所の配水塔

駒沢双子の給水塔 出典:東京都水道局

所在地/アクセス
所在地:世田谷区弦巻二丁目41番5
(建設当時:東京府荏原郡駒澤村字新町(東京府荏原郡駒澤町字弦巻))
アクセス:東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩7分

受賞・認定情報
昭和59年 せたがや百景(世田谷区)
昭和60年 近代水道百選(日本水道新聞社)
平成14年 世田谷区地域風景資産(世田谷区)
平成24年度 土木学会選奨土木遺産(公益社団法人土木学会)

1. 建設の歴史

明治末期から大正初期にかけての東京市(当時)周辺は、人口の増加につれて安全な飲料水の確保が必要となり、上水道布設事業が相次ぎました。
特に人口増加の著しい豊多摩郡渋谷町(現渋谷区)では早くから事業計画が進み、東京市の水道事業推進の重鎮であった東京帝国大学の中島鋭治博士に依頼して、砧村(現鎌田)に浄水所を設けて清潔な水を作り、送水ポンプの力で中継の駒沢給水所に設置した給水塔に押し上げた後、自然重力で渋谷町へ送水するという斬新な仕組みでした。
世田谷区内では最高地に近い(標高46m)ことから、ここ駒沢が中継地に選ばれ、世田谷を横断する大規模な水道工事が、国家事業並みの扱いで大正10年5月にスタートしたとのことです。
※渋谷町の最高地標高が約36mです。

2. 建築の特徴


双子の給水塔 出典:東京都水道局

駒沢給水塔は、アールデコ調のデザインが特徴的で、円柱形の塔状構造を持っています。塔の高さは約40メートルで、上部には円形の水槽がありました。
西欧の中世風の趣きを持ち、独特な意匠を施した2基の塔屋には王冠を連想させる装飾電球が付けられ、「丘の上のクラウン」と呼ばれるなど、大正ロマンを感じさせる独創的な意匠となっています。
特徴あるトラス橋で両塔が結ばれているこの独特な設計は二度のヨーロッパ出張で得た中島博士の卓越した土木建築デザイン感覚によるものです。
タイル装飾や細部のデザインも、当時の技術や美意識が反映されています。

3.渋谷へ配水をするための仕組み

弦巻の丘に給水塔をつくって、塔の水深を18mにすると満水面の標高は64mになり渋谷町との標高差は28mにもなり、自然流下で配水ができる仕組みとなっています。
多摩川の伏流水を水源とする砧下浄水所から送水された水をポンプで2基の配水塔に貯留し、落差圧を強めて自然流下で渋谷地区方面に給水する構想は、当時の日本では斬新なものでした。

4. 現在の役割

給水塔としての機能は現在では停止されていますが、給水所は震災時に飲料水を供給する応急施設となっています。

また、その歴史的な価値やランドマークとしての意義から保存され続けています。
平成14年、都水道局は老朽化の激しい布設記念碑の大掛かりな補修作業と併せ、塔屋の装飾球の復元やトラス橋の全面塗装替えでイメージを一新しました。
装飾電球の夜間ライトアップは、復元後今日まで、世田谷区民に貴重な近代化遺産をアピールする恰好の風物詩となっています。

5. ライトアップスケジュール

2024年

4/14(18:00~22:00) 桜新町さくらまつり[終了]
6/1~6/7(18:00~22:00) 水道週間[終了]
10/1(18:00~22:00) 都民の日[終了]
12/31~1/3(17:00~25:00) 年末・年始

地味ではありますが、特に建築などが好きな方には一見の価値があると思いますので、お近くに来た際にはぜひお立ち寄りください。

それでは、また!


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