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38話 GUM
ピンチくんが寝そべりながら言った。
「あれ? こんなところにガムあんじゃん」
パク。
モグモグモグ。
「あれ? ちょー待って。これガムじゃない。
なんか違う。ガムじゃない」
「マジ!? じゃあなに?」
「ちょっと待って」
。。。。。。。。。。。。。。。
「あ、ガムだったわ」
「最初、ガムだと思って口に運んで、あれ? なんか変。
ガムじゃないかもしれないって思って、
もう一度よくよく確認したら、ガムだったってことか」
「そうそう!
最初、ガムだと思って口に運んで、あれ? なんか変。
ガムじゃないかもしれないって思って、
もう一度よくよく確認したら、ガムだった」
「シンプルに言うと、勘違いして再確認したら、
最初ので合ってたってことだな」
「そう、シンプルに言うと、勘違いして再確認したら、
最初ので合ってたってこと」
「ガムでよかったのかな? ガムでよかったんだろうな」
「ガムじゃなかったら、どうしようかと思ったわー」
「ガムじゃなかったら、どうなってたの?」
「もしガムじゃなかったら、みんなに、これガムじゃない!って呼びかけて、一話埋めれるくらいの軽めの騒動になって、だけど、そこまで大事件って感じでもなく、まあ丁度良い感じにひと盛り上がりあって、今まで話さなかった人と話したり、前より仲良くなったり、こういう一面もあるのかって思ったり、なんか、ガムだった場合よりは、 何かは起きるんじゃない?少しは」
「じゃあガムじゃなかった方がよかったってこと?」
「そこまでは思わないけど」
「まあ一概には言えないか。。。」
「たいして変わらないかもな」
「それもわかんないよね、実際ガムだったから。
ガムじゃなかったパターンを体験してないから」
「ガムじゃなかった世界線も味わってみたかったな」
「たしかにな」
「今回はガムだったってだけだな」
「そうだな、今回はガムだったってことだな」
「そう、今回はガムだったってことだね」
「そうなんだよ。今回はガムだったってこと」
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『「フレア」か「パルス」か、それ以外』という物語を
試験的、実験的に書いています。