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第30章 it’s a ganjigarame

ガンジ・ガラメくんが泣き喚いた。
「何をどうすればいいんだ!?
 何をどうすればいいんだ!?」

スーパーパニックちゃんが言った。
「スーパーパニック スーパーパニック スーパーパニックちゃん!」

あわて ふためき郎が言った。
「落ち着こう。
とりあえず、部屋中ガソリン撒いて、火ぃ点けるべ」

てんやわんや坊やが言った。
「鳴かぬなら、燃やしてしまおう、ホトドギス」

ガンジ・ガラメくんが言った。
「積み上げて積み上げて、最終的に壊す。
この工程が分かりきってるから、ヤル気もでないんだろう。
だったら、最初に壊してしまったらどうなるかマジでやってみるか」

「鬼ストレス、解放祭りで壊しきったからな。
 もうこれ以上壊しようもねー気もするが」

前のめり夢蔵が言った。
「やるなら、おれがやる。右手にライター、準備オッケー」

レイ・セイくんが言った。
「マジでやんの? 流石にキツイって。全然笑えないべ」

菅原さんが言った。
「やめよう。悪ノリが過ぎる」

ファイヤーくんが言った。
「悪ノリじゃない。前に進むためには、なにかアクションを起こさないと。もう行き止まりなんだ。
それとも誰か、ガンジ・ガラメくんとスーパーパニックちゃんを落ち着かせることが出来るか」

ガンジ・ガラメくんが言った。
「マジでどうすればいいんだ」

あお郎が言った。
「飛んで火に入る夏の虫」

ねむ郎が言った。
「もうそういうのは何回もやってきただろう」

「現状維持でいいべ。なあなあじゃない。
意志ある現状維持だ。プラスでもなく、マイナスでもなくゼロへ向かう。マイナスを防ぐのが優先なんだ、分かってくれ。大人になるべ」

「ド畜生。こうやって、つまんない大人になっていくのか。
今までの何だったんだ」

「『無』でもなく『有』でもなく『空』へ向かう。
お前だって、それをずっと望んでただろう。
どうして、そんなに極端なんだ、何回繰り返すんだ。
もう変えられないのか」

「そういう性質なんだ、よくもわるくも。
 自分でも分からない」

 「直したり、正していくより、そういう元々ある部分を受け入れる方がラクだべ。
 今さら変えられないだろう。人に合わす必要もない。
 ある程度は良いが、お前の場合、それも極端過ぎるんだ。
 過剰適応というか、誰かの言うことに従った方がラクだから、そうしようとはするが、
 納得出来ない相手だと、体が逆の行動をとってしまって、
 あれおかしい、何やってんだっけ?ってなる」

「合わせない方が良い。その方がおかしくなる。
 だからっつって、過剰防衛みたいになるのも違う」

「そうやって、条件つけんなよ、だからわかんなくなるんだよ。
 そのままで言いと言え。そのままを受け入れろよ」

「まあ物作る人は、病んでなんぼってところもあるよな」

「望んでそうなったわけじゃないけどな」

「どっちが先だったかって話でもあるな。忘れたし、わかんね」

「まあでももうキツイべ。やり方変えないとな。
 なんか良い方法あると思うんだよなぁ」

「ホントだよな、ずっとホントの自分じゃないみたいだな」

「先天的な性質と、後天的に、どうにかしようって身につけていった性質とのせめぎ合いとかかな、ギャップというか」

「またムズい方へ行きそうだな」

「自分が自分に驚いてばかりだ、ずっと」

「予定通りいったことなんて、まずないしな」

「そもそも予定立てれんし」

「毎日アドリブが過ぎるわ」

「どの自分も自分だし、
 そのままで良いと思うんだけどなぁ」

オリ・ハルコンさんが言った。
「眠ることも出来ないし、しりとりでもしましょうか」

「ガンジガラメ」

「メラ」

「ライム」

「無駄」

「暖気」

「僅差」

「酸素」

「外」

「徒歩」

「炎」

「温度」

「ドッグ」

「グッド」

「ドッグ」

「グッド」

「ドッグ」

「グッド」

「ドッグ」

「グッド」

「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」
「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」
「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」
「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」
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「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」
「ドッグ」「グッド」「ドッグ」「グッド」

「眠れそう」

「やめない人ばっかりだ」

「犬が羊になってるな」

「したり顔で言うなよ」

「言うんであればポーカーフェイスであれよ」

「スーパーパニックちゃんねたよ」

ねごと言ってる。

「スーパーパニック スーパーパニック スーパーパニックちゃん!」

「夢の中でもスーパーパニックちゃんは、スーパーパニックちゃんだ」

「ガンジ・ガラメくん、さっきよりは落ち着いた?」

「イヤー、全然。なんかもどかしいわー」

「火ぃ点けてみる?」

「とりあえず、ドッグ、グッド続ける?」

「どっちもだりーわー」

ガンジ・ガラメくんが言った。
「何をどうすればいいんだ!?」
 何をどうすればいいんだ!?」

「最初のに戻った」

「何も解決していない」

「ドッグ、グッドをただ続けてるのと変わらないな」

「不毛に思えても、続ければ何かが変わる、そういう精神論みたいなのも、もうキツイ。
それにしてはあまりにも長過ぎるわ、おれたちの場合は」

「そんなことはない。まだまだ続けるべきだし、
地味にだが、徐々に変化は起きている」

「継続することが大事だべ」

「決めたならとことんやるべきだ」

「メビウスの輪だ」

「何が」

「わかんね。こういう時によく言うっけや」

「今、煮詰まってる、煮詰まり続けてる。
沢山人がいても、余程新しい何かか、余程の出来事がなければたいした何も変わらん」

「現状維持だ。意志ある現状維持だ、現状維持も大変なことだ」

「わかんねー」

「とりあえず、トランポリン北澤を胴上げだな」

「んだな」

「5時間やってみよう、なにか変わるかもな」

「トランポリン、トランポリン、トランポリン、トランポリン」

「こんなにも、誰1人、気が乗らない胴上げないよな」

「言うなよ。みんな分かってんだよ。仕方ないさ。
トランポリン。トランポリン。トランポリン。トランポリン」

「北澤、北澤、北澤、北澤」

「トランポリン、トランポリン、トランポリン、トランポリン」

4時間半が過ぎた頃、
だいたい、みんなが予想してた通りの事が起こった。

トランポリン北澤がブラックアウト。

ナース・レイナが言った。
「わたしの出番がようやくきたわ。
とりあえず布団に入りなさい。
冷たい水とかでなんとかするわ」

「おれらコレ何してんだ。マッチポンプにも程があるわ、しかも大勢で」

「誰もやめようとしなかったな」

「増築でもするか。窮屈だわ。人多い」

「確かに。箱に対して物が多い。溢れてるわ」

「一体なんの話だよ」

オリ・ハルコンさんが言った。
「建築関係の人いますか」

「もちろんいますよ、そりゃ、物語なんだから、
いますと言えば、そりゃいるだろう、
ここでいなかったらリアルでシビア過ぎるわ。
おれは建築関係の海里株式会社の代表です。
社員も6人程います」

「良かったです。
では10畳の部屋をあと2部屋増築、お願いします」

「かしこまりました。早速取り掛かります。
 皆さんも出来るだけ応援、協力、お願いします」

つづく

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『「フレア」か「パルス」か、それ以外』という物語を試験的、実験的に書いています。


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