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第25章 血まみれツヨシ
僕の名前は血まみれツヨシ。
いつだって傷だらけなんだ。
でも僕には特殊能力があって、
何もしなくても驚異的な速さで
どんどん回復していくんだ。
しかも僕はディフェンスのやり方を知らないんだ。
常に無防備。
ノーガードで打ち合うか、
ひたすらクリンチするだけなんだ。
そんな僕を見て、ほとんどの人が勘違いするんだ。
コイツはすぐに回復するから放っといても平気、
多少攻撃したり、蔑ろにしてても、関係ない。
でも違うんだ。
痛いのはみんなと同じくらい痛いんだ。
現にこの部屋に来てからも、
銃で6発程撃たれてる。
でもなぜか急所を外してギリ生きて回復してる。
6回も喰らってるんだよ。
想像出来るかい。
痛みに慣れることなんかない。
毎回これなら死んだほうが絶対マシってくらいの激痛なんだ。
銃だから脳が痛みに耐えきれなくて、
ショートして気絶するんだ。
でも目覚めた時にはもう治ってる。
これは喜ぶべき能力なんだろうか。
神様、なぜ僕にこんな能力を与えたのですか?
って思った時も何回もある。
なんか段々マジで腹立ってきた。
ド畜生、今すぐぶち殺してやる。
神様ってどこにいて、どうやって殺せばいいんだ?
トクちゃんが言った。
「独り言? 心の声、聞こえちゃってるよ」
「え、おれ声に出して言ってたのか」
レニーちゃんが言った。
「神は星より高い最上階に居て、チェーンソーで倒せるよぅ」
「それ、ゲームボーイのSAGAの神じゃない?」
「現実の神も倒せるかもよ」
「やってみるね!行ってくる!じゃあまた会おう!」
血まみれツヨシここで退場ーーーーーーーーー。
「血まみれくん、健闘を祈る」
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