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34話 作者と池本
「統合失調症です」
「まだやってたのか」
「統合失調症です」
「もういいっつの」
「統合失調症です」
「ドクターまだか」
「統合失調症です」
「心折れんな」
「統合失調症です」
「持ち直すな」
「統合失調症です」
「イントネーションを変えて言うな」
「統合失調症です」
「工夫すな」
「統合失調症です」
「マイクを持ち出すな」
「統合失調症です」
「マイクロフォン越しに言うな」
「統合失調症です」
「声にエフェクターをかけるな」
「統合失調症です」
「ギター弾きながら言うな」
「統合失調症です」
「工夫すな」
「統合失調症です」
「カッケーな」
「統合失調症です」
「カッケーな」
「統合失調症です」
「どんどんカッケグなるな」
「統合失調症です」
「天才か」
「。。。。。」
「夢中になるな」
「。。。。。」
「夢中になるなって」
「統合失調症です」
「やっつけで言うな」
「。。。。。」
「夢中になるな」
「。。。。。」
「作曲家の顔になるな」
「。。。。。」
「さっき録音した音源を確認すな」
「。。。。。」
「もうワンテイク録ろうとすな」
「。。。。。」
「試合放棄すな」
「。。。。。」
「試合放棄すな」
「。。。。。」
「試合放棄すな」
審判の岩渕くんが言った。
「94対93でトクちゃんの勝利。島崎さん360キュピロン支払って下さい」
観てる人達が言った。
「めっちゃいい勝負だったな。しかもハイレベル。島崎もうちょっとだったな。ほっしい」
「ほっしいじゃなくて、おっしい、な」
「おっしいじゃなくて、惜しい、な」
池本が言った。
「あ、これワニ味噌だれ鬼おんシューティングだったの? ビックリしたわー」
クルミガオカくんが言った。
「そりゃそうでしょ。何だと思ってたの?」
「わかんない。頭おかしい人が2人で喋ってて、本当にドクターを待ってる状態だと思ってた」
「マジかって。んなわけないじゃん」
「ビックリしたー」
ピンポン。
インターフォンが鳴った。
クルミガオカくんが玄関へ向かう。
「誰だろ?」
ガチャ。
「ドクター6人ただいま到着致しました」
「ガチできてどうすんの。間違っていますよ」
「早速オペレーションしましょう」
「ちがうちがうちがうちがう。
なんだよ。ガチでくるんだったら、
どうせならナースにすりゃ良かったよ。
チェンジ。
ドクター全員なしで代わりにナース6人お願いします」
「デリヘルか」
「作者ちょっと照れんな」
「守りに入るな」
「身を削れよ」
「創作中にデリヘル呼ぼうとすな」
「鵜呑みにすな」
「呼んだことないじゃん」
「ダイヤルを押して躊躇うな」
「らしくないことすな」
「サイトで、より優良な店を探そうとすな」
「らしくないこと書こうとすな」
「こだわりを持つな」
「ムリすなて」
「ピザを取ろうとすな」
「ピザはいいか」
「デリヘルより躊躇うな」
「うーん。。。じゃねーよ。その労力創作へ使え」
「ちょ待って、なんでデリヘルはアウトでピザはセーフなんだ?」
「なんでだろ?創作中だからかな」
「じゃあ創作に支障きたさないなら何やってもいいの?
殺人は?」
「極端か」
「死刑囚調達してくれ」
「小学生か」
「キレ味鈍るな。油断するな。常に鋭利であれ」
「あれ、ワニ味噌だれ始まってる?」
「作者のくせに参加すな」
「池本公太37歳」
「本名で呼ぶな」
「北澤鉄斗34歳」
「ニックネームから本名に正していくな」
「島崎麗奈26歳」
「しょうもない伏線を回収すな」
「織川春子30歳」
「殺人事件ぽくしようとすな」
「黒瀧徳三郎48歳」
「犯人ぽい名前を考え出すな」
「パチスロ行こうかな」
「やめたんじゃないのか」
「創作のためだ、気分転換だ」
「それはズルいぞ、聞き飽きたじゃ」
「ウソだじゃ」
「ホッ」
「油断すな」
「公園で黄昏れるな」
「いっけや」
「上の階のおじさんに鯨汁ごちそうになって実家を思い出すな」
「いっけや」
「人妻とドンキーコングやって間違いを起こそうとすな」
「池本」
「パチスロの女店員に子供いたこと知ってショック受けるな」
「池本」
「地下アイドル兼風俗嬢のマンションに招かれて複雑な生い立ち聞いた挙句殺されかけるな」
「池本」
「ローソンの帰りにメンヘラチックな女にあとつけられて、小走り気味で逃げ帰った挙句勘違いだったことに気付いて呆然とすな」
「池本ーーーーーー」
「呆然とすな」
「池本公太37歳、真犯人はお前だ」
「呆然とすな」
「やりあえよ」
「呆然とすな」
「組み合えって」
「呆然とすな」
「ワニ味噌だれ鬼おんシューティングにありがちな一点張りに突入するな」
「呆然とすな」
「逆転のチャンスをくれよ」
「呆然とすな」
「逃げきろうとするな」
「呆然とすな」
「作者に花を持たせろよ」
「呆然とすな」
「勝ちに徹するな」
「呆然とすな」
「池本」
審判の岩渕くんが言った。
「92対90で池本の勝利。作者は400キュピロン支払って下さい」
「これまたいい勝負。僅差」
クルミガオカくんが言った。
「これ、さっきのパターンだと、デリヘル嬢とピザ屋と死刑囚来ちゃうんじゃない?」
ピンポーン。
インターフォンが鳴った。
「ホントに来た」
クルミガオカくんが玄関へ向かう。
ガチャ。
「東前田勝俊です」
「ヒガシマエダカツトシさん? どちら様ですか」
「東前田勝俊です」
「デリヘル関係の方ですか」
「東前田勝俊です」
「ピザ屋さんですか」
「東前田勝俊です」
「死刑囚の方ですか」
「真犯人、東前田勝俊です」
「犯人?」
「古畑任三郎の最初に犯人を知らせるシステムに憧れてきました、
東前田勝俊です」
「ほう」
「トランポリン北澤を殺しに来ました」
「お帰り下さい」
「お願いします。東前田勝俊です」
「殺人をやめて、普通に参加するのなら良いですよ」
「分かりました。東前田勝俊です」
「念のため、3日間、ポリ・コウスケさんと行動を共にしてもらいます」
オリ・ハルコンさんが言った。
「こういう展開もいいけど、もう少し物語っぽく、小説っぽくしたいです。
わたしたちもなるべくちゃんとするので作者のあなたも次の章からなるべくちゃんとして下さい」
「分かりました」
「では現状報告と決意表明をおねがいします」
「えー、上巻の『反立法』が完結し、タイトル未定ですが、中巻に来たところです。
上巻、中巻、下巻に分けます。10畳の部屋が3つあると考えて下さい。
その3つの部屋で色々なことが繰り広げられます。
誤差はありますが、33、33、33、くらいに分けて100話で終止符を打つ予定です。
体調などにより、間が空いたりします。
すぐに心が折れがちなので、立ち直ったり回復させるのに時間を必要とします。
煮詰まったら、音楽や四コマ漫画などをUPし気分転換をしながらやっていきます。
休息しながらやっていきます。
今年中に終止符打てれば幸いですが、そればかりはなんとも言えません。
ペース的におそらくムリです。
気にせず、のんびりやっていきます。
やめなきゃいいだけだと思っています。
心の昇華。浄化。
自分の核心に出来るだけ迫りたい。
自問自答。
なんかこわいからムリしない程度に。
漫画のような、哲学書のような、今まで読んだことがない感じの、リハビリにも最適な、余計混沌とするような、脳が痺れるような、価値観が揺らぐような、概念が覆るような、システムが変わるような、そんな物語を書きます」
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