手帳のFMT
みなさんは手帳をお使いだろうか。
私は大学入学と同時に自分で購入して使うようになり、かれこれ8年目となる。
たいした使い方をしてきたわけでもないが、これでもある程度手帳のことに詳しくなってきているつもりなので、今回は手帳のFMT(フォーマット)を中心に紹介し、星の数ほどある手帳の中から最適な1冊を選ぶお手伝いができればと思う。
1.手帳の購買基準
そもそも、人は何を基準にして手帳を選んでいるのか。
私の場合、最初の4年間は手帳界隈でも有名な高橋書店のものを使っていた。
なぜ高橋書店だったのかと言うと、「手帳は高橋」このキャッチフレーズがただただ耳から離れなかったからである。
最初に購入したときは、持っているだけでおとなになった気分を味わっていたので、中身の使いやすさなどはほとんど気にせずにそのような知名度や見た目だけで購入していた。
今も大事に当時の高橋手帳4冊保管しているが、まあその中身のペラペラなこと。いかにとりあえずかっこいいからみたいなスタンスで購入していたことが手にとって分かる。なっさけない。(引用:ダイアン津田)
その後、仕事用にモレスキンの星の王子さまデザイン(90×140mm アメリカン・ポケットサイズとも言われる)を、普段使いでほぼ日手帳オリジナルサイズ(105×148mm A6・文庫本サイズとも言われる)を使い分けて3年目となる。
モレスキンは私が星の王子さまが好きで、中身とサイズ感も使いやすいこと、ほぼ日はそのコンセプトに共感し、日々の出来事を記すのにぴったりだったことから、選ぶに至っている。
このように振り返ると、私の場合は最初は完全に見た目や雰囲気、知名度で購買に至っていたが、何年か使うことで慣れていき、手帳を使う目的や自分のこだわりで購買するようになったことが分かる。
私の経験を踏まえて、手帳の購買基準をざっくりまとめると
①見た目(色、形、大きさ、質感など)
②雰囲気(CMやSNS発信などによる知名度、手帳を持つだけでかっこいいなど)
③使いやすさ(使用背景に応じた中身のFMT・サイズ感など)
以上の3つに大別できる。
そして、手帳を初めて使う人は①や②をもとに、その後手帳を使い慣れてきた人が③を意識するようになるパターンが多いのではないかと感じ、これは購買意思決定プロセスの変化にも大きく関わる部分だとも考える。
もちろん初めから③を意識して選ぶ人もいるはずなのであしからず。
そして今回、個人的に重要だと感じている③について、その中でもFMTについて取り上げていく。
FMTの画像は各メーカーのホームページより引用しているので、少々統一性にかけることがあるが、ご了承いただきたい。
2.手帳のFMT
2-1.月間タイプ
(引用:NOLTY)
このようにカレンダーみたいなFMTだけで構成されている手帳を月間タイプという。
だいたい12ヶ月分の月間ページのあとに、自由に使えるメモページが何ページかあり、手帳の中でも薄いものや小さくコンパクトなものが多い傾向にある。
一方でこの月間FMT、多くの手帳の前半に付いていることが多く、例えば週間タイプを購入すると、必然的に月間タイプも押さえていることになる。
ただ、そうなるともちろん質量的にも大きくなるので、コンパクトな手帳をお探しであれば、月間タイプだけのものがおすすめ。
2−2−1.週間レフトタイプ
(引用:NOLTY)
続いて、週間タイプのご紹介。
週間タイプにはいくつかあり、中でも主流なのがこの週間レフトタイプだろう。
見開き左ページに1週間分の欄が縦に並び、右ページにはメモが配置されている。
1週間ごとに内容を把握しやすく、その内容に応じてメモを調節でき、この形にすっかり慣れてしまった私は、仕事用は必ず週間レフトにしている。
2−2−2.週間バーチカルタイプ
(引用:NOLTY)
週間の2つ目は、バーチカルタイプ。
これは2ページにまたがって、1週間分が横に並ぶFMTとなっている。
縦軸は時間を表していることが多く、レフトタイプよりも時間管理面が目に見えて分かりやすいのが特徴。
垂直だからバーチカル。
2−2−3.週間ブロックタイプ
(引用:NOLTY)
週間の3つ目は、ブロックタイプ。
見たままの通り、見開きで1週間がブロック状に配置されているFMTで、レフトやバーチカルよりも知名度は低いものの、最近徐々に人気を獲得している。
その日ごとにメモなどを整理できて煩雑な感じを抑えられるところがメリットと言えるだろう。多分。
2−3.デイリータイプ
(引用:NOLTY)
これこそまさにその名の通り、1日ごとにページが変わるタイプ。
何かを記録したり、絵を書いたり、チケットを貼り付けたりなど、その広いスペースをどのように使用するかは本人次第。
日記の代わりに使っている人も多く、私もその1人である。
2−4.ガントチャートタイプ
(引用:NOLTY)
主に1ヶ月単位でプロジェクトを管理するときに見られるFMTで、手帳のみならず様々なタスクツールにおいて幅広く使用されている。
何なら手帳に起用され始めたのもここ7〜8年の話で、ガントチャートという名前だけでも聞いたことある人がいるかも知れない。
使用目的がはっきりとしているので、普段使いにはあまり向いていないかも知れないが、徐々に注目を浴び始めているFMTである。
2−5.上下セパレートタイプ
(引用:ユメキロック)
上下で分かれているFMTで、その多くが上は月間、下が週間という形が取られている。
月間と週間を同時に見ることができるので、スケジュールの把握のしやすさは他の追随を許さないだろう。
個人的にこの形に出会ったことがほとんど無く、市場でもあまり見ることがないが、このFMTを熱望する声は非常に多い。
そんな中、キャンパスの一部や例に挙げているユメキロックではいくつか見られるので、こちらにリンクを貼っておく。
2−6.家計簿タイプ
(引用:ミドリ)
続いてはこちらの家計簿タイプ。
ページの中にお金の収支を記入する欄があり、家計簿代わりに使用できる。
私はエクセルで家計簿をつけているのでこのタイプは必要ないのだが、手帳と家計簿を別で持っている人からすれば、1冊でまとめられるこのタイプを利用して身軽になってもいいかも知れない。
2−7.プラスノートタイプ
(引用:日本ノート)
薄めのダイアリーとメモ用のノートが一体化しているタイプ。
特徴としては、しっかりとしたカバーによって2冊が収納されており、いざというときは分解して使うことができるという優れもの。
月間タイプで薄めのものを使っている人で、もう少しメモの欄が欲しいという人におすすめだが、残念ながらこのタイプもあまり市場では見かけない。
ので、月間タイプと、同じサイズくらいのメモ用ノートの2冊、それらに合ったカバーを自分好みに組み合わせて、カスタマイズしてもいいかも知れない。
2−8.フリータイプ
(引用:ミドリ)
(引用:ラダイト)
フリーということで、枠や罫線などしか書いておらず、日付や時間などは自分で記入して自由に使用できるFMT。
いつからでも気軽に始められる反面、自作というかなりハードルも高いアイテムなので、これをうまく使いこなせる人は相当の手練だと感じる。
2−9.システム手帳タイプ
(引用:プロッター)
言わずと知れたビジネスマンの必需品。
これに関してはFMTというよりは、もうシステム手帳という別枠な存在なので、今回はサラッと触れるだけにしておく。
一般的な手帳と決定的に異なるのは、リング式で中身が交換可能なところ。
そのため毎年中身だけを買い替えて、カバーは革製のものを中心にとっておきを大事に使い続けるパターンが多い。
バイブルやミニ六穴など、あまり聞き慣れないサイズの呼び名があり、少し敷居が高い感じも否めない。
3.総括
以上、簡単ながら手帳のFMTについて、よく見られるものから、聞き慣れないタイプのものまで紹介してきた。
本当は週間タイプならホリゾンタルや見開き2週間など、細かく分ければまだまだあるのだが、今回は割愛させていただく。
みなさんの今後の手帳選びの手助けになったかは分からないが、少しでも参考になれば幸いである。
最後に大事なこととして、手帳の始まり月というところも触れておこう。
手帳というのは10〜1月始まりが圧倒的に多く、その次に3〜4月始まりが多い。他の始まり月はないとは言わないがあまり多くはない。
多くの手帳がこの2つの期間に、中身を変え少しリニューアルして毎年販売されている。
なので特定のアイテムで欲しい物があっても、1月始まりはなく10月始まりならあるみたいなこともザラにある。
だが注目してほしいのは、その10月始まりの多くは、翌年の12月までしっかりと1年は使うことができるので、安心してそれを選んで大丈夫なのである。10月始まりだからといって、来年の10月に終わるといった中途半端な感じではないことをここで明言しておきたい。(すべてのメーカーでそうなっているかは保証できない。)
ちょうど手帳の買い替えの時期、分厚いものを2冊持たないようにするために、10月からの2ヶ月分を活用して上手く乗り換えてもらいたいという手帳メーカーの努力を感じることが出来る。
あと、中身を変えられるのがシステム手帳の特徴と記載したが、もちろん先述したリングタイプではない手帳でも、中身だけを買い換えられるものが多数あるので、そこはお間違いなく。
私もほぼ日手帳はとっておきの「尾州毛織物」を使用しており、中身だけを毎年買い換えるようにしている。
スマホでのスケジュール管理も便利だが、書いて味を出していくその手帳を今後も大事に使用していきたい。
おまけ.筆者のおすすめ手帳
(引用:デルフォニックス)
言わずと知れた人気のシリーズのロルバーン。主流のリングタイプは月間ページのあとにたっぷりのメモページがあり、ノートタイプは本当に薄くて持ち運びもしやすい。豊富なカラーリングや、いろんなキャラクターや企業との限定コラボなど、そのデザイン性に惹かれて毎年ロルバーンにしてある種のコレクションと化している人も多いことだろう。ダイアリーではなくノートタイプもあるので、そちらも合わせてチェックしておきたい。
ちなみにロルバーンとはドイツ語で、滑走路という意味らしい。
(引用:モレスキン)
フランス生まれイタリア育ちの代表的輸入ステーショナリーのモレスキン。ハードなカバーが特徴的で、少し高価格だがその分使用する価値は十分にあるアイテム。ソフトカバーもあり、FMTやデザインも豊富でその人気は高い。ダイアリー以外にもノートブックやペン、バッグやスマホケースなども作られており、シリーズで揃えると見栄えもよく少しおとなな気分を味わえるだろう。
非常によく似た「ロイヒトトゥルム」というドイツのブランドがあるが、私は外見だけでは見分けられない自信がある。
(引用:ほぼ日手帳)
コピーライターの糸井重里氏によって生み出されたロングセラー商品。デイリータイプが主流であるが、分冊版avecや5年手帳など、毎年何かしら新しいタイプの手帳が出てきており、その他のブランドとは一線を画している。日記がてら手帳を始めてみたいという人には、まず1番におすすめしたい。
ほぼ日グッズを扱う直営店「TOBICHI」というものが東京と京都にあるので、ほぼ日ワールドを確かめたい方はぜひ足を踏み入れてみて欲しい。