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【Mac】あえて価格の安いモデルを選ぶという選択肢

はじめに | 記事の要点

こんにちは。Qooと申します。私は先月、M3チップを搭載したiMacを購入しました。

購入したのは最も安い、メモリ8GB、ストレージ256GBのものです。これは、MacBook Airなどでも同様の構成がある、いわばAppleが示してくる最低限のPCです。

しかし、巷ではこの構成の最安モデルを買うことは推奨されていません。
「本当にこの構成で大丈夫か」、「もっとメモリは多い方がいいのではないか」

といった悩みを抱えている人もいると思います。そこで今回は、私が最下位モデルのiMacを買った理由、買っても大丈夫と考えた根拠を解説します。

基本的にはiMacの記事ですが、MacBookやWindows PCなど、他の機種の購入を検討している方にも参考になるのではと考えています。

PCのことがよくわからない人にもできるだけわかりやすく説明しますので、ご一読いただけると幸いです。



1.なぜ、Apple Macの最安モデルを買うことが推奨されないのか

1-1 メモリ、ストレージが競合製品よりも少ない

先程、「メモリ8GB、ストレージ256GB」というのがApple製PCの現在の最低構成であると説明しました。これは現代の基準からすると「ケチ」と行ってしまっていいと思います。これが、おすすめしない理由にまず挙がります。

例を挙げると、M3チップを搭載した現行のMacBookは、13インチモデルで約15万円です。メモリは8GB、ストレージ容量は256GB。

記事執筆時点で、ほぼ同じ価格のWindowsノートPCを探すと、「TUF Gaming A15 FA507NV」というものが14万円台でした。こちらのメモリは16GB、ストレージ容量は512GBで、それぞれ2倍の量を搭載しています。

更に探せば、ストレージが1TB(約1000GB)のものもあります。

客観的に見ても、同価格帯のPCの半分以下というのはコスパが悪いと捉えられても仕方がありません。


1-2 性能が不足する可能性がある

「コスパが悪いのはわかった。でもメモリだのストレージだのと言われてもよくわからない!」
という人も当然いると思います。

生活で使うもので簡単に例えると、メモリは机、ストレージは収納スペースです。

つまり、先程のWindows PCと比較して、最安値のMacBookやiMacは半分の机のスペース、収納のスペースしかないことになります。

これらを人に例えると、ネット閲覧やオフィスソフト、クリエイティブ用途などあらゆる仕事を狭いスペースで作業させられ、かつ成果物は狭い棚にパンパンに押し込まないといけないということを意味します。

その結果、仕事効率が落ちるため、メモリやストレージが少ない構成は推奨されないわけです。

MacBookやWindows PCを購入する場合でも、これらの数値は確認しておいて損はないと思います(Windowsでも理屈は同じです)。




2.iMacの最安モデルが推奨されない理由

iMacに話を戻します。iMacの最安モデルが一般的に推奨されない理由を以下に箇条書きします。個人的に重要度が低いと感じるものから順に書いていきます。

1.色のバリエーションが少ない
2.USBポートが2ポート
3.Magic Keyboard にTouch IDが非搭載
4.GPUが8コア(上位モデルは10コア)
5.ストレージが少ない
6.メモリが少ない

Youtubeなどを見る限り、主にデメリットとして挙げられているものはこの6つかと思います。



3.それでも最安を選んだ理由

ケチだからです。ただ、それだけだとあまりにも中身がないですよね。

一応、MacBook Air を選べば、ほぼ同価格でメモリ16GBモデルを選ぶこともできました。それでもiMacの最安モデルで妥協してもいいかと思った理由を書いておきます。

あくまで私見ですので、無理に共感していただく必要はありませんし、むしろ私の意見に同意できない方は、その部分を満たせる性能のPCを選ぶ参考にしていただければと思います。


3-1 色のバリエーションが少ない

これは一部の人にとっては大きな問題だと思います。インテリアや家の壁紙と合わせる上で、大きい家具の色の選択肢が少ないのはいただけないという気持ちもよくわかります。

ただ、自分は賃貸暮らしでインテリアにも拘りがなかったので、無難な白を選びました。これは最安モデルにもある色です。



3-2 USBポートが2ポート

上位モデルの半分しかないポート。当然、接続できるものも半分。しかし、マウスやキーボードはBluetooth接続できるこのご時世、自分はあまりポートを利用していません。

自分は1ポートは増設ストレージの接続に使い、もう1ポートは両端がUSB-Cのケーブルを接続しています。

Magic KeyboardやiPadの充電時はLightningへの変換アダプタを使用すれば、これで事足ります。

他のデバイスの充電は、そもそも充電器を別の棚に用意して行っています。折角iMacのお陰でスッキリしたデスク環境を荒らしたくないのです。

また、iMacのアダプターは143Wとあまり大容量ではなく、理論上は最大70W程度をPCが消費します。そうなると、最近の急速充電に対応したスマホの最速の充電ができない可能性もあります。

そういう意味でも、わざわざiMacを経由して充電する必要はないと思います。



3-3 Magic Keyboard にTouch IDが非搭載

Touch IDはPCへのログイン時やアプリのログイン時、Apple Pay利用時にスムーズに決済画面に移行できるのが便利です。購入時に6000円を追加で支払うことで購入できます。

一方で自分は
・アプリのログイン用途であまり使わない(Lineアプリをたまに使う程度)
・Apple PayをMac上でほとんど使わない(スマホの方がよく使う)

よって、ログインするためにパスワードを入力することくらいしか手間と感じる部分はないのです。

ログインも今まで使っていたPCと同じなので、3秒程度あれば入力可能。

1回あたり3秒のためのオプションは自分にとっては不要と判断し、最安モデルを使用しています。



3-4 GPUが8コア(上位モデルは10コア)

コア数が多いほど、性能が上がります。性能の指標としてGeekbench 6というベンチマークスコアがありますが、OpenCLのスコアで8コア版は25702、10コア版で30309とのこと(Metalだと8コアは41137、10コアは47277)。

OprnCLで性能差が18%ほどあります。

一方、ハイスペックなゲームや複雑な動画編集を行わない限りは8コアでも十分な性能があります(iPhone 15 Pro MaxでMetalスコアが27158)。

また、私事ですが私は以前WindowsのデスクトップPCでRTX4060Ti 8GB版を使用していました。

こちらはOpenCLで128000程度のスコアとなり、Geekbenchのスコア上は、M2 Ultraを搭載したMac ProやMac Studioに近い性能になります。

これからの乗り換えで性能が落ちることは承知していたので、あまり気にしていません。




3-5 ストレージが少ない

保存領域はあって損はないですが、残念ながら現在のハイエンドスマホにも劣る容量しかありません。

ただ、前述したように、以前はデスクトップを使用していたため、M.2SSDは手持ちがありました。こちらを外付け用のケースに入れて、拡張ストレージとしています。

内臓ストレージを増やそうとすると、1TBでなんと60000円も取られてしまいます。外付けGPUにすれば、最安1万円台で2TB分の拡張ストレージを用意できます。

もちろん、最安のSSDではApple純正の内臓ストレージに見劣りしますが、拡張領域と考えればNVMeのSSDを安く増設する程度で十分と思います。




3-6 メモリが少ない

さて、最大の問題点だと思われるメモリ容量の少なさ。現在のPCは以前に増してメモリ容量が多く求められています。

Windows PCは16GBは欲しいと言われ、Adobe Premier Proなどの重量級ソフトを使うクリエイターからは最低32GBは欲しいと聞きます。

8GBは明らかに旧態依然としたスペックで、正直ケチるなよとは思います。

ただ、Apple製品はPC以外もメモリが少ない傾向があり、iPhone 15 Proシリーズでもメモリは8GBとなっています。自分が行うことといえば

・ゲームは少しする程度
・動画や画像の切り貼りをたまにする
・後はLinuxでも事足りる事務作業、ブラウザ閲覧

という感じ。まあ画面さえ大きいメリットを除けば、スマホでやればいいだろというタスクしかしておらず、当面は問題はなさそうと考えています。

また、メモリ4GBのiPhone11が今でも快適に使えていることもこれでいいと思っている理由です。




4.それでもスペック不足と思った場合は・・・

「今の時点では問題ない性能でも、用途が変わって性能不足になる」
「年数が経つとコンテンツが重たくなるのでメモリが足りなくなる」

これらはよく最安モデルをおすすめしない理由として挙がります。

再販価値が低い自作デスクトップPCを使っていた時は割と同意できる内容だったのですが、iMacの購入時はあまり気にせず買いました。

理由として、iMacを含むApple製品の再販価値の高さがあります。
例えば、M1チップを搭載した3年前のiMacは買取価格が現時点で約7万円台(メモリ8GB、ストレージ256GB)。

こちらは約15万円で販売されていたものなので、3年使って半額で売れるということです。

スペックが足りないと思うなら、売却して用途に見合ったPCを買い直せばいいと思いました。また、十分な売却価格が見込めないくらいの年数使えば、元は取れたと考えていいでしょう。


また、M3チップは高性能ですが、ノートPCに搭載できる低発熱、低消費電力の方が魅力なので、限界性能自体はほどほどです。

最初の方で引き合いに出した「TUF Gaming A15 FA507NV」は、CPUベンチマーク(Passmark)でM3を2割上回り、GPUは3倍近い差があります。

CPUは前世代のRyzen 7、GPUはNvidiaの60番台(下から2番目)と一見平凡。しかし、電池持ちを気にせずiMacのように電源を繋ぎっぱなしで使うなら、額面上M3搭載PCを超えるパフォーマンスが出ます。

そもそも8GBメモリが限界になるようなタスクをするなら、もっと性能が高いM3 ProやM3 Maxを使うべきであって、実は

・メモリ8GBでは不足
・しかしM3 Proを使うほど重たい用途ではなく、M3でも快適

というシチュエーションに私が普段使いで出くわす可能性は低そうだと思いました。


よって、結論としては
・自分の使い方だと8GBでも足りる
・足りないなら売却する
・売却価値がないくらい使ったら寿命だと思って買い換える

という考え方をすれば、意外と最安モデルもいいんじゃないかなと思います。

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