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旅のあとさき

書くことは旅に似ている
って冒頭からそれらしいことを言ってるだけで中身のない文章になりそうな予感がするけど

書きたいけど書けない
苦しんで、得体の知れない孤独に苛まれ
いったんそこから逃げてみるが、頭にはいつもそれがあり
時を経て、ある時ちょっと書いてみると
するすると言葉が出てきて目の前に世界が広がり
知らなかったところへたどり着く

それは、さながら

どこか未知の土地をさすらってみたいが
時間とお金と体調のやりくり
何より気持ちがぴたりとくる行き先を求め、迷い
いったん保留
というところまでを何周か繰り返した末
ある時ほぼ衝動だけで乗り物のチケットを予約し
繰り出していく、無計画な旅

「産みの苦しみ」とか「降りてくる」とか
書くことの感覚は人により、時と場合により、多様なのだろうが
わたしにとってはどうやら旅

過去の旅に思いを馳せ、あと幾度、どんな旅が出来るだろうと想像し
高揚し、ときに切なくなる
旅は決して日常ではなく
わたしはいつもそのあとさきにいて、思いを巡らせている


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