歯科医院のマーケティング②

。近畿エリアの歯科医院を元気にして、歯科医の地位向上を図り新規開業で業者に騙されない歯科医院を増やす事。また歯科医の生活の質を上げていき、近畿エリア全ての人に歯と歯の治療の大切さを広めていきたいと本気で思っているQOLplanningです。

では引き続いて歯科医院のマーケティング②です(^^♪

戦略と戦術って違い、わかりますか?似てるようで似てない言葉です。

簡単に言うと戦略は予定計画です、戦術は実行方法になります。

まず戦略ですが、これを歯科医院で例えた場合「医院開業の工程」をイメージして頂くと少しは解りやすいかと思います。

一人の歯科医が「開業しよう!」と思い立ちました。

目の間には空き物件があります。

空き物件があるから即契約してユニット・チェアを感性任せに適当に設置しみよう!とはならないですよね?

まずドクターのイメージにあった医院になるのか?と考えるところから始めると思います。そして人口の多さとか人の流れとか見て良かったら図面を引いたりしていきますよね?

もっと細かく言うと

「どこに開業しようか、どんな医院にしようか?チェアは何台は欲しい、診療のメインは?やりたい治療は?借入はこれくらい?返済はこれくらい?利益はこれくらい?収入はこれくらい?何年で返済して・・・・などと事業計画を考えて、しっかりとプランを組んでから着工しますよね。

そこから医院の内装などをデザイナーと打ち合わせ・そして設計士が現場に入り、建築士と一緒に水道・電気をどこから引っ張るのか考えます。そのような工程を経て「はじめ!」って作業します。逆に言うとこれらの工程を経ないと建築作業は進めれません。

事業計画及び設計図を最初に決めないと物事は進まないんです。

これらを決める事が戦略です。

でもこの戦略を決めるのが結構手間がかかります。だからコンサルタント職の人が代わりに大まかな道筋を決めたりアドバイスをくれたりします。

戦略は物事を始める前のおおまかな設計図や作戦です、戦術はそれらを細かくステージや段階にわけて具体的な「やりかた」を描いたものです。

最近非常に多いのが「やりたい治療」を追求して、患者さんから愛想をつかされているドクターが多い傾向にあります。バランスが悪い、戦術重視です型ですね。戦術としてはもちろん医療技術の向上は必用なのですが戦略が無いので大局を捉えれていないドクターが多いですね。

大局は何か?というと代表的な例でいうと地域顧客視線の欠如です。

患者さん側の視線に立つと、そのエリアで「やりたい治療」と「やらないといけない治療」の分布が出てきて、医院経営でどのような戦術が必要なのか?が自然と見えてくるはずなんです。

そうすると今度はスタッフさんに「どの様に指示するのか?何をして欲しいのか?」などが連鎖的にわかります。

スタッフさんを上手くコントロールして、患者さんの満足度を上げていくことも戦術になります。接遇ですね、微妙ですが・・・。

ただ戦術に走るまえに、大局である地域性を捉える。そのために医院設計をどのように行っていくのか考える、オペレーションの構築です。しかしこのオペレーションの構築は医院設営時に構想として無い厳しいです。

よく言われるのが「やりながら修正をかける」と言われます。でも正確には「やりながら考えている」人が大半なのではないでしょうか?

最初から考えていて修正をしながら運営をするのと、全く無い中でやりながら考えて運営するのでは圧倒的大差があります。

地図を見ながら山登りするのと、地図が無いままに山登りする位に違います。遭難しますよね。

だから戦略が必要なんです、それも地域戦略です。

これはブランド編でも書きましたが歯科医院はやはり立っている地域性に合わせて医院展開を行う必要があります。もし地域性と全く違う事をやりたいと思うのであれば、遠隔地にいる見込み客に自分の医院からメッセージを発信できる仕組みと受け取って貰える仕組みを作らないといけません。

これも最初に「戦略」として自分の中でしっかりと考えが固まっているなら問題ありません。堂々と地域性が違うところで自分のやりたい治療や医院展開をおこなってください。しかし、そうで無い場合は医院運営が常にブレることになります。先ほどの「地図無し山登り状態」です。

これではその次の戦術もうまくいくはずがありません。だからしっかりと自分の医院の戦略を固めないといけませんね。

これら戦略や戦術が無い医院はどうなるのか?

若い勤務医ドクターが開業医に変化する時に多いのが下記の状態です。

「よし、自費を多く獲得するぞ!」
「そのためにはオシャレな医院を作ろう!」
「ホームページも看板も全て統一したオシャレで高価なイメージだ!」
「ユニフォームもオシャレを追求、機能美!」 って始めたのにあまり患者さんが来ない。。このままではマズイ。。

「やはり保険診療中心にやろう!」
っと方針転換。しかし建てた医院がオシャレ過ぎて地元の人からは少し敷居が高い感じが・・・。
そこでホームページも変更、
看板も親しみのある感じで大きく刷新、
建物もシックな感じに変更して、
温かみのあるユニフォームに・・。。


ってどれだけお金がかかるのでしょうか。

もちろんホームページや看板なども優れた戦術であると思います、しかし本当に必要なのは戦術に依存するのではなく大局である戦略が必要のです。初めに戦略をしっかりと立てていればこのように右往左往する事はありません。

また先生方の中には「しっかりとした治療を行えば患者さんは来てくれる」と思われている方も多々いらっしゃると思います。もちろんその通りです。全く異論はありません。

ただですね。

患者さんにどうやってその素晴らしい治療を知ってもらうのか?

ここも考えてほしいわけなんです。

毎年増える歯科医院、患者側からすると「どこの歯科医院にすれば良いのかわからない」状態です。

だから「良い治療だけする」のスタイルでは患者さんは来ないんです。

良いものが残るのではなく、残ったものが良いもの。

この状況が近年の日本国内の動きでもありますね。家電製品、携帯、物流などもそうです。商品が良い・愛想が良いだけでは長く続きません。

見込み患者(まだ患者ではない)を見つけて来院してもらう。その活動が必要になります。

先ほどの「良い治療を提供すれば良い」だけのスタイルだと、その良い治療と患者さんが気づくのはいつでしょうか?それは治療が終わってからです。と、言うことは当然医院に来院してもらわないと始まりません。

ちなみに「良い治療」は集患する為のツールです。いまの患者さんに通い続けてもらう、良い口コミをしてもらう。これらはブランドにもつながります。

現代では成功する歯医者さんは新規患者さん、見込み客(患者)を見つけて開拓する「マーケティング」を行わないと生き残れません。

ところがこのマーケティングを「戦略と戦術」を理解されないままに業者に言われるがままに広告看板、ホームページ、販促物を作成するドクターが非常に多いんです。またコンサルタントと話をする時も自分のイメージをしっかりと固めながら話をしないと「とりあえず」って言葉に流されて終わります。そんなことでは長く医院経営など続きません。

さて、それではその戦略と戦術、見込み客をどの様に見つけて自分の歯科医院まで来てもらえば良いのでしょうか??

これは様々なやり方があるとは思います、そのドクターの状況によっても違います。新規開業?承継開業?分院展開?立場も理事長?院長?勤務院長?分院長?勤務医?などなど・・

状況によって違いますが、まずは「開業するぞ!」と浮かれずに落ちついて、御自身がどの様な「人生」を送りたいのか考えてください。ここからです。

例えば収入は殆どなくて良い、借金を返せるだけで良いのならそのレベルで開業したらよいと思います。逆に大きく稼ぎたいならそれに見合った運営をしないといけません。

いずれにしても、まずは開業される先生自身の人生。いわゆるライフプランを考えてから自分の医院経営を考えないと途中で息切れします。。

話がそれてきたので戻しますね。

マーケティングの観点から歯科医院を開業するにあたり、まず最初に考えないといけないのは自分の生涯設計(ライフプラン)です。どのような人生を送りたいのか考える。そしてその人生を達成するために何をしないといけないのか?何をしたいのか?歯科医としてどのような治療をしたいのか?しないといけないと思うのか?

その理由は?→これもブランド編で書いてますが、自分以外の人との共感を生み出さないといけません。皆さんが相手をするのは人間です。顕微鏡のウィルスでは無いのです。独りよがりでは相手にされず、ましてや地域医療に貢献などは到底難しいでしょう。

自分の治療スタイル、やりたい治療などの思考を固める。そこから更に将来に渡って自分がやりたい治療を考えます。開業はマラソンです、同じペースでありながらゴールに向かって毎年少しづつ早くなる。そして長く携わっていかないといけません。

だから、なぜその治療をやりたいのか?その理由は何なのか?を考えてください。→詳しくはブランド編で書いてます(^^)/


そしてそこから

まず自分のやりたい治療は何なのか?
それを患者さんにどの様に伝えるのか?
そして開業エリアに見込み客は居るのか?
さらに協力者となるスタッフは雇用できるのか?

など様々な課題が見えてきます。それらを自分の中で組み立てていきエリアでの医院経営の勝率をあげていくイメージを付けていきます。ここでのこの考えが戦略になります。そしてこれにブランド化を重ねて考えます「ブランドマーケティング」ですね。

開業エリアでの見込み客の開拓や獲得施策は「マーケティング」になります。

上にも書きましたが院長の治療方針やコンセプトを固めてアピールするのはブランドマーケティングになります。

さらに地域性を重視した特殊な攻め方を「エリアマーケティング」になります。

そしてさらに見込み客では無く、既に何回か来て頂いている患者さんを意識・及び定着させる施策を「カスタマーマーケティング」と呼ばれています。歯科医院で言うところのリコール対策ですね(^^♪

これらは新規開業の時に多くやりますが、すでに開業していて業績が良くない状態などで行う「医院経営改善プログラム」などでも取り入れています。

歯科医院の経営が悪化しているのにももちろん理由があります。すごく簡単な事を見落としているだけなんです。ただ皆さん自分のやり方に拘り過ぎていて、簡単な事が見えなくなっているドクターが多々いますね。本当に簡単なんですよ、良くある悩みに「コミュニケーション」とか言われる人が居るんですけど、実際蓋を開けてみたら単純に「院長自身が挨拶できていない」って事があったりますからね(笑)

残念な事に、こんな単純な事に気づかずによくわからない業者に多額のお金を支払って改善しないままに終わるパターンも多々ありますので注意が必要です。

新規で開業する先生方は是非その辺を「見抜く能力」を付けてほしいと思います。

次はスタッフのマーケティングかスタッフのブランド化について書こうかと思います。次回はブランド編が遅れているので書いていきたいと思います。その次あたりにスタッフコミュニケーションとか自費話法とか書いていきたいなぁって思っています。でも未定!(そこに戦略は無いんかい!( ;∀;))

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