Vol.3「ここに残るもの」振り返り美術編!!
こんにちはQoiQoi大橋悠太です。
今回は舞台「ここに残るもの」の美術について振り返ってみたいと思います。
舞台をご覧でない方にもある程度わかるように書いていきますので、最後まで読んでみてください。
戯曲完成! 美術どうするか問題
今作「ここに残るもの」は戯曲だけで言えば、昨年末くらいには完成していました。この戯曲一見すると現代が舞台の会話劇なのですが、想定としては数百年後の未来の話を想定してました。
なので戯曲の中にはいくつか摩訶不思議な装置が出てきます。
「ラビーフェールトディスク」ってなんぞ!?
と思いつつ、まずは想像してみる所からはじめる訳ですが、どんな形でどんなシステムなのか頭を捻って、稽古までの期間過ごしていました。
相方の吉次とGINZA SIXの蔦屋書店に行って美術のアイデアを探したり、よく利用する写真共有サービスのピンタレストなどを利用してアイデアを集めました。
(QoiQoiではフライヤーや舞台美術などを考える際にめっちゃ利用しています!アイデア出ないと悩んでいる方におすすめですよ)
プランは大方固まった3月ごろ美術さんも決まり、いよいよ打ち合わせ。
舞台設定などが特殊なためイメージを共有できるか不安もありましたが、打ち合わせ後に書いてもらったラフ案はかなりイメージに近いものになっておりました!
ここから更に打ち合わせを重ね、襖のデザインや椅子、ベッドなど細かい部分詰めていき、最終的に出来上がった美術がこちらです!
小屋入り中の仕込み段階の写真なのですが、ラフ案と比べるとかなり近い印象にはなっているのではないでしょうか?
そして、ここに照明を加えるとこうなります!!
めっちゃいい!!
ただの自画自賛なのですが、照明が入ってより一層、当初頭の中に思い描いていた世界観になってくれました。
美術の表現について
さて完成した美術についてですが、皆さんどんな印象を持ったでしょうか?
一応僕が想定していた裏設定的な部分もここに書いておきたいと思います。
美術全体は白を基調として、アクセントに黒を配置しています。
戯曲にある【襖】というのも衝立のような形にしていて、登場人物たちも靴のまま登場します。日本家屋というよりは海外の習慣も混ざっていて、どこか無機質に感じる空間をイメージしていました。
というのも、この世界は現代よりもだいぶディストピア的な世界観で戯曲の中でも【生きた花なんて図鑑でしか見たことない】というセリフがあります。
なので劇中登場するお花は紙と針金でできています。
国というのも日本とは明言せず、駅名も第◯海岸や第◯地区といった表現にして、数百年後日本という国の形ではない未来を想定して作っていました。また作中では大昔に大噴火が起こり、その二次災害で大きな被害が出ており、昔話として語り継がれています。そして作中から10年前、大昔の出来事以上の大規模事故で家族は故郷を奪われました。どれだけ時が過ぎても人が生きていく限り歴史は繰り返される。そんな戒めも込めています。
舞台空間の無機質さはそうした記憶や習慣が失われた場所、奪われた場所を意識しています。
ちなみに、大橋が作品完成当初頭を悩ませていたラビーフェールトディスクはこうなりました!
家族の記憶を残す装置として結構重要なアイテムです。
想定としては音を記録するCD、映像を記録するDVD・BD、それらの進化として空間を記録するRD(ラビーフェールトディスク)というイメージでした。
またここだけの話ですが、舞台写真の左手側にある襖はすだれ状になっていて、当初は登場人物たちがそこを出入りする想定でした。
しかし演出している内に空間処理的に没になりました。笑
襖をくぐったら過去の世界、そこから出たら現実に戻るなど考えていたのですが、それはまた別作品の時に使われるかもしれません。
そうした舞台美術ぜひ配信で
さて、ここまで振り返ってきた美術に関してですが、ご覧になっていない方には実際にはどういう印象・役割だったのか分かりにくい部分もあったと思います。
実は「ここに残るもの」舞台映像の配信を現在行なっています!
ご興味湧いた方、もう一度見たい方もぜひ配信映像もご覧になって、noteの内容と比べてどんな印象になったのかコメントなどで教えてもらえたら嬉しいです!
QoiQoiHPの詳細ページと配信チケット販売サイトのURLを載せておきますので、チェックしてみてください!
また舞台に関して振り返っていこうと思うので、noteもチェックお願い致します!
ではまた。
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