戯曲『ここに残るもの』
こんにちは、QoiQoiの吉次匠生です。今回は先日公演を行った演劇作品『ここに残るもの』の戯曲の一部を公開しようと思います!
戯曲と上演台本の違いって?
僕も戯曲を書くまでは(もっと言えばこの作品を書くまでは)戯曲と上演台本の違いについてそんなにしっかりと意識していませんでした。
今年の春に、尊敬してる劇作家の樋口ミユさんに、自分の書いた戯曲『ここに残るもの』を読んでもらいました。(まだ全然形になってない段階でしたが……)
そのときに言われた言葉は
匠生これは戯曲ではなくて上演台本だね。
という言葉でした。
自分はそのときに初めて戯曲と上演台本は違うの?? と思ったのを覚えています。
脚本、テキスト、上演台本、戯曲といわゆる「演劇の台本」にはさまざまな呼び方があります。そこで私と一緒に、上演台本と戯曲のちがいについて考えていきましょう!
そもそも近年のQoiQoi作品は吉次【脚本】→大橋【演出】というバトンのパスが多かったのです。そこで私は、相方の大橋が演出する際に困らないように、ト書などもなるべく事細かに台本にその時の状況を書くようにしていました。
例えば
などです。
つまり、上演台本は文字通り演劇を行うための台本なのです。
それに対し、戯曲は文学的な要素が多いのではないかと思います。戯曲は読み物として存在しているのです。
樋口さんからのアドバイスで、読んでる人の想像力を殺さないためにも、【1.ト書に余計な演出を書かない】【2.ト書も小説のように文章として成立させる】という2点に気をつけながら書き上げました。
戯曲と上演台本どちらが優れているということではなく「せっかく公開してみんなに読んでもらえるなら、戯曲を書いてみたい」と思い、今回このような形になりました。
その結果、読んでる人が「ここ舞台上でどうやって表現するのだろう?」と思うシーンが増えていると思いますが、それも戯曲を読む楽しみの一つとして味わっていただければ幸いです。
戯曲の一部を公開していますのでお時間ある方は是非読んでみていただけると幸いです。ではまた!
QoiQoi 吉次匠生
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