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日本について再考してみたあれこれ-留学体験記vol. 4

なんでも物事を考えすぎる癖が抜けなくて、またエッセーを書いてしまいました。ヘッダーは11月のreading breakで旅行に行ったCanadian Rockies。

日本人とのコミュニケーションについて

留学先のバンクーバーには日本人が沢山います。私のような交換留学だけでなく、正規留学や居住、ワーキングホリデーや語学留学など、さまざまな目的・理由で皆さん滞在しています。ダウンタウンでもキャンパスでも、毎日のように日本語が聞こえてきます。日本食レストランも至る所にあります。

バンクーバーNo. 1ラーメン @Danbo

一見すると日本人が多くて話しやすく、安心する環境だと思われるかもしれません。しかし、正直に言うと、非日本人non-Japaneseよりも日本人とのコミュニケーションの方が難しいなと感じます。もちろん、言語面では日本人同士が、日本語(母国語)でも、英語でも(発音や語彙、文法面などで)、話しやすいのは事実です。たとえば、日本人同士で英語で話している時、英語での言い方がわからなかったり、英語には存在しない日本語の単語や表現は、日本語で言えば伝えることができます。

それでは、なぜ日本人とのコミュニケーションの方が難しいと感じるのか。それは「同じ日本人だから」という理由で、常識や価値観を一定程度共有している、という(誤った)前提が存在するからです。生まれ育った環境や文化的背景が似通っているので、つい相手も自分と似たような常識や価値観を持っているだろうと思い込み、それを相手にも期待してしまうからです。たとえば「日本では◯◯じゃん?」と共感や理解を求められたりする場面が多いように感じられます。

実際は、同じ日本人でも常識や価値観は個人差が大きいため、ズレを感じる瞬間は多々あります。それは、常識や価値観というものは、出身や国籍だけでなく、家庭環境や人生経験など、さまざまな要因から形成されるからです。

言語の壁以上に、考え方や性格が全く異なる相手とコミュニケーションをとる方が難しいのが正直なところです。これに関しては、国籍はまったく関係ありません。

「異文化交流」?

よく留学の目的で「異文化交流」を挙げる人がいます。私もそうです。確かに留学は生まれ育った母国を離れて他国で生活するので、留学するだけで確実に異文化交流にはなります。それは友人と哲学的な難しい議論を英語でしなくても、近所のスーパーマーケットで買い物をして、陳列棚にある商品の違いを日本と比べてみるだけでも、それは立派な異文化体験の一つなのだと思います。

しかし、それと同時に「異文化交流」という言葉に違和感を覚えるのもまた事実です。外国人(非日本人)を形容するときに、国旗の絵文字と一緒に「◯◯人(の1人)」とsocial media上で表現されることが多いと思います。🇬🇧人、🇰🇷人など。国籍や出身は事実であって間違ってはいないのですが、やはり過度な一般化overgeneralizationに陥るリスクを常に孕んでいます。

あなたが出会ったのは「◯◯人(の1人)」ではなく、「その人個人」なのです。だから、その人自身と向き合うことが大切です。逆の立場で考えてみるとわかりやすいと思います。「日本人(の1人)」と見られるよりも、「あなた個人」として見られる方が嬉しいと思います。それは、相手があなたの出身や国籍によってではなく、あなた自身に向き合ってくれているからです。

私が専攻する国際関係学・政治学を含む社会科学分野では、具体例を一般化・抽象化してこそ理論が形作られるものです。しかし、現実の人間関係においては、正反対なのです。正反対にすべきなのです。相手個人の個別具体(=個性)に着目して、交友関係を築くべきなのです。

確かに留学生同士であれば、各々の出身国やルーツは初対面の話題として話しやすいはずです。しかし、次第に仲を深めるにつれ、相手自身のことを知るようにするのが良いのだと思います。

Mindsetが変化した話

留学に来てから、物事の見方に関して、悲観的なものから楽観的なものにmindsetが変化したように思います。そしてそれはポジティブなことだと私は捉えています。

これまで自分が両親や学校から受けてきた教育を振り返ってみると、「◯◯しなきゃだめ」「◯◯しないとまずい/ヤバい」「まさか◯◯なんて、してないよね??」「どうしてこんな簡単なミスをしたの??」というネガティブな教えられ方が多かったように思います。その教育が原因で、私は自分の中で悲観主義的pessimisticな考え方が染み付いています。たとえば、〆切に間に合わないことを過度に恐れているので、課題をprocrastinateすることはできず、できる限り早く終わらせようとします。それ以外にも、失敗を過剰に恐れて、リスクを回避して安定を求めて生きてきたように思います。  

しかし、留学にきてから、楽観主義的optimisticな考え方が少しできるようになったと思います。もちろん根本的な性格が大きく変化したわけではありませんが、自分自身への強迫観念が減り、不透明な未来を憂う代わりに、今を生きることにより集中できるようになった気がします。たとえば、予期せず体調不良になって数日休んだとしても、ほとんどの場合、どうにかなるものです。課題も、人との約束も、大きくいえば人生も、なんとかなります。なんとかすることができます。

「なんとかなる」という言葉は投げやりで一種の神頼みのようにも聞こえますが、実際は「なんとかできる」未来の自分を信じることなのだと思います。結局物事を成し遂げるのは、今であっても未来であっても、自分であることに変わりはないので、未来の自分を信じることはつまり、今の自分を信じることなのだと思います。仮に失敗したとしても、それは「なんとかできる」未来の自分を形作るための過程なのです。That's not the end of the world!

'Raincouver'?

バンクーバーは11月から4月にかけて雨季になります。カナダ国内ではバンクーバーが突出して雨が多く、Vancouverとrainをかけて'Raincouver'と呼ばれることがしばしばあります。「世界一住みやすい都市」の一つとされるバンクーバーの最大の欠点の一つかもしれません。

10月後半頃から雨の日が増え、雨が降らない日はほとんど曇りです。ふとiPhoneのアプリで東京の天気予報を見ると晴ればかりで、羨ましい限りです。バンクーバーは今後数ヶ月間、寒く暗い天候が続くので、中には鬱になる人もいるので要注意です。

ただバンクーバーの雨は東京の雨とは少し性質が違うように感じます。東京はバケツをひっくり返したような大雨や豪雨の日が年に数日ほどありますが、バンクーバーは小雨が毎日ダラダラと続くイメージです。

super puff着て膨らんでるme @Banff

防寒のため、Aritziaのsuper puffというmax-30℃まで耐えられるアウターを購入しました。Lサイズを購入したので自分の体より二回りほど大きいですが、ちょうど空気の層ができて暖かく感じられます。Aritziaはカナダの人気のファッションブランドで、日本には出店していない(はず)です。だからカナダの定番must tryです。カナダに留学に来たら是非お試しを。特にレディースが人気です。

おわりに

毎回「はじめに」はないのに、「おわりに」はあるやんけ!というツッコミはさておき。留学生活ももうすぐ3ヶ月が経とうとしています。現地での生活にも大分慣れてきて、日本ではすることが難しい経験も沢山させてもらっています。

これまで旅行はしたことがあっても、海外での長期滞在は今回が初めてです。不安と緊張も多い中、周囲の人たちに助けられて支えられて何とか生きています。感謝しかありません。Thank you so much for everything as always!🥹

最後まで読んでくれてありがとう!Au revoir🇫🇷